ムトン語はVSO NG NAの語順で前置詞(む語では格詞という)使用の言語です。
VSOとは動詞―主語―目的語の順番ということです。
hamos ago na wak
食べる 犬 対格格詞 肉
犬が肉を食べる
naは格詞(前置詞)で、後ろにある名詞wakが目的語であることを表しています。
主語は格詞不要なのでagoの前はそのまま動詞につながっています。
NGは名詞―属格句という意味です。
doi ta le
本 所有格格詞 私
私の本
NAは名詞―形容詞という意味です。
ago abo
犬 黒い
黒い犬
以上のようにムトン語は全体的に被修飾語―修飾語という順番になっています。
つまり副詞も動詞の後に置きます。
しかしVSOということに関しては守られないことの方が多いです。
ムトン語には主題を文頭に置くというルールがあるからです。
そして主題には主語がなることがほとんどなので実質SVO語順ということになります。
ago hamos na wak
犬 食べる 対格格詞 肉
犬は肉を食べる
VSOの文と比較すると「犬が」が「犬は」になっています。
主題についての詳細は後々説明します。とりあえず「~は」で表されるものが主題だと考えてください。
主題のある文を主題文といい、主題の後に続く文を述語といいます。
主題の無い文を無主題文といいます。
副格詞句(副格詞と名詞のセット)は自由に入れ替えたり、文頭に持ってきて強調したりできます。
ak ago nehamo na wak
その犬は肉を食べた
na wak, ago hemamo
肉をその犬は食べた
nehamo na wak pa ak ago
肉をその犬が食べた
動詞部の後の語順
主格句、否定の副詞、述語の形容詞は動詞部の直後に置きますが、
これらが同時に存在する場合は
述語の形容詞
否定の副詞
主格句
の順番になります。