概要
主に小学校などで、教育用楽器として使用されている鍵盤ハーモニカ。
ピアニカ、メロディオン、ピアニー、メロディカなど様々な呼び名がありますが、
これらは全てメーカーによって付けられた商標です。
例えるならば、“お茶”というペットボトル飲料に対して、
様々な銘柄が売り出されているようなものでしょうか。
それらの総称が「お茶」であるように、
ピアニカ、メロディオンなどと呼ばれる楽器の総称が「鍵盤ハーモニカ」なのです。
ちなみに英語では“Blow Organ”って言うらしいです。
鍵盤“ハーモニカ”なんて名前がついているのは、
ハーモニカと同じ発音機構である金属リードを用いているから。
一つの鍵盤に対して、その音程のリードが一枚ずつ備え付けられています。
鍵盤に対応したバルブの開閉によって金属リードに空気が送りこまれる発音原理は、
アコーディオンとほぼ同じと考えていいでしょう。
鍵盤数は標準的なもので32鍵(f〜c''')、
ワンランク上のものになると37鍵(f〜f''')、
高価なものになると44鍵(c〜g''')です。
加えて、バス音域の機種や、ピックアップマイクの搭載されたエレアコモデルもあります。
更に昔は、MIDIメロディオンなるものもあったそうな…(ほ、欲しい…)。
見た目は小柄な鍵盤楽器。
だけど息でコントロールするため、保持音の音量変化や
タンギングによる細かい連打に対応可能。
吹奏楽器かと思えば、和音・重音の発音が可能であるため、
複数の声部を同時に歌い込むことができる。
これらの特徴は、他の楽器には見られない鍵盤ハーモニカ独自のものです。
個人的な見解ですが、キーボードとギターとホーンセクションの、
中間に位置する楽器ではないかと考えています。
演奏の選択肢が多く、それだけプレイスタイルも多様になり得る、
万能さという大きな可能性を秘めた楽器なのです。