東北大学 幾何セミナー
セミナー情報
日時: 毎週火曜日 15:00 -- 16:30
会場: 例年は東北大学 数学系研究棟 305号室ですが, 今年度はオンラインで行うことが多いと思います.
アクセス: 青葉山キャンパスマップ (地図の右の方にあるH-31の建物)
〒980-8578 宮城県仙台市青葉区荒巻青葉6-3
世話人: 野村 亮介(東北大学 数理科学連携研究センター)
Email: nomu @ tohoku.ac.jp
講演者の他薦,自薦を歓迎します.
次回の予定
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため, 前期の幾何セミナーおよび散歩会は中止 とさせていただきます.
後期については未定 となっております.
前期: 前期の幾何セミナーおよび散歩会は中止となりました.
5月5日 休み
5月26日 休み: 見村万佐人氏主催のGowers理論勉強会が5/25(月)--29(金)に行われる予定ですが,
新型コロナウイルス感染拡大の影響のため,勉強会の開催可否についてはGowers理論勉強会のホームページを参照してください.
勉強会は延期となりました.延期時期はGowers理論勉強会のホームページをご参照ください.
5月頃? 散歩会・懇親会
散歩会は中止となりました.
7月14日(火) 15:00--16:00 高津飛鳥氏の連続講演会(第1回)
講演者: 高津 飛鳥 氏(東京都立大学大学院理学研究科・東北大学大学院理学研究科)
タイトル: 熱流の形状解析による対数関数の一般化と確率測度のなす空間上の幾何への応用
形式: Zoomを用いたオンラインセミナー
概要: 熱流の解析において、対数関数は様々な場面で現れる。 例えば、ボルツマンエントロピーの密度関数は対数関数の原始関数の負値である。 そしてボルツマンエントロピーは情報幾何や曲率次元条件の理論の基礎を築き、 これらの理論は対数関数の一般化を介して通して増補される。
本講演では、ユークリッド空間上の熱流下で関数の対数凹性が保存される事実に着目し、 対数関数の一般化を与える。 そしてこの一般化された対数関数を情報幾何に応用する。 また、曲率次元条件に対する応用の展望を述べる。 本講演は石毛和弘氏(東京大学)とPaolo Salani氏(Firenze大学)との共同研究、 および松添博氏(名古屋工業大学)との共同研究に基づく。
8月18日(火) 15:00--16:00 高津飛鳥氏の連続講演会(第2回)
講演者: 高津 飛鳥 氏(東京都立大学大学院理学研究科・東北大学大学院理学研究科)
タイトル: リーマン多様体上の回転対称距離球上の第1固有関数のベキ凹性
形式: Zoomを用いたオンラインセミナー
概要: 実数pとリーマン多様体の全凸領域上の関数fに対し, fと(p-1)ベキ乗関数の原始関数の合成関数が凹になるとき,fはp-凹であるという. 1976年にBrascampとLiebは,ユークリッド空間の凸集合上の熱方程式における0-凹性の保存則を導いた. これより,ユークリッド空間の有界凸集合上のラプラシアンに対するディリクレ第1固有関数の0-凹性が従う. 一方1989年にShihは,双曲平面上のある全凸集合のラプラシアンに対するディリクレ第1固有関数が,準凹性すら持たないことを示した. 準凹性は全ての凹性の中で最も弱い凹性なので,BrascampとLiebの結果をリーマン多様体に単純拡張できないことが分かる. しかし,リーマン多様体上の全凸集合を回転対称かつ強凸な距離球に限定すれば, ラプラシアンに対するディリクレ第1固有関がベキ凹になることを, 石毛和弘氏(東京大学)とPaolo Salani氏(フィレンツェ大学)とともに示した. ここでベキ指数は,動径関数の2階微分の情報に依存する. 本講演では,この結果の証明について話す.
