4. カスパーゼ8とc-FLIPによるシグナル伝達の解明

 カスパーゼ(caspase)は、細胞死の調節に重要なシステインプロテアーゼであり、プロドメインと大小二つのサブユニットから構成されるプロテアーゼドメインから構成されています。イニシエーターカスパーゼの一つであるカスパーゼ8は、長いプロドメインとしてDED (death effector domain)をもち、細胞膜上のデス受容体等の刺激に応答して、二量体化や自己限定分解によって活性されます。c-FLIP(cellular FLICE-inhibitory protein)は、カスパーゼ8を高い相同性を有するタンパク質で、カスパーゼ8と相互作用することによって、カスパーゼ8の活性化や機能を制御しています。c-FLIPのアイソフォームの一つであるc-FLIPLは、カスパーゼ8によってc-FLIP(p43)とc-FLIP(p12)に切断されます。私達は、これまでに、c-FLIPLのプロセシングがカスパーゼ8による細胞死の誘導や転写因子NF-κBの活性化を制御することを報告してきました。私達の研究室では、カスパーゼ8やc-FLIPによるシグナル伝達の制御メカニズムの解明に取り組んでいます。