本校は、吉野川(四国三郎)の源流の高知県と愛媛県の県境の山間、いの町長沢にある。校区には、本川へき地保育園、長沢小学校があり、寺川、越裏門、大森、長沢、戸中、中野川、脇ノ山、高薮、桑瀬と校区は高知市より広いが、過疎化が進み、児童生徒数も減少している地域である。その本川の地域性を生かした小規模校ならではの特色ある保小中連携教育を重点的に進めている。
また、「広範にわたる通学地域のどこに住む生徒にも平等な学習環境を」の方針のもと、昭和51年1月より全国初の「全寮制の公立中学校」としてスタートした。その後時代は急激に変化し、本川も児童生徒数が激減し、本川の豊かな自然と、学校のすぐそばに寄宿舎を持つ小さな中学校として、平成14年度から山村留学制度を開始し、これまでに全国からのべ50名以上の山村留学生が本川の生徒と共に生活してきた。
平成25年度より、教育熱心な地域の方々の協力と支援を受けながら、子どもたちの自尊感情を育て、学習への関心・意欲、ならびに学力の定着と向上を目指して教育活動に取り組んでいる。
この取組は着実に成果をあげてきているが、子どもたちの間にある固定された人間関係によるひずみや自尊感情の低さから、よりよい学習集団、社会集団をつくりにくい状況がある。お互いの良さを認めつつ、一人一人が自ら伸びていこうとする生徒を育てることが次代の人材づくりにつながると考え、学び合い、支え合いを大切にした日々の授業、行事等における体験活動や、生徒同士のみならず保護者や地域の方々とのかかわり合い等を通して、他者から認められる、他者を認める、温かい人間関係を築くとともに、自分の良さに気づかせ、自信をもって努力できる力を育てていくことを重要な取組として位置付けている。
子どもたちの夢ある将来への確かな進路を保障するためにも、全教職員の共通理解のもと、確かな実践を積み重ねていく。
いじめは、いじめを受けた生徒の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長および人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命または心身に重大な危険を生じさせるおそれがあるものである。いじめによる重大な事案が発生し、大きな社会問題となっている現在社会において、いじめがきっかけで心を痛めている生徒も少なくない。
このようないじめは、大人社会の暴力、体罰、児童虐待、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどといったものと同様の社会問題であり、他人の弱みを笑いものにしたり、暴力を肯定していると受け取られるような行為を許容したり、異質な他者を差別したりといった大人の振る舞いが、子どもに影響を与えるという指摘もある。
一人でも多くの子どもをいじめから救うためには、子どものモデルとなるべき大人一人一人が、互いの違いを認め合い、自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることができるような人権感覚を育むと同時に、子どもの心に寄り添いつつも、「いじめは絶対に許されない」、「いじめは卑怯な行為である」という認識と「いじめはどの子どもにも、どの学校でも、起こりうる」という意識をもち、それぞれの役割と責任を自覚しなければならない。
また、いじめの問題の解決を通して、子どもたち一人一人が「夢」や「志」をもち、その実現に向けて自分の力を思う存分発揮できる学校づくりや、さらには心豊かで安全・安心な社会づくりを、町民一人一人が自ら、主体的に進めなければならない。
いじめは、からかいや集団での無視、嫌がらせなどのほか、暴力行為やインターネットを通じて行われるいじめなど、学校だけでは対応が困難な事案も増加している。また、いじめをきっかけにして不登校になってしまう生徒や、自らの命を絶とうとするなど深く傷つき悩み深刻な状況の生徒もいる。いじめの問題への対応は、学校として非常に大きな課題である。
いじめに対しては、どの生徒にも起こり得ると考え、いじめという卑劣な行為は絶対に許されないという共通認識のもと、いじめという行為について教職員全員が正しく理解し、生徒と共にいじめや差別・暴力を「しない・させない・ゆるさない」学校づくりを推進する。また、いじめ防止に向け日常の指導体制を定め、いじめの未然防止を図りながら、いじめの早期発見に取り組むとともに、いじめを認知した場合は適切に且つ速やかに解決するため「学校いじめ防止基本 方針」を定める。そして、生徒、保護者、教職員、地域住民総ぐるみで、いじめのない学校をめざす取組を総合的かつ効果的に進める。
