機材 / equipment

これからパラモーターを始めるビギナーが誤解しやすいことの一つにより大きなパワーのエンジンを求める傾向があります。

パワーがあることは安心感や将来的なタンデムなどの飛び方のキャパシティを広げることにもつながるのでニーズとしては無理ないことです。

しかしその一方で大きなパワーが与えるリスクについて考慮されていないことが懸念されます。

ここで提案したいことは必要十分なパワーを超えて、不必要に大きなパワーはリスクでしかありません。

ここで言うリスクとは 操作不能 → 墜落 にもつながることです。

一般的にパワーというのはカタログデータ上では静止推力として表示されます。

例として体重70㎏くらいまでのパイロットが平地からテイクオフして自由に飛び回るだけなら静止推力30㎏強あれば十分です。

この動画は1995年頃の主流だったDK Beet 排気量は250㏄静止推力30㎏++

https://www.youtube.com/watch?v=R97e5ef6E4M

この動画のエンジンは120㏄、およその静止推力は55㎏+

120㏄ですらパイロットが横向きに水平になるほどのパワーを持ちます。

パイロットは2006年と,2007年の世界チャンピオンMathiue Rurnet氏

https://www.youtube.com/watch?v=bNLecZ_cfxI

この動画でタンデムフライトしているエンジンは170㏄、静止推力は70㎏

パイロットは17歳でパラグライダー世界選手権の出場選手だった安次嶺純氏

大きなパワーを無駄なくコントロールしているので非常に簡単に使っているように見えますが実際は見た目ほど単純ではありません。

https://www.youtube.com/watch?v=VsFPePD1bJk

最近はタンデム用エンジンユニットとして170㏄ 200㏄ 235㏄などのエンジンで静止推力80㎏を超えるものまで出てきていますがそれはあくまでもタンデム専用です。

静止推力50㎏あれば風のコンディション次第では総重量140㎏程度のタンデムも可能です。

これからパラモーターを始めるビギナーのみなさんが使うべき推奨エンジンは100cc-120㏄程度のエンジンユニットで静止推力50㎏-60㎏までのエンジンでいかがでしょう。

ここで大きなパワーのエンジンユニットには考慮されるべき次の3つのリスクについて説明します。

ピッチング / 反転トルク / パワーストール