鍵盤ハーモニカ、実は色々な構え方があるんですよ。
そもそも、マウスピースの形状を大きく分けて二種類。
歌口の先に蛇腹状の管がついているか否かの違いで、
私は「ホース」と「直マウスピース」と言い分けています。
それによって、構え方、つまり演奏スタイルも二分されます。
【ホースを使用する場合】
多様な選択肢が生じるため更に細分化されますが、
ここでは一つの分け方として、楽器を持つか置くかで二分します。
ついでに、楽器を持つ場合はストラップの有無で大きく変わるので、
その点も分けておきます。…結局三分してる。
☆楽器を持つ場合(ストラップ使用)
○ストラップ一点支持法
サックスストラップなどを使って、楽器の裏バンド等に引っ掛ける。
首掛けのため楽器を縦に構えることになる。
楽器の安定度が低い分、持ち方に融通が利くが、鍵盤はやや見づらい。
左手は逆手で使用可。
○ストラップ二点支持法
ギターストラップなどを、左右のサイドカバーそれぞれ、
またはその付近に引っ掛け、二点で楽器を支える。
(SUZUKI社のHAMMOND44シリーズは、ギターストラップ用のピンが付属している)
肩掛けのため楽器を斜めに構えることになる。
鍵盤を見やすく、楽器の安定度が高い。
左手は逆手で使用可。
☆楽器を持つ場合(ストラップ不使用)
○バイオリン風
前サイドカバー部分を自身の左肩に置き、左手で下から楽器を支えるように構える。
鍵盤を見やすく、楽器も安定する。
○裏バンド持ち
ホースを使用して裏バンドに左手を入れて持つ。
楽器は主に、腹部や胸の前などに構えることになる。
身動きが取りやすい。
☆楽器を置く場合
○膝上に楽器を立てる
椅子に座るか、立奏であれば左足を椅子などに乗せ、
後サイドカバーを膝上に当てるようにして立てかけて持つ。
左手は逆手で使用可。
鍵盤はやや見づらいが、道具なしに両手が自由に使えることが大きなメリット。
○膝上に楽器を寝かせる
椅子さえあれば可能な構え方で、左手が順手で自由に使えることがメリット。
やや姿勢が縮こまるため、少々見た目が悪い。
○卓奏若しくはピアノの譜面台等に置く
楽器が安定しやすく、両手が最も自由な奏法。左手は順手になる。
他の楽器との持ち替えも容易になる。
ホースの場合は歌口を前歯で軽く噛むように咥え、口元を安定させるのが基本スタイルです。
(SUZUKI社のフレキシブルマウスピースなど、形を固定できる特殊なホースも存在します。)
両手演奏に際して、順手方向による左手操作は楽器を仰向けに置く場合限定となります。
楽器を立てる、若しくは立奏での両手演奏を想定する場合は、左手の逆手操作は必須と考えていいと思います。
ただしホースを使用する場合、ブレスコントロールの反応は直マウスピースよりも劣ります。
【直マウスピースの場合】
○バンド順手持ち(縦持ち)
裏バンドに左手を入れ、楽器を地面に対して垂直に立てて持つ。
見た目は良好なものの、鍵盤が見えづらいため演奏難度が高い。
○逆手持ち(仰向け)
裏バンド、若しくは楽器の底面を左手で下から支えるように持つ。
楽器を寝かせて、地面と水平に持つようなイメージ。
鍵盤が見えるため演奏しやすいが、見た目はやや悪いときも。
○波止場のビット風片膝立ち
左足を椅子などに乗せ、その上に楽器を立てかけて持つ。
基本的には裏バンドに左手を入れることになるが、
状況によっては左手を鍵盤に回すことが可能になる持ち方。
ただし、身動きが殆どできないため、演奏の見た目はイマイチかも。
直マウスピースでは基本的に右手のみによる演奏となるため、
必然的に重音や運指の選択肢は減ります。
ただし、直マウスピースならではのメリットとして、
タンギングやブレスコントロールのレスポンスが非常に良好です。
2013年3月現在、私が把握している構え方は以上です。
尚、記述に際しては、電子オルガン・鍵盤ハーモニカ奏者である
松田昌氏のブログ『マサさんのつれづれ日記』より、
★ピアニカ・奏法★のカテゴリを大いに参考にしております。
その他、演奏動画や奏法の解説等も多く紹介されておりますので、
鍵盤ハーモニカへの興味が深まった方は是非ご覧になってみてください。