第3条 いじめの防止等のための対策は、いじめが全ての児童等に関係する問題であることに鑑み、児童等が安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。
2 いじめの防止等のための対策は、全ての児童等がいじめを行わず、及び他の児童等に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため、いじめが児童等の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する児童等の理解を深めることを旨として行われなければならない。
3 いじめの防止等のための対策は、いじめを受けた児童等の生命及び心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、国、地方公共団体、学校、地域住民、家庭その他の関係者の連携の下、いじめの問題を克服することを目指して行 われなければならない。
第2条 この法律において「いじめ」とは、児童等に対して、当該児童等が在籍する学校 に在籍している等当該児童等と一定の人間関係にある他の児童等が行う心 理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。
2 この法律において「学校」とは、学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。
3 この法律において「児童等」とは、学校に在籍する児童又は生徒をいう。
4 この法律において「保護者」とは、親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。
個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的にすることなく、いじめられた児童の立場に立つことが必要である。
いじめには、多様な態様があることに鑑み、法の対象となるいじめに該当するか否かを判断するに当たり、「心身の苦痛を感じているもの」との要件が限定して解釈されることがないよう努めることが必要である。
いじめられていても、本人がそれを否定する場合が多々あることを踏まえ、当該児童の表情や様子をきめ細かく観察するなどして確認する必要がある。ただし、このことは、いじめられた児童の主観を確認する際に、行為の起こったときのいじめられた生徒本人や周辺の状況等を客観的に確認することを排除するものではない。
(本人が否定していても、関係生徒や周辺の状況等によって、「いじめ」に当たると判断する場合も考えられる。)
いじめの認知については、当該生徒より「いじめ」あるいは「いじめられた」との主訴があれば、基本的に「いじめ」に当たると認知することが必要である。
いじめの認知は、特定の教職員のみによることなく、第22条の「学校におけるいじめの防止等の対策のための組織」を活用して行う。
「一定の人間関係」とは、学校の内外を問わず、同じ学校・学級や部活動の生徒や、塾やスポーツクラブ等当該生徒が関わっている仲間や集団(グループ)など、 当該生徒と何らかの人的関係を指す。
「物理的な影響」とは、身体的影響のほか、金品をたかられたり、隠されたり、嫌なことを無理矢理させられたりすることなどを意味する。けんかは除くが、外見的にはけんかのように見えることでも、いじめられた生徒の感じる被害性に着目した見極めが必要である。
例えばインターネット上で悪口を書かれた生徒がいたが、当該生徒がそのことを知らずにいるような場合など、行為の対象となる生徒本人が苦痛を感じるに至っていないケースについても、加害行為を行った生徒に対する指導等については法の趣旨を踏まえた適切な対応が必要である。
いじめられた生徒の立場に立って、いじめに当たると判断した場合にも、その全てが厳しい指導を要する場合であるとは限らない。具体的には、好意から行った行為が意図せずに相手側の生徒に心身の苦痛を感じさせてしまったような場合については、学校は、行為を行った生徒に悪意はなかったことを十分加味したうえで対応する必要がある。
具体的ないじめの態様は、以下のようなものがある。
冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる
仲間はずれ、集団による無視をされる
軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする
ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする
金品をたかられる
金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする
嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする
パソコンや携帯電話等で、誹謗中傷や嫌なことをされる 等
これらの「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察に相談することが重要なものや、生徒の生命、心身又は財産に重大な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものが含まれる。これらについては、 教育的な配慮や被害者の意向への配慮のうえで、早期に警察に相談・通報の上、警察と連携した対応を取ることが必要である。
ただ、こうした行為を行う生徒も、また未来ある存在であるということは認識しておかなければならない。
いじめは、どの子どもにも、どの学校でも、起こりうるものである。とりわけ、嫌がらせやいじわる等の「暴力を伴わないいじめ」は、多くの生徒が入れ替わりながら被害も加害も経験する。また、「暴力を伴わないいじめ」であっても、何度も繰り返されたり多くの者から集中的に行われたりすることで、「暴力を伴ういじめ」とともに、生命又は心身に重大な危険を生じさせうる。
国立教育政策研究所によるいじめ追跡調査(平成25年7月 国立政策研究所 生徒指導・進路指導研究センター「いじめ追跡調査 2010―2012」)の結果によれば、暴力を伴わないいじめ(仲間はずれ・無視・陰口)について、小学校4年生から中学校3年生までの6年間で、被害経験を全く持たなかった児童生徒は1割程度、加害経験を全く持たなかった児童生徒も1割程度であり、多くの児童生徒が入れ替わり被害や加害を経験している。
加えて、いじめの加害・被害という二者関係だけでなく、学級や部活動等の所属集団の構造上の問題(例えば無秩序や閉塞性)、「観衆」としてはやし立てたり面白がったりする存在や、周辺で暗黙の了解を与えている「傍観者」の存在にも注意を払い、集団全体にいじめを許容しない雰囲気が形成されるようにすることが必要である。
いの町立本川中学校では、いじめ防止対策推進法第22条に則り、学校におけるいじめの防止、いじめの早期発見およびいじめへの対処等に関する措置を実効的に行うため且つ組織的な対応を行うための中核となる常設の組織を設置する。
これは、いじめに対しては、学校が組織的に対応することが必要であること、また、必要に応じて、心理や福祉の専門家、弁護士や警察関係者などの外部専門家等が参加しながら対応することにより、より実効的ないじめの問題の解決に資することが期待されることから、設置するものである。
常設される組織の名称を「いじめ防止等対策委員会」とする。 → 別紙1
第22条 学校は、当該学校におけるいじめの防止等に関する措置を実効的に行うため、当該学校の複数の教職員、心理・福祉等に関する専門的な知識を有する者その他の関係者により構成されるいじめの防止等の対策のための組織を置くものとする。
当該組織は、いじめの防止等の中核となる組織として、的確にいじめに関する情報を共有し、共有された情報を基に、組織的に対応する。いじめに係る疑いがあるときには、当該組織が組織的にいじめであるかどうかの判断を行う。
情報収集と記録、共有を行う役割を担うため、教職員は、ささいな兆候や懸念、生徒からの訴えを、抱え込まずにすべて当該組織に報告・相談する。加えて、当該組織に集められた情報は、個別の生徒ごとなどに記録し、複数の教職員が個別に認知した情報の集約と共有化を図る。
また、当該組織は、本川中学校の学校基本方針の策定や見直し、本川中学校で定めたいじめの取組が計画どおりに進んでいるかどうかのチェックや、いじめの対処がうまくいかなかったケースの検証、必要に応じた計画の見直しなど、本川中学校のいじめの防止等の取組についてPDCAサイクルで検証を担う。
本川中学校に設置する「いじめ防止等対策委員会」は、いじめ未然防止といじめ早期発見およびいじめ解決の役割を担う。
