数値解析セミナー
東京大学大学院 数理科学研究科/情報理工学系研究科
The University of Tokyo, Numerical Analysis Seminar (UTNAS)
The University of Tokyo, Numerical Analysis Seminar (UTNAS)
セミナーの案内をメーリングリストにて配信しています.登録を希望される方は,世話人norikazu[AT]g.ecc.u-tokyo.ac.jpまでご連絡下さい.
2025年度の数値解析セミナーは,月一二回程度,火曜日の16:30~18:00に開催する予定です.
2025年度は、教室での対面形式で開催します。参加制限は設けません。どなたでも、セミナー会場で講演を聴講できます。一方で、Zoomによるオンライン配信も行います。
直接会場にお越しください。事前登録等は不要です。
数値解析セミナーMLにご登録の方にのみオンライン聴講情報(Zoom URL)をお知らせします。登録希望は、norikazu[AT]g.ecc.u-tokyo.ac.jp に申し出てください。どなたでも登録できます。(※講演ごとの参加登録は不要です)
002教室は、数理科学研究科棟の内部からは直接には到達できませんので、外の専用出入り口をご利用下さい
講演者(所属): 今川 真城(京都大学大学院情報学研究科)
題目:Convergence analysis of perturbed advection equations in a bounded domain
日時:2025年7月8日(火)16:30-18:00
場所:東京大学大学院数理科学研究科 126室及びオンライン (アクセス)
概要:移流方程式は流体のみならず広範な輸送現象を記述する1階偏微分方程式であり,その数学解析においては,2階の楕円型作用素に微小パラメータを乗じた項を付加して得られる近似方程式がしばしば考察される.この摂動項は数値計算において安定化効果に寄与する一方で,これは方程式の階数を変化させる特異摂動であるため,特に有界領域における境界値問題を扱う際には注意を要する.本講演では線型移流方程式の境界値問題に話題を限定し,近似方程式に課す境界条件が近似解の収束率に与える影響について議論する.また,得られた収束評価の妥当性を検証するための数値計算例も紹介する.
本講演は川越大輔先生(京都大学)との共同研究に基づく.
参考文献:M. Imagawa and D. Kawagoe, On strong convergence of an elliptic regularization with the Neumann boundary condition applied to a stationary advection equation. arXiv:2303.17904
備考:
講演者(所属): 鈴木貴(大阪大学)
題目:有界領域上のHodge分解の解析的証明とその応用
日時:2025年7月29日(火)16:30-18:00
場所:東京大学大学院数理科学研究科 123室及びオンライン (アクセス)
概要:有界領域上での微分形式についてそのHodge分解の解析的証明を与えていくつかの応用を紹介する。これは3次元のベクトル場に関する最近の結果の自然な拡張になっている。境界のある多様体の場合やBrezzi-Kikuchi不等式との関連性を述べ、Helmholtz分解の数値解法について新しいスキームを提案する。
備考:
数値解析セミナーのMLは、東京大学が利用しているGoogle Workspaceのグループ機能を利用しています。
現在、公式のメールアカウントとしてgmailを利用している所属(大学など)が多いようです。一方で、ご自身に届いたメールの転送(cc, bcc)先に、個人で取得したgmailを設定している方も多いと思います。このとき、Google側のメンバー管理の仕様により、個人のアドレスが本体で、所属のアドレスがそのエイリアスと解釈され、個人のアドレスに所属のアドレスが(MLのメンバー管理上、こともあろうに、勝手に!)統合されてしまう、という現象が起きています。もし、本セミナーの情報が自分のところに届いていないのではという可能性を感じた場合には、個人のgmailをチェックした上で、世話人にご相談ください。
菊地文雄
杉原正顯
室田一雄
コンピュータを用いた数値的解析方法は,理工学を超えて,生命科学,臨床医学,金融商品研究などにまで応用範囲を拡げ,幅広く有益な知見をもたらしてます.そして,複雑かつ大規模な問題のコンピュータによるシミュレーションが可能になり,実行されるにつれ,それに関わる数学的諸問題の解決への要請は強くなっています.実際,シミュレーションは,コンピュータの内部で完結するものではなく,現象のモデル(微分方程式など)化,モデルの数学解析,近似と離散化,アルゴリズムの実装とプログラムの作成,データの可視化,現実データとのつき合わせ,信頼性の検証などの一連の過程であり,それらが数理という幹で強く繋がっているのです.
本セミナーでは,「数値解析」を上記の一連の過程における数理解析というやや広い意味で捉えます. そして,この「数値解析」のキーワードの下で, 様々な専門分野の研究者が一堂に参集し,議論を重ねることで,各分野の最新結果や将来への展望,あるいは歴史的な経緯等についての情報を共有することを主目的とします.さらに,その結果として,各分野の研究深化 と他分野との関係性の確認も目指します.
セミナーでは,この趣旨に関連するものであれば,どのような話題でも議論の対象となります. より具体的には,
基礎:現象のモデル化,微分方程式・積分方程式の近似や離散化, 離散化問題の解析,精度・品質の保証,.....
方法:高速・高精度アルゴリズムの開発や実装,.....
応用:計算力学,産業・工業・金融など諸分野での数理と数値シミュレーション,.....
その他:上記の話題に対する歴史的な話,.....
のような話題を挙げることができますが,これはあくまで例であり,制限ではありません. また,修士・博士課程の大学院生や企業等の必ずしもアカデミックでない立場の研究者の方々の 参加や研究発表を歓迎致します.