2021年株主総会における事前質問

「株主総会の目的事項にかかわる」質問に限って一人一問のみ受け付けるとのことです。「考える会」のメンバーが提出した事前質問は下記のとおりです。いずれも株主総会の目的事項に関わる重大な問題と考えます。総会では真摯な回答が得られることを願います。

CEO報酬の妥当性について

ウェバー氏の報酬(未公表のため前年度比較)約20億円はファイザー社CEOとほぼ同額であり、グローバルでも最高水準です。一方、TSR指標(株主総利回り)はウエバー氏在任の6年間で年率マイナス%であり、グローバル企業の平均値であるプラス%とは比べようもない数字です。昨年の総会では「ペイフォーパフォーマンスの方針」を掲げる一方で、TSR実績に反するCEO報酬について坂根議長は「長い目で見て欲しい」と回答されました。社長メッセージでは今後のTSR改善の可能性を述べていますが、①現在の報酬を妥当だと思う理由、②TSRがグローバル水準に達するのはいつ頃と考えているか、についてご説明ください。 

金融負債の減額見通しについて

第一号議案の説明文で、純有利子負債/調整後EBITDA倍率を2023年度までに2倍にすると従来は公約されていましたが、今年度の招集通知から2倍の後に(2倍前半)を追記されている。これは、今後のフリーキャッシュフロー(21年度公表予想6〜7千億円)の悪化を踏まえると、財務収支として毎年4千億円以上(配当+金利支払い)を使うので、今3月末3.4兆円(EBITDA倍率3.2)の純金融負債は毎年1〜2千億円程度しか減らせず、2023年度での2倍達成は難しいと判断し公表目標を引き下げたのですか? ご説明下さい。

パイプラインについて

「主力品エンティビオは25年から順次に、バイバンスは23年度初頭から特許切れを控え、またニンラーロの一次治療薬としてのグローバル導入の失敗、エンティビオの剤型追加の承認未了、加えてアドベイトとアディノベイトの競合品ロシュのヘムライブラの攻勢・伸張など、既存パイプラインの先行きに悲観的見方が強い。これらに代わる競争力のある製品の創出が喫緊の課題と考えます。会社は、臨床第2相試験中の睡眠障害向けナルコレプシー治療薬がピーク時売上高60億ドルを見込むと公表していますが、その成功確率をどう考え、プロダクト上市のスケジュールと達成根拠を簡潔・平易にご説明ください。

リュープリン問題に関するクローバック条項の発動可能性について

武田薬品は、昨年の4月1日付の公表資料でクローバック条項の導入を公表されこの旨を招集通知の54ページに記載されていますが、この中で過年度の損益修正と不正行為に伴う損害に対しては、社外役員は該当役員等に対して報酬の返還を請求する旨を表明しています。そこで質問ですが、2020年度に生じたリュープリンの出荷停止に伴う損失は、FDAの基準違反であり、株主としては不正行為として当然報酬返還の対象事由と考えていますので、これまでの検討状況と結論につき、ご説明ください。