「いじめ防止等対策委員会」内に、いじめ未然防止といじめ早期発見のために「いじめ防止委員会」と、いじめを認知した場合にその解決に向けた「いじめ対策委員会」を設置する。
いじめ未然防止といじめ早期発見のために「いじめ防止委員会」を設置する。
【指導体制】
構成員は、校長、教頭、生徒指導主事、学年代表、養護教諭とし、毎月1回以上「いじめ防止会議」を開催する。個々のいじめの防止・早期発見・対処に当たっては関係の深い教職員を追加する。
【組織的対応】
本川中学校が策定した学校いじめ防止基本方針に基づく取組の実施や具体的な年間計画の作成・実行・検証・修正
いじめ防止等の対策の取組に関するチェックシート(教職員用、生徒用、保護者用等)の作成・実施・検証・修正
いじめに関する校内研修の企画立案・検討
いじめに関するアンケートの実施と結果報告
いじめの未然防止の取組
いじめの早期発見の取組
各学級における生徒の状況把握
いじめの疑いに関する情報や問題行動等に係る情報の収集と記録、共有 等
いじめの疑いに係る情報があったときには、緊急会議を開き、いじめの情報の迅速な共有、関係のある生徒への事実関係の聴取、指導や支援の体制・対応方針の決定と保護者との連携といった対応を組織的に行う。
いじめを認知した場合にその解決に向けた「いじめ対策委員会」を設置する。
【指導体制】
構成員は、校長、教頭、生徒指導主事、学年主任、当該学級担任、PTA 会長とし、校長は速やかに「いじめ対策会議」を開催する。また、必要に応じて教育委員会職員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、教育支援センタ ー教育相談員、みどり寮職員、警察関係者その他に協力を仰ぐ。
【組織的対応】
事実関係の正確な調査・把握と報告
被害者および加害者又は全体に対して具体的な指導方針を決定
保護者と連携をとりながらいじめの解決指導
警察等関係機関と連携をとりながらいじめの解決指導
事態収束まで継続指導・経過観察 等
いじめの疑いあるいはいじめの事実を認知したときには、緊急会議を開き、いじめの情報の迅速な共有、関係のある生徒への事実関係の聴取、指導や支援の体制・ 対応方針の決定と保護者や関係機関等との連携といった対応を組織的に行う。
重大事態の調査等を行う場合は「いじめ対策委員会」を母体とし、当該事実の性質に応じて弁護士・医師等の専門家を加えるなどの方法によって適切に対応する。
すべての生徒が安全・安心に学校生活を送ることができ、規律正しい態度で授業や行事に主体的に参加・活躍できる学校づくりを進めていく。
居場所づくりや人間関係づくりをキーワードに学校づくりを進めていく。
すべての生徒が参加・活躍できる授業を目指し、主体的に授業に参加できる授業づくりを進める。
本川中学校すべての生徒に集団の一員としての自覚を持たせ、互いを認め合える人間関係・学校風土を生徒自らが創る生徒集団を育成する。
障害(発達障害を含む)のある生徒についての理解を深める。
生徒自らが人と関わることの喜びや大切さに気づいていくことや、互いに人間関係づくりをすすめていくことができるような学校行事等を計画・実践する。
学習規律を含め、授業に望む姿勢を含めた学び方を徹底する。
いじめている生徒や、周りで見ていたり、はやし立てたりしている生徒を容認することがないようにする。
生徒自身が、いじめの問題を自分たちの問題として受け止めること、そして自分たちでできることを主体的に考えて行動できるように働きかける。
「自己決定権の場を与える」「自己存在感を与える」「共感的人間関係を育む」という生徒指導の3機能の視点をもって、すべての教育活動にあたる。
教育公務員としての自覚を持ち、生徒の健全な成長に全力を尽くす。
教師の不適切な指導や認識・行動や差別的な態度や言動が生徒を傷つけたり、他の生徒によるいじめを助長したりすることがないようにする。
「いじめられている側にも問題がある」かのように受け止められかねない認識や言動を示さない。
すべての生徒がいじめの問題への取組についての意義を理解し、主体的に参加できる活動になっているかどうかを教職員として評価するとともに、生徒の活動を支える役割を果たす。
教師としての「情熱」、人間としての「相互理解」、教師集団としての「切磋琢磨」、職場としての「協力」を大事にする。
いじめの早期発見は、いじめへの迅速な対処の前提であり、すべての大人が連携し、生徒のささいな変化にも気づく力を高めることが必要である。
生徒の変化に気づいた情報や、遊びやふざけのように見えるものの、気になる行為があった場合は、確実に共有するとともに速やかに対応する。