9月1日(火)-- 9月3日(木) 第67回 幾何学シンポジウム (Zoomを用いたオンライン研究集会)
9月22日(火)--25日(金) 日本数学会 @熊本大学 オンラインで開催
9月29日(火) 15:00--16:00 高津飛鳥氏の連続講演会(第3回)
講演者: 高津 飛鳥 氏(東京都立大学大学院理学研究科・東北大学大学院理学研究科)
タイトル: 情報幾何を介したエントロピーの一般化と発展方程式への応用
形式: Zoomを用いたオンラインセミナー
概要: 熱方程式の漸近解析において、Kullback--Leiblerダイバージェンス(相対エントロピー)とFisher情報量を比較する対数Sobolev不等式は要の一つとなる。 この議論を情報幾何を用いて一般の発展方程式に拡張する方法を、2013年の太田慎一氏(大阪大学)の共著に基づき紹介する。 また近年、同一のエントロピーが異なる情報幾何構造を導く「エントロピーの不定性」現象が提唱された。 この現象の具体例として、ボルツマンエントロピーがKullback--Leiblerダイバージェンスおよびそれとは異なるダイバージェンスの族を導くことを松添博氏(名古屋工業大学)との共著に基づき説明し、 そしてこの新しいダイバージェンス族を用いた幾何解析に対する展望を話す。
後期
10月5日(月)--10月9日(金) 談話会および集中講義
講演者: 木田 良才 氏(東京大学大学院数理科学研究科)
形式: Zoomを用いる 参加方法等の詳細情報PDF
日程: 10月5日(月) 16:00--17:00 談話会
10月6日(火)--10月9日(金) 15:00--18:00 集中講義
談話会のタイトル: 測度付き同値関係の研究について
談話会の概要: 測度付き同値関係はフォンノイマン環の研究の中で生まれた概念であり、1970年代にFeldman—Mooreによって導入された。 当初は作用素環論やエルゴード理論の文脈での研究が盛んであったが、その後、離散群論の発展に伴い、離散群とその作用からできる軌道同値関係との関連を探る研究が見られるようになった。 現在では幾何学的群論、確率論(パーコレーション)、記述集合論など多様な分野との交流が盛んである。講演では代表的な結果について、その背景や興味深い点を中心に紹介する。 測度付き同値関係の研究へのイントロダクションとしたい。
集中講義のタイトル: 従順作用のいろはとその周辺
集中講義の概要: 従順性は元々群に対してフォン・ノイマンが導入した性質であり、数学の様々な文脈において重要なキーワードとなる性質である。 そして、それを元にして導入された作用の従順性もまた、離散群論、作用素環論、エルゴード理論をはじめとする 多くの分野での応用をもつ基本的概念である。この講義では、群作用及び同値関係の測度論的な従順性について、その基礎といくつかの応用を紹介する。
11月30日(月)--12月4日(金) 談話会および集中講義
講演者: 長澤 壯之 氏(埼玉大学理工学研究科)
形式: Zoomを用いる 参加方法等の詳細情報PDF
集中講義のURLは 理学部・理学研究科オンライン授業ポータル
日程: 11月30日(月) 16:00--17:00 談話会
12月1日(火)--12月4日(金) 15:00--18:00 集中講義
談話会のタイトル: O’Haraエネルギーの分解と評価
談話会の概要: 1990年代に与えられた結び目型内において結び目の標準形を与える目的で結び目のエネルギーがO'Haraにより複数提唱された。 その中の一つが Möbius変換で不変である事が見いだされ、Möbiusエネルギーと呼ばれるようになった。 MöbiusエネルギーはMöbius不変性を保ったまま、結び目の曲がり具合と捩じれ具合を記述する部分に分解される。 この分解は、 Möbius不変性がなくなる事に目をつむれば、一部のO'Haraエネルギーでも成立する。 ここでは、O'Haraエネルギーの分解の紹介と、最近得られたメビウスの分解エネルギーの各点評価・連続度評価について解説する
