反ユダヤ主義
反ユダヤ主義(英語 anti-judaism)
ユダヤ教からキリスト教が袂をわかち、ローマ帝国内で広く受け入れられ、その後の過程で、キリスト教徒から見たユダヤ人の宗教上の差別(区別)
忌み嫌う主な理由に、イエス磔刑の責任、選民思想、高利貸し業などあり
反ユダヤ主義の根底にあるものはかわらないが、時代と共に、その理由、中身が変遷する(近代に入り人種的観点から、アンチセミティズム、反セム主義(英語 anti-semitism)という言葉が用いられる)
初期
(信仰上の相違は、反ユダヤ主義とは別に整理します。⇒こちらへ)
中世、近代
十字軍
11世紀、十字軍は異教徒からの聖地エルサレム奪還す目的で始まるが、異教徒であるユダヤ人も迫害された
シナゴーグが襲撃され、ユダヤ人はキリスト教への改宗を迫られるか虐殺された
儀式殺人、聖餅冒涜、血の中傷
”ユダヤ人がキリスト教徒をさらい、血を抜き取り儀式に使う”という噂が広まる
”キリスト教のミサに使われるパンをユダヤ人が盗み、潰している”という噂が広まる
噂をもとに、ユダヤ人狩りがおこり、虐殺される事件が起こった
ユダヤ人は、保釈金を徴収されたり、財産を没収された
ゲットー
12世紀に、第4回ラテラノ公会議で、ユダヤ人は服に布切れ(バッチ)を付けることが決まる
14世紀に欧州でペストが流行し、”ユダヤ人が井戸に毒を入れた”との噂でユダヤ人迫害がおこる
ユダヤ人追放、ユダヤ人隔離政策が広まる
16世紀にゲットーが欧州各地に設置される(18世紀のフランス革命以降ゲットーは解放される)
ゲットーは、ユダヤ人が強制的に町の一角に住まわされた居住地域のこと。
フランクフルトゲットーは、ユダヤ系財閥ロスチャイルドの発祥の地
シャイロック
シェイクスピアの戯曲「ヴェニスの商人」の中に出てくるユダヤ人高利貸しの名前
シャイロックは、”その当時のユダヤ人差別を批判したもの”、”その当時のユダヤ人感そのもの”、など様々な見解あり
数世紀前
ポグロム
ロシア語で”破滅、破壊”を意味する
19世紀の東欧、ロシア帝国で起こったユダヤ人に対する暴動
ポグロムの発生要因として、民衆の自然発生説、ロシア帝国の政策説あり
シオン賢者の議定書
20世紀にロシア秘密警察がユダヤ人を貶めるため作られた偽書とみられている
ユダヤ人の秘密組織が世界征服を計画しているという内容
ナチスの反ユダヤ主義に受け継がれていく
ナチスの唱えた反ユダヤ主義は、ユダヤ人を人種として区分し、アーリア人(ドイツ人)に劣る人種として、人種差別するという点で、それまでの反ユダヤ主義とは違うもの
参考
NEVERまとめ > ユダヤが長い間迫害されてきた理由が分かりやすいまとめ、13世紀から16世紀のユダヤ人問題、ロシア帝政末期のポグロム:ユダヤ人迫害、シオン賢者の議定書
wikipedia > 反ユダヤ主義、血の中傷、ゲットー、ポグロム、シオン賢者の議定書