UGUISの使い方

ビームライン制御ソフトウェア(UGUIS)の使い方

UGUIS (Unified Graphical User Interface for Screening) は複数の実験装置のコントロールを統合したユーザーインターフェースです。 ユーザーは装置の違いを意識することなく、また複数の装置を干渉させることなく、安全に実験を行うことができます。

起動方法

測定用コンピュータ(UGUI PC)の Beamline Applications アイコンをダブルクリックし、UGUIS ボタンをクリックをしてください。

2.ソフトウェアが立ち上がり初期化が行われ、メイン画面上のステータス表示が全て青色に切り替わります。

メイン画面

実験装置の現状値 (青色:停止、赤色:動作中)、および現在のWorking Directoryの表示します。

    >UGUI Status<: ビームライン全体の状態

        青色:待機(ユーザーによる操作が可能)

        赤色:動作中

    >Working Directory<: 実験データを保存するディレクトリ

    >Shutter<: サンプル直前にあるシャッターの開閉状態

    >Omega<: 回折計のω軸(サンプル回転軸)の角度

    >Wavelength<: 入射X線の波長

    >Distance, Height<: サンプル - 検出器間の距離、および検出器の高さのオフセット値

    >Resolution<: 測定可能分解能(Energy, Distance, Height から計算)

    >H.Beam, V.Beam<: サンプル直前にあるスリットのサイズ(ほぼこのサイズのX線ビームがサンプルに照射される)

    >Transmit.<: 入射X線の透過率

    波長から最適なアテネータ(Al)の厚みを計算し、設定しています。しかしながらアテネータの厚みの組み合わせは有限で連続的ではないので、Transmittanceは指定された値どおりではなく、近似値となります。

    >Gas Temp.<:クライオの気流の温度

    >Mode<: 実験モード

        Manual Exchange : 手動でのサンプル交換が可能

        Crystal Centering : 結晶のセンタリングが可能

        Exafs Measurement : MCA、XAFS測定時

        Data Collection : 回折データ測定時

        Robotic Exchange : ロボットによるサンプル交換が可能

   >UGUI Mode<:クライオの気流の温度によりクライオノズルの位置が切り替わる

       Low Temp. 低温モード、クライオノズルは試料位置から近い

       Room Temp. : 室温モード、クライオノズルは試料位置から遠い

       Variable Temp. : クライオ気流をある温度以上にしてもクライオノズルは試料位置から近いままになる

    >Stars Master<: 実験装置を動かす権限(Master権限)を持つプログラム名

    通常、青色を背景にuguiと表示されており、本プログラムがMaster権限を持っていることを示している。 なんらかの原因で背景が黄緑色でnoneと表示されていた場合、[Configure]-[STARS]-[Get Master]によりMaster権限を取得する

サブ画面

タブをマウスでクリックすることでサブ画面を切り替え、以下の操作・測定を行う。

    [SCREEN]結晶交換用ロボットを用いた実験を行う。

    PAMを用いた実験の手順をご覧ください。

    [CENTER]:手動での結晶のマウントやセンタリング、スナップショット測定を行う。

    サンプルのセンタリング、スナップショット測定をご覧ください。

    [XAFS]: MCA、XAFS測定を行う。

    MCA/XAFS測定をご覧ください。

    [COLLECT]:回折データの連続測定を行う。

    連続データセット測定をご覧ください。

    [CONTROL]:UGUISにトラブルが発生した時に制御プログラムの再起動を行う。    

メニューバー

    [File]

    =>[Exit]:UGUISの終了

    [Configure]

    =>[stars]:UGUISの使用権限を変更(通常は使いません)

        =>[Get Master]:使用権限の取得 (Stars Masterがnoneの場合に使用)

        =>[Give Up Master]:使用権限の破棄

    [Viewer]

    =>[refresh viewer]:最新の回折画像を表示させる

    =>[stand alone viewer]:回折画像をファイル名を指定して(別窓で)表示させる

    [Special]