集中講義のタイトル: 結び目のエネルギー: 入門と最近の話題
集中講義の概要: 結び目のエネルギーは、与えられた結び目型におけ る標準形を決定するために導入された。 まず、エネルギーの設計法と基本性質を学ぶ。 その上で、変分法の直接法が機能する場合と機能しない場合が、何によって決まるかを考察する。 結び目エネルギーの一つのメビウス・エネルギーは、2つの場合の境界にあるもので、直接法の適用・非適用が結び目型にも依存する事を見る。 その他に、エネルギーの分解、余弦公式等を学ぶ。
12月1日(火) ワークショップ:分布族・離散集合の幾何学とその周辺
形式: Zoomを用いる
概要: ワークショップのホームページ
12月14日(月)--12月18日(金) 談話会および集中講義
講演者: 松下 尚弘 氏(琉球大学理学部数理科学科)
形式: Zoomを用いる 参加方法等の詳細情報PDF
集中講義のURLは 理学部・理学研究科オンライン授業ポータル
日程: 12月14日(月) 16:00--17:00 談話会
12月15日(火)--12月18日(金) 15:00--18:00 集中講義
談話会のタイトル: 相対的幽霊写像
談話会の概要: 本研究は京都大学の岸本大祐氏と大阪府立大学の入江幸右衛門氏との共同研究である。 CW複体Xから空間Yへの連続写像fが幽霊写像であるとは、 fをXの任意の有限次元部分複体に制限したときヌルホモトピックになるものをいう。 ヌルホモトピックな写像は幽霊写像であるが、一般にはそれ以外にもたくさんの幽霊写像が存在しており、 幽霊写像はホモトピー論において重要な研究対象の一つである。 相対的幽霊写像は我々が導入した幽霊写像の自然な一般化である。XをCW複体、pを空間Bから空間Yへの連続写像とする。 XからYへの連続写像fが相対的幽霊写像であるとは、 fをXの任意の有限次元部分複体に制限したとき、Bを経由する写像とホモトピックになることをいう。 Bが一点の場合が通常の幽霊写像であり、この意味で相対的幽霊写像は通常の幽霊写像の一般化になっている。 元々f自身が Bを経由する写像である場合、fは相対的幽霊写像であるが、このような相対的幽霊写像を自明であるという。 本講演では、非自明な相対的幽霊写像が存在するか否かという問題が空間の有理ホモトピー論的性質から導かれることについて述べる。
集中講義のタイトル: グラフの彩色問題への位相幾何学的手法
集中講義の概要: グラフGのn-彩色とは、Gの頂点集合V(G)からn点集合{1, …, n}への写像cであって、 Gの頂点vとwがGにおいて隣接しているとき、c(v)とc(w)が異なるようなもののことをいう。 n-彩色が存在するような最小のnをGの彩色数という。 彩色数を決定する問題はグラフ理論において古典的に研究されている重要な問題の一つである。 グラフの彩色問題への位相幾何学の応用は、LovaszによるKneser予想の解決に端を発する。 Lovaszはグラフに対し近傍複体という単体複体N(G)を対応させ、N(G)の連結度というホモトピー不変量が、 Gの彩色数の下界を与えることを示した。 その後、彩色問題と関連する様々な複体が考案されてきた。 本講義では近傍複体と、近傍複体の使いやすい別の定式化である箱複体、 およびそれらの一般化であるHom複体について説明する。 本講義の前半では単体複体についての説明から始めて、LovaszによるKneser予想の解決や、 Babson-KozlovによるHom(C_{2r+1},G)とGの彩色数との関係式についての解説を行い、 後半では近年の箱複体のトポロジーとその応用として、クロネッカー二重被覆と近傍複体との関係や、 Wrochnaによる乗法的グラフへの応用について述べる。
12月22日(火) 修士論文中間発表
形式: Zoomを用いる.参加方法は,東北大幾何MLを参照ください.
もしくは,私(野村亮介,nomu @ tohoku.ac.jp)にお問い合わせください.
概要: 発表時間は20分.時間割は以下の通りです.