登校時の生徒の様子を観察する。
保健室での様子等の聞き取りを行うなど情報収集に努める。
朝学活の際、生徒一人一人の様子を観察する。
個人ノート等、教職員と生徒の間で交わされる日記等を活用して、交友関係や悩みを把握したりする。
休み時間や放課後の課外活動のなかでの生徒の様子に目を配り、友人関係や遊びの様子を把握する。
生徒、保護者、学校の信頼関係を築き、円滑な連携を図るように努める。
積極的に保護者からの相談を受け入れる体制や、地域の方から生徒の地域での様子を寄せてもらえる体制を構築する。
保護者からの相談には、家庭訪問や面談により迅速且つ誠実な対応に努める。
必要に応じて、いの町教育委員会、教育研究所、少年育成センター、保健師等の関係諸機関と連携して課題解決に臨む。
いじめに関する相談を受けた場合、速やかに管理職に報告する。
相談を受けた教職員が一人でかかえこまないよう速やかに「いじめ防止委員会」を開催する。
速やかに組織的に対応し被害生徒を守り通す。
いじめを行った生徒に対しては、当該生徒の人格の成長を旨として、教育的配慮のもと毅然とした態度で調査・指導する。
判断材料が不足している場合には、関係者の協力のもと、事実関係の把握を行う。
いじめの事実が確認された場合又はいじめの可能性が高い場合は「いじめ対策委員会」を開催し、対応を協議する。
いじめであると判断されたら、いじめを受けた生徒のケア、いじめを行った生徒の指導など、問題の解消まで「いじめ対策委員会」が責任を持つ。
いじめをやめさせ、その再発を防止するため、いじめを受けた生徒及び保護者に対する支援と、いじめを行った生徒への指導とその保護者への助言を継続して行う。
いじめを受けた生徒が安心して教育を受けられるために必要があると認められるときは、保護者と連携を図りながら、一定期間、別室等において学習を行う等の措置を講ずる。
いじめを行った生徒に対して必要な教育上の指導を行っているにもかかわらず、十分な効果をあげることが困難と考えられる場合や、いじめが犯罪行為として取り扱われるべきものと認められる場合には、いの町教育委員会、教育研究所、少年育成センター、高知県教育委員会とも連絡を取り、所轄警察署と相談して対処する。
生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに所轄警察署に通報し、適切に援助を求める。
ネット上のいじめには必要に応じて地方法務局の協力を求めたり、生徒の生命、心身又は財産に重大な被害が生じるおそれがあるときは、直ちに所轄警察署に通報したりするなど、外部の専門機関に援助を求める。
いじめが「重大な事態」と判断された場合には、いの町教育委員会からの指示に従って必要な対応を行う。
生徒の人格の成長に主眼を置き、問題の再発を防ぐ教育活動を行うことが問題の解消になるという考え方で動き、その後の経過も見守り続ける。
いじめを見ていた生徒に対しても、自分の問題として捉えさせるような教育活動を行う。
学校における情報モラル教育を進める。
一次対応(緊急対応)
1. 家庭訪問等
2. 事実確認(複数で)
3. 臨時職員会で事実関係の共有 → 校内いじめ対策委員会へ移行
4. 対応方針の決定 即被害生徒の安全を確保・心のケア・必要に応じて支援依頼
二次対応(短期対応)
5. 保護者に把握した事実と今後の対応方針を伝える。(複数で)
6. 保護者や関係機関等と連携を図りながら、被害生徒を支援する。
三次対応(長期対応)
7. 学級(全体)指導及び被害生徒の集団への適応を支援する。
8. いじめの解消を管理職が確認する。
9. 人権意識の育成や人間関係づくりの改善に向けて継続的に指導する。
一次対応時
家庭訪問時は、生徒と保護者に寄り添う言葉掛け、解決の力強い意志を伝えることを最優先する。
事実と経過、思いを中心に、「つらさ」を共感的に聞き取る。
二次対応時
保護者には、学校の対応と結果、生徒の様子を小まめに口頭で知らせる。
対応と結果、保護者へのお知らせの記録を残す。(担任又は生徒指導担当)
一次対応時
事実と経過、意図や思いを聞き取る。(担任+αで)
※「取り調べられた」という恐怖感・威圧感を与えないこと。
聞き取った内容を保護者に伝え、家庭での再度の聞き取りを依頼する。
※「加害」側保護者には、初耳であることがある。確定した事実として伝えるのではなく「~という話があったので、子どもさんとお話ししてみてください」と依頼する。
二次対応時
