島根大学 大槻研究室でセミナーおよび研究議論を行いました

Post date: May 23, 2016 8:53:38 AM

先週金曜日の5/19に島根大学の大槻研究室を訪問して以下のセミナー講演とその他の研究についての議論・打合せを行いました.

インパクの他にもぬれた粉体の力学や流動化,そのたレオロジーなどさまざまなポイントについて議論が盛り上がりました.

やはり大槻さんとは興味が一致する部分が大きいのでいろいろと勉強になります.一日みっちり議論させて頂きました.

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粉体衝突の力学とクレーター形成

桂木洋光(名大・環境)

砂地に石を投げ込むと,その衝撃は砂層に吸収されて石は直ちに停止し結果として浅いクレーターが残される.この身近にありふれた現象の物理的理解は実は21世紀になるまで未解明のまま取り残されてきた.これは,砂層への衝突現象の理解に必要となる粉体(散逸固体粒子群)力学が思いの外複雑であったためである.また一方で,衝突により作られるクレーターの形成機構を明らかにすることは,月や火星などの固体天体表面において普遍的に観測される大小様々なクレーター形状の理解のための基本としても重要となる.惑星科学分野では古くからクレーター形成の物理過程は研究されてきたが,近年になり物理的視点からの研究も粉体物理の進展に伴い盛んに行われるようになってきた.講演では,これらの背景を受け,21世紀の物理トピックとしての「粉体衝突抵抗力」と「クレーター形成」についての簡単なレビューを行う.特に,衝突抵抗力の運動方程式としての記述と様々な衝突条件により形成される多様なクレーター形状について中心的に紹介し,未解明問題についても適宜紹介する.