    =>[Gap]:アンジュレーターのセット(入射後にBL-1A、BL-17Aにて使用)

    =>[Files/Directories name]:WorkingDirectory下に作成されるうサブディレクトリ名やファイルprefixの既定値の設定

    =>[CD/CN/Initial Positions]:Manual Exchangeモードにおけるクライオノズルと検出器の距離を設定

    各ビームラインで下限値が決まっており、それ未満の値を設定した場合モード切替時にエラーで停止します。

    また、Initial Position の [Here] を押すことで、CenterタブのInitial Positionの位置が変更する

    =>[Robot Exchange Parameters]:結晶交換用ロボットでマウント毎にバーコードを読む、Pre-Wash機能についての設定

    =>[Gonio speed]:ゴニオの回転速度の設定

    =>[UGUI Mode]:クライオの気流の温度を低温、室温、クライオノズルを近づけたまま任意の値に変更可能なモードにする

    =>[Flux]:ビームフラックス情報をイメージヘッダに記入

    [Screening]

    =>[Automated]:全自動スクリーニングのモードの選択

    =>[Manual screening]:マニュアルスクリーニングのモードの選択

    =>[Auto Centering]:結晶交換用ロボットでの自動センタリングのモードの選択

    [Help]

    =>[FAQ]:Webマニュアルの表示   

非常時の強制停止

Statusが赤色(動作中)の状態のまま、青色(待機)に戻らない時は、[EMERGENCY STOP]ボタンを押して強制停止させる。それでも復帰しない場合はサポートスタッフ(PHS 2613)までご連絡ください。

終了方法

メニューバーから[File]-[Exit]を選択する。

Working Directoryの設定

 結晶のキャプチャ画像、XAFS測定結果、回折イメージ等のデータは表示されているWorking Directoryの下に保存されます。 UGUI、UGUISを立ち上げた時のWorking Directoryは/lustre1/mxdata/(ユーザー名)となっています。

Working Directoryの設定方法

>Working Directory<の右にある[select ...]をクリックし、設定画面を開く。

2.ディレクトリの作成 (ディレクトリが存在しない場合)

[OK]ボタンをクリックするとツリーに新しいディレクトリが追加される。

3.ディレクトリを選択 (方法は以下の二通りあります)

4.ディレクトリ名の確認

UGUIメイン画面上の>Working Directory<が正しく変更されたことを確認してください。

Sub Directory、File Prefixの設定

データの種類に応じて、Working Directoryの下にサブディレクトリが自動で作成されます。 画像イメージおよびMCA/XAFSデータは、以下のプレフィクス(接頭辞)を用いて保存されます。 回折データファイル名には以下のプレフィクスが既定値として使われます。 また>Sub directory<の項目を空欄にすると、データ はWorking Directoryの直下に保存されます。

サンプルのセンタリング

サンプルのセンタリング方法

2. 自動でセンタリングする場合、>Auto Loop Centering<の[start]ボタンを押す。

 マニュアルで行うときは、[Crystal Centering]ボタンをクリックし、以下の手順で結晶のセンタリングを行ってください。 

 3. >Zoom<の[Out]側の数字を押し結晶観察カメラの倍率を低倍率にする。

 4. >Brightness<のスライドバーでセンタリング画面の明るさを調整する。

  5. [+90](もしくは[-90])をクリックして+90度(-90度)回転させた後、画面上のセンタリングしたい位置をクリックする。

2、3回繰り返すことでクリックした場所が赤十字を中心に回転するようになります。 結晶の回転は、センタリング画像内でマウスの右クリックをすることで表示されるメニューから+90, -90, +180のどれかをクリックすることでも行えます。 表示されたメニューを消したい場合は、もう一度画結晶の画像内でマウスを右クリックしてください。