「いじめ」が明らかとなれば、事実関係を対応方針とともに保護者に伝える。(複数で)
※保護者に対して、「一方的な行為」「相手のダメージの様子」等の事実を明らかにして、「子ども同士のよくあるいざこざ」とは違うという共通認識をしておくと、以後の協力が得られやすい。
※生徒間の「力の差」や「立場の強弱」は、保護者には受け入れにくい場合があるので、行為の事実や場面の様子を具体的に伝え、生徒理解を共有する。
保護者には学校の対応と結果、生徒の様子を定期的に知らせる。
PTAと連携し、いじめ問題の背景となっている子どもを取り巻く諸問題や、子どものサインに気づく方法等に関する研修会を行う。
いじめの事実が確認された場合又はいじめの可能性が高い場合は、PTA会長に報告し、「いじめ対策委員会」への参加および以降の協議参加を依頼する。
いつでも悩みを相談できる県内の教育相談事業に関わる広報カードやチラシ等を配布し、周知する。
学校と保護者・地域住民等が一体となって地域の子どもを育み、いじめ問題の解決を進めていくために、開かれた学校づくり推進委員会とともに、学校のいじめ問題の取組について検証する。
第28条 学校の設置者又はその設置する学校は、次に掲げる場合には、その事態 (以下「重大事態」という。)に対処し、及び当該重大事態と同種の事態の発生の 防止に資するため、速やかに、当該学校の設置者又はその設置する学校の下に組 織を設け、質問票の使用その他の適切な方法により当該重大事態に係る事実関係を明確にするための調査を行うものとする。
一 いじめにより当該学校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき。
二 いじめにより当該学校に在籍する児童等が相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。
2 学校の設置者又はその設置する学校は、前項の規定による調査を行ったときは、当該調査に係るいじめを受けた児童等及びその保護者に対し、当該調査に係る重大事態の事実関係等その他の必要な情報を適切に提供するものとする。
「いじめにより」とは、各号に規定する生徒の状況に至る要因が当該生徒に対して行われるいじめにあることを 意味する。
また、第一号の「生命、心身又は財産に重大な被害」については、いじめを受ける生徒の状況に着目して判断する。
例えば、
生徒が自殺を企図した場合
身体に重大な傷害を負った場合
金品等に重大な被害を被った場合
精神性の疾患を発症した場合
などのケースが想定される。
第二号の「相当の期間」については、不登校の定義を踏まえ、年間30日を目安とする。ただし、生徒が一定期間、連続して欠席しているような場合には、上記目安にかかわらず、学校の設置者又は学校の判断により、迅速に調査に着手することが必要である。また、生徒や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申立てがあったときは、その時点で学校が「いじめの結果ではない」あるいは「重大事態とはいえない」と考えたとしても、重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たる。
学校は、重大事態が発生した場合、質問票の使用その他の適切な方法により事実関係を明確にするための調査を行う。そして、いじめを受けた生徒及びその保護者に対し、必要な情報を提供するとともに、学校を所轄するいの町教育委員会・教育長に報告をする。
重大事態の調査は重大事態に対処するとともに、同種の事態の発生の防止に資するために行う。
重大事態への対処に当たっては、いじめを受けた生徒やその保護者からの申立てがあったときは、適切且つ真摯に対応する。
重大事態であると判断したときは、当該重大事態に係る調査を行うため、速やかに、「いじめ重大事態対策委員会」を設ける。
この組織の構成については、弁護士や精神科医、学識経験者、心理や福祉の専門家等の専門的知識及び経験を有する者であって、当該いじめ事案の関係者と直接の人間関係又は特別の利害関係を有しない者(第三者)に参加を図ることにより、当該調査の公平性・中立性を確保するように努める。
調査は、重大事態に至る要因となったいじめ行為が、いつ(いつ頃から)、誰から行われ、どのような態様であったか、いじめを生んだ背景事情や生徒の人間関係にどのような問題があったか、学校・教職員がどのように対応したかなどの事実関係を、可能な限り網羅的に明確にする。