15:00--15:20 石亀 人士 氏 (塩谷研)
サブリーマン多様体上のカルタン接続
15:25--15:45 Serban Matei Mihalache 氏 (寺嶋研)
ホップ代数と分岐スパインを用いた 3 次元多様体の量子不変量
15:50--16:10 遠藤 正達 氏 (板東研)
調和写像の分解定理について
16:15--16:35 青木 駿平 氏 (本多研)
測度距離空間上のディリクレ問題
16:40--17:00 小田部 真之 氏 (本多研)
測度距離空間上のポアンカレ不等式
17:05--17:25 岩渕 晴 氏 (横田研)
Stratifold を用いたホモロジー理論について
17:30--17:50 白岩 雅博 氏 (横田研)
トレミー空間,ブーゼマン凸空間と CAT(0) 空間に関する定理の拡張
17:55--18:15 星野 翔 氏 (横田研)
ハイゼンベルグ群におけるトレミー不等式の等号成立の場合
1月18日(月)--1月22日(金) 談話会および集中講義
講演者: 勝田 篤 氏(九州大学数理学研究院)
形式: Zoomを用いる 参加方法等の詳細情報PDF
集中講義のURLは 理学部・理学研究科オンライン授業ポータル
日程: 1月18日(月) 16:00--17:00 談話会
1月19日(火) 9:30--12:00 集中講義 (時間が通常と異なることに注意)
1月20日(水)--1月22日(金) 16:00--18:30 集中講義 (時間が通常と異なることに注意)
談話会のタイトル: A geometric version of the Chebotarev density theorem and long time asymptotics of heat kernels for the Heisenberg extension.
談話会の概要: 素数定理の幾何学版である素測地線定理についてはSelberg, Margulis, Parry-Pollicottらによるものが知られている. ここでは,Dirichletの算術級数定理およびその一般化であるChebotarevの密度定理の幾何学版, 特にHeisenberg群のよる拡大の場合に得られた結果について紹介する. さらにある程度共通した議論によって得られる, Heisenberg群に関する対称性を持つRiemann多様体上の熱核の長時間漸近挙動に関しても言及したい. これらの証明でおける主な手法は,周期的微分作用素の解析によく用いられるBloch-Floquet理論の非可換化であり, これは,他の問題への応用の可能性もあり得るのではないかと期待している.
集中講義のタイトル: 閉測地線の密度定理と熱核の漸近挙動
集中講義の概要: 素数定理や算術級数定理の幾何学版である 負曲率リーマン多様体の閉測地線の長さの分布に関する密度定理および 無限離散群の対称性を持つ多様体上の熱核の長時間漸近挙動に関する解析はある程度共通に扱える部分がある. この講義ではBloch-Floquet理論を用いてまずAbel群による拡大の場合を説明した後, その非可換化としてHeisenberg群の場合への拡張について議論する.
1月26日(火) 修論発表予行演習
形式: Zoomを用いる.参加方法は,東北大幾何MLに流す予定です.
概要: 発表時間は20分.時間割は以下の通りです.
15:00--15:20 石亀 人士 氏 (塩谷研)
サブリーマン多様体上のカルタン接続
15:25--15:45 Serban Matei Mihalache 氏 (寺嶋研)
ホップ代数と分岐スパインを用いた 3 次元多様体の量子不変量
15:50--16:10 遠藤 正達 氏 (板東研)
調和写像の分解定理について
16:15--16:35 青木 駿平 氏 (本多研)
測度距離空間上のディリクレ問題
16:40--17:00 小田部 真之 氏 (本多研)
測度距離空間上のポアンカレ不等式
17:05--17:25 岩渕 晴 氏 (横田研)
Stratifold を用いたホモロジー理論について
17:30--17:50 白岩 雅博 氏 (横田研)
トレミー空間,ブーゼマン凸空間と CAT(0) 空間に関する定理の拡張
17:55--18:15 星野 翔 氏 (横田研)
ハイゼンベルグ群におけるトレミー不等式の等号成立の場合
2月頃??(火) 学位審査会