 6. >Zoom<の[In]側の数字を押し高倍率で再度センタリングを行う。

サブ画面の説明

    赤十字:横線が回転中心で、十字の位置を入射X線が通るようビーム調整されています。

    青十字:マウスの位置、マウスの動きに追従します。

    Manual Exchange Mode:ユーザー自身によるサンプルの交換が可能なモード

    Crystal Centering Mode:サンプルのセンタリングを行うことが可能なモード

    [Start]を押すとクライオループの中心付近にセンタリングします。

        <ループの違いについて>

        NylonLoop:ナイロンループのみセンタリングが可能です。

        LithoLoop:ナイロンループ、リソループ、マイクロマウントのセンタリングが可能です。 ただしループ径が小さい(100um以下)と失敗しやすくなります。

    中止したいときは[EMERGENCY STOP]ボタンを押してください。

    注意:結晶を判別してセンタリングをしているわけではありません。

    [+][-]: 相対的に指定した角度だけ回転(指定角度はボタンの間にあるテキストボックスに入力)します。

    [+90][-90]:相対的に+90度(または-90度)回転します。

    [+180][-180]:相対的に180度回転(=反転)します。

    [Apply]:左隣のテキストボックスに入力した絶対角度へ移動 (絶対角度は0 - 360度に限らず任意の値を入力可能)します。

    詳細はHelix modeについてをご覧ください。

    [Add positions on the image]:中心位置を登録します。

    [Delete selected]:選択した位置を削除します。

    [Delete all]:登録した全ての位置をを削除します。

    [jump to]:選択した位置が中心位置に移動します。

6. >Center(pixel)<:センタリング位置の微調整

    入力したピクセル分矢印の方向に移動します。

7. >Initial Position<:ゴニオを初期位置に戻す

    センタリング中結晶を見失ってしまった時に[Initial Position]ボタンを押してください。

8. >Brightness<:結晶照射用ライトの光量の調整

    スライドバーを左右に移動させることで光量が変化します。

9. >Contrast<:センタリング画面のコントラストの変更(BL-1A変更不可)

    値を変更することで結晶照射ライトの位置が変わります。 最大値10でライトの位置が最も高くなり、値を小さくすることでライトの位置が下がります。

10. >Zoom<:結晶観察カメラの倍率を切り替え

    数が大きくなるにつれて高倍率となります。

11. >Crystal Image<:センタリング画面の保存

    [Capture]ボタンを押すと、Working Directory以下の Crystal ディレクトリにセンタリング画面をBMP形式で保存します。 保存ディレクトリ名およびファイル名はメニューバーの[Special]-[Files/Directories name]で変更できます。

12. >Annealing<:秒数を指定してのアニーリング

    リモート測定でアニーリングを行いたい時にお使いください。 リストから秒数を選択するか、最長30秒までの時間を入力してください。

スナップショット(評価用回折像)測定

スナップショットの撮り方1:Snapshot

スナップショットの撮り方2:Diffraction scan

4. ヒートマップが表示される。Diffraction scan後、結晶画像の上に回折点の数に応じたヒートマップが表示されます。

5. 選択した位置の画像を表示させる。センタリング画面のポジション番号を右クリックすると、[Viewer]→[ポジション番号]が表示されます。 この番号をクリックすることで、画像ビューワの表示画像が更新されます。

測定位置の登録方法

Diffraction scanでは3通りの測定位置の登録方法があります。
Viewセクション内のチェックを外すことで非表示にすることも可能です。

Freeにチェックを入れ、センタリング画面上を右クリックし、Addをクリックします。 

画面上を右クリック

測定位置が登録される

2. 測定位置を直線状に登録する

Lineにチェックを入れ、センタリング画面上を右ドラッグし(緑色の線が表示される)、はなした時に表示されるAddをクリックします。 直線に沿って測定位置が登録されます。 

