2020年6月株主総会 株主提案

2020.年4月24日

武田薬品工業株式会社

代表取締役社長・CEO

クリストフ・ウェバー殿 

陽春の候、貴社におかれましては、益々ご隆昌のことと拝察致しております。

さて、私ども「武田薬品の将来を考える会」は、武田薬品の株式を長期保有することを前提とし、会社の永続的繁栄を願う株主及びOB有志の集まりであることは既にご高承のことと思います。

「武田薬品の将来を考える会」の会員は、会員全員の総株式によって、株主提案権を行使する要件として会社法第303条第2項に規定されている300個以上の議決権を6か月前から引き続き有する貴社の株主です。

この度、私ども会員の有志は、貴社株主として、会社法第303条第2項の規定に基づく株主提案権を行使し、下記1に記載する議題(以下、本件議題と申します)を、第144回定時株主総会の目的とすることを本書にて請求するとともに、本件議題について、下記2に記載する議案を提出致しますので、会社法第305条第1項及び会社法施行規則第93条の規定に基づいて、当該議案の要領及び提案の理由等を、当該株主総会招集通知(株主総会参考書類を含む)に記載することを請求します。

今回の株主提案の内容に賛同し、同じ趣旨にて「株主提案権」を行使する株主のリストも添付致しますので、本件を、会社法第303条第2項の法的要件を充たす複数の株主からの正式な提案としてお取り扱いをお願い致します。

更に、議案の要領及び提案の理由は、貴社の事務負担を考慮し、その分量は既に最小限にしておりますので、省略又は内容を改変することなく、下記の記載通りに招集通知及び株主参考書類に記載して頂きますことも重ねてお願い致します。

1 株主総会の目的事項

(1)   監査等委員である取締役1名選任の件

2 議案の要領及び提案の理由

第1号議案 取締役選任の件

(1)   議案の要領

伊藤武氏を監査等委員である取締役として選任する。

(2)   提案の理由

公表済の2018年度実績値では、貴社のROEは3%と 日系大手医薬品企業の同指標(第一三共約 8%、アステラス約17 %、エーザイ約10%)に比べて著しく低く、またウエバー社長在任5年間の株価推移と配当額を合算した株主総利回りもマイナス-27%(一年平均△5%)と日系同業(第一三共 318 %、アステラス  △2%、エーザイ2%)に比べて著しく低い。また、シャイアー買収に伴い約5兆円まで増加した金融負債の返済も焦眉の経営課題である。

貴社には、コーポレートガバナンス・コード(原則4-7)に沿って、会社の持続的な成長を促し中長期的な企業価値の向上を図るとの観点からの助言を行うことができる社外取締役を選任することが不可欠である。

以上の観点から、豊富な国際経験の持ち主であることに加えて、投資家の視点から企業業績を評価する証券業界に長年勤務された伊藤武氏を貴社の社外取締役役員として選任することは、前述課題の解決に多大な貢献が期待できると考える。

以 上

伊藤武氏プロフィール.pdf

資料(背景データ)

タケダ薬品の株主総利回り 2020年5月18日.pdf