画面上を右ドラッグし、はなす

長さに応じた測定位置が登録される

3. 測定位置を格子状に登録する

Gridにチェックを入れ、センタリング画面上を右ドラッグし(緑色の枠が表示される)、はなした時に表示されるAddをクリックします。 格子状に測定位置が登録されます。縦長の格子とすると、測定番号は縦に割り振られます。

画面上を右ドラッグし、はなす


枠の大きさに応じた測定位置が登録される

測定位置を消去する

次のサンプルの測定前や、格子状に位置登録後、特定の位置にビームを当てずに測定する場合、以下の手順で測定位置の消去を行ってください。

ひとつだけ消去する:Position Editorセクション内のプルダウンメニューから消去したい測定位置を選び、[Delete selected]ボタンをクリックする。

全て消去する:[Delete all]ボタンをクリックしてください。

Diffraction scanにおけるステップをビームサイズ以外にする

Diffraction scanのステップの倍率を変更することで、重なりながら、またはある間隔を空けてビームを当てることができるようになりました。 ビームサイズは変わりませんのでご注意ください。 

デフォルトでは×1.00(等倍)となっております。任意の数を入力することも可能です。  

Scan Step:×2

Scan Step:×3

各パラメータについて

>Osc. width (deg.)<:振動角 (0°は指定不可)

>Exposure Time (sec.)<:露光時間

>Max. resolution(Å)<:測定可能な最大分解能

現在の入射X線エネルギーとカメラのHeight(オフセット)からカメラ距離が調整されます。

> Wavelength<:入射X線の波長

>Beam Size<:サンプル直前のスリットの幅(BL-1A変更不可)

スクロールバーを動かす、プルダウンメニューから選択する、テキスト欄へ直接入力するなど、いずれかの動作で変更できます。

ビームサイズはほぼスリットのサイズに等しいので、センタリング画面上の紫色の四角形がビームサイズとなります。

>Transmittance<:入射X線の透過率

波長から最適なアテネータ(Al)の厚みを計算し、入力された透過率に最も近くなるアテネータがセットされます。 また、使用されるアテネータの厚みが表示されます。

※[Default]ボタンを押すことで、Osc. widthExposure TimeBeam Sizeの値をデフォルト値に戻します。 それぞれのデフォルト値はビームラインによって異なりますのでご注意ください。 

Snapshot

Diffraction scan

>Flie Name<

Prefix、Run番号、ファイル番号で構成されていて、Prefixには半角70字までの文字が入力可能です。 Diffraction scanの場合、Prefix、Run番号、ファイル(ポジション)番号で構成されます。 Prefixにアンダースコア(_)を用いることは、一部データ処理ソフトではRun番号を正しく認識できない場合がありますので推奨いたしません。 [Reset]ボタンを押すことでRun番号を1に、ファイル番号を00001に戻します。 ファイルは Working Directory 下の Snap または Scan ディレクトリ内に保存されます。 保存ディレクトリ名および Prefixの既定値は、メニューバーの [Special]-[Files/Directories name] で変更可能です。 

>Omega<  (Snapshotのみ)

複数の角度をコンマで区切った指定(0, 90など)や、0 - 360°に限らない任意の絶対角度の指定が可能です。 代表的な測定パターンはプルダウンメニューから選択できます。 また、"Current" というキーワードは"現在の角度"を表しており、"Current+90"なら現在の角度+90°を意味します。

参考:Snapshot And Collect Advanceについて

CENTERタブやCOLLECTタブ内にある[Advanced ...]ボタンを押すと、さらに詳細な設定が可能となります。

>Detector position<

    a.Distance  サンプル - 検出器間の距離

    b.Height  検出器の高さのオフセット値

MCA / XAFS測定

原子種の選択





>Atom<セクションのプルダウンメニューから目的の原子を選択する。

[Periodic Table...]ボタンから選択すること可能です。 

MCA

原子を選択するとWavelength、Lower、Upperにデフォルト値が入力されますので、MCAを行い、その条件を最適化します。

    結晶中に目的の原子が存在しているときは、下のような2つのピークが得られます。 (左が蛍光X線、右が散乱した入射X線)

    解析を開始すると[Start]ボタンが[Stop]ボタンに変わります。また、ある時間経過すると自動的に止まります。

SCAN

入射X線の波長による蛍光X線の変化をスキャンします。

結晶中に目的の原子が存在しているときは、下のような2つのピークが得られます。

2. 吸収端近傍の強度変化が水色の範囲内にあることを確認する。 プロット左下にある[Zoom In]ボタンを押すと、囲まれた部分が拡大されます。

3. 強度変化を範囲に捕らえられていないときは、[Advanced ...] ボタンをクリックしRangeの中央2つの値を変更する。

CHOOCH

    グラフ下にあるPeak、Edgeチェックボックスをクリックし、プロット上でドラッグをすることで、 それぞれの値を変更することが出来ます。

    RemoteHはPeakからエネルギー換算で+200eVの位置、RemoteLはPeakからエネルギー換算で-50eVの位置としています。

データの保存

MCA、SCAN測定およびCHOOCHの結果は、メニューバーの[Special]-[Files/Directories name]で指定した場所に自動的に保存されます(デフォルトはxafsdata)。 保存されるファイルすべてテキスト形式で、MCAの結果は.mca, Scanの結果は.raw, CHOOCHの結果は.efsという拡張子になります。 

連続データセット測定

連続データセット測定の方法


2. 各パラメータを設定し、[Submit]ボタンを押してRuns表を作成する。→詳細

MAD測定での多波長回折データ測定では、1つずつ波長を選択し[Submit]ボタンを押してください。 CHOOCH サブ画面で[Confirm]ボタンを押すと、自動的に波長が入力されます。 波長をユーザー自身で入力することも可能です。


3. Runs表を見て測定条件のリストを確認する。

    PAMを利用した実験では用意したcsvファイルがそのままRuns表に反映されますが、UGUISからでも編集可能です。

4. [Start]ボタンを押すと連続データセット測定が始まる。

    測定中は露光中のファイル名や現在のデータセットの予想残り時間が表示されます。

各パラメータについて

連続データセット測定を始める前に、どういった条件で測定するのかあらかじめ決める必要があります。 それぞれの値をプルダウンメニューから選択するか、直接入力してください。 より詳細な設定を行いたいときは[Advanced ...]ボタンをクリックしてください。

    >File prefix<:ファイル名のPrefix(接頭辞)

    変更したい場合は直接書き換えてください。

    >Osc. width(deg.)<:振動角 (0°は指定不可)

    >Exposure Time (sec.)<:露光時間

    >Max. resolution(Å)<:測定可能な最大分解能

    現在の入射X線エネルギーとカメラのHeight(オフセット)からカメラ距離が調整されます。

    >Start (deg.)<:開始角度

    > Data range (deg.)<:角度範囲

    >From position<:開始位置

    現在の位置だけでなくCenterタブの[Position Registration]フレームで登録した位置を選ぶことができます。

    >Helix mode<:Helix modeでの連続データセット測定

    詳細はHelix modeについてをご覧ください。

    >Transmittance<:入射X線の透過率

    波長から最適なアテネータ(Al)の厚みを計算し、入力された透過率に最も近くなるアテネータがセットされます。 また、使用されるアテネータの厚みが表示されます。

    >Beam Size<:サンプル直前のスリットの幅(BL-1A変更不可)

    スクロールバーを動かす、プルダウンメニューから選択する、テキスト欄へ直接入力するなど、いずれかの動作で変更できます。 ビームサイズはほぼスリットのサイズに等しいので、センタリング画面上の紫色の四角形がビームサイズとなります。

Runs表について

COLLECTタブ内の[Submit]ボタンを押すことで自動的にRuns表が作成されます。 Screenタブ、Centerタブ、XAFSタブなどで設定した値もRuns表に反映されますが、測定前に編集することが可能です。 表の左端(第一列)の行番号をクリックすると行を選択することができ、選択行は緑色にハイライトされます。 PrefixはCOLLECTタブ内でも変更可能ですが、保存ディレクトリ名やWorking Directoryの変更は、メニュバーの[Special]-[Files/Directories name]より行ってください。 Working Directoryを変更しますと表の全内容がクリアされますのでご注意ください。

 [Copy selected] 選択したRunの条件を下の行へ追加します。 Run番号は自動的にカウントアップされます。

 [Delete selected] 選択したRunを削除します。

 [Delete All] 表にあるすべての条件を削除します。

 [Start] 連続データセット測定を開始します。測定は1行目の条件から順に実行されます。

 [Stop] 連続データセット測定を強制停止します。 露光中に押した場合、露光終了後に連続測定が停止します。 PAMを用いた実験でこのボタンを押すと、露光終了後ロボットは自動的に現在のサンプルを回収し、次のサンプルをマウントします。

参考:Snapshot And Collect Advanceについて

CENTERタブやCOLLECTタブ内にある[Advanced ...]ボタンを押すと、さらに詳細な設定が可能となります。

>Detector position<

        a.Distance サンプル - 検出器間の距離

        b.Height 検出器の高さのオフセット値

Helix modeについて

BL-1AやBL-17Aのようなビームサイズが小さく、ビーム強度の強いビームラインで連続データセット測定を行うと、結晶の損傷により回折画像がだんだん悪くなる場合があります。 ビーム照射位置を少しずつずらしながら測定するHelix modeを使うことで、結晶の損傷を最小限に抑えながらデータを撮ることが可能です。 

連続データセット開始位置と終了位置の登録

開始位置と終了位置の登録はCenterタブで行います。 結晶の形状、大きさにより自由に測定位置を決めてください。 ここでは下図の矢印の向きにHelix modeで連続データ測定を行うものとします。

3. [Add positions on the image]ボタンを押し、開始位置を登録する。

中心位置にAの文字が表示されます。

4. センタリング画面で終了位置に結晶を移動させ、センタリング操作を行う。


5. [Add positions on the image]ボタンを押し、終了位置を登録する。

中心位置にBの文字が表示されます。

6. 始点と終点を登録後、結晶を任意の角度に回転させ始点と終点が共に結晶上にあることを確認する。

Helix modeでの連続データセット測定

Helix modeでのパラメータの設定は、通常の連続データセット測定と同様COLLECTタブで行います。

   (Total Frame)÷(Number of points)=割り切れる数となるようにNumber of pointsの値を指定することも可能です。

参考:Number of pointsの違いによる撮像位置と枚数の関係

Total Frameを180、Number of pointsを2と指定すると、1枚目から90枚目をAの位置を回転中心として撮像し、91枚目から180枚目までBの位置を回転中心として撮像します。 Total Frameを180、Number of pointsを6と指定すると、等間隔に区切られた位置を回転中心として30枚ずつ撮像します。

Total Frame:180   Number of steps:2

Total Frame:180   Number of steps:6

Number of pointsをShutterlessとすることで、1枚撮像する毎にゴニオが並進し、連続的な螺旋の動きとなります。

5. [Submit]ボタンを押し、Runs表を作成する。

Runs表から編集することも可能です。 Helix modeに関する項目は、From、To、Stepsの3箇所です。

6. Runs表を確認し問題が無ければ[Start]ボタンを押し、連続データセット測定を開始する。

Helix modeにおける注意点

"Diffraction scan"モードでスナップショット撮影を行ってください。

値を大きくすることで、より連続的な螺旋の動きとなります。

  例:Total Frameを180、Number of pointsを7と指定

  180÷7=25.714…≒26

  26×7=182

  したがって182枚撮像することになります。