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last update : 2025/12/08
本書の初版は，幸いにして，学部学生からプロの研究者まで，幅広い層の読者に受け入れていただき，何回も増刷を重ねました．ただ，解りにくいというご指摘を受けた部分もありましたし， 書き切れなかったことも少なからずありました．そこで，大幅な改訂・加筆を行うことを決断し，「第2版」として出版することにいたしました．結果としてページ数が大幅に増えたので，二巻に分けました．
※ この本は，もっとも広い適用範囲を持つ形式で熱力学を解説したために，最初の部分が難しく感じられる場合もあると思います（そこを過ぎれば，急激に分かりやすくなるそうです）．その場合には，統計力学の基礎の2章を読んでから，この本を読まれれば，スムーズに理解できると思います．
News: 電子版も出ました
裏表紙左下の縦の棒は，第I巻を表すIを猫の尻尾の数で表したものです．
印刷ミスではありませんので，ご安心を．第II巻では2本になり，裏返しになっていても I, II の区別が付くようになります．
読者と教員の方へ： 本書を教科書として使用される方のための御参考
I, II巻共通索引： 第I, II巻を通しての索引です（PDFファイル）
本書の熱力学の基本原理（要請I,II）を1ページにまとめたPDFをここに置いておきます。手元に置いておくと便利だと思います。
補足情報： 「問題2.1がわからない」という質問が来たので、第2刷以降では，その補足説明を新たな問題 の形で書きました（赤字の部分）。ご参考にしてください。
正誤表など
第2版 I 第1刷から第2刷への修正・改良点（PDFファイル）
第2版 I 第2刷から第3刷への修正・改良点（PDファイル）
第2版 I 第3刷から第4刷への修正・改良点（PDFファイル）
第2版 I 第4刷から第5刷への修正・改良点（PDFファイル）
第2版 I 第5刷の印刷後の修正・改良点（PDFファイル）（随時更新中！）
特に、一次相転移をこれほどきちんと解説した教科書は、おそらく世界初だと思います。相加変数を出発点にとったことのメリットが最大限に発揮されます。
初版でも一次相転移は詳しく書きましたが、一般論を大幅に加筆して、さらに多成分系の実例や化学への応用まで書きました。
外場で不均一が生じる場合でも， 強い重力で温度が不均一になってしまうような場合でも、 びくともしない本書の公理系のメリットが発揮されます。
また、「内部エネルギー」を自由に選べるというメリットも生かされます。 そこから、わかりにくい「電気化学ポテンシャル」の概念も自然に理解できるでしょう。
正誤表など
第2版 II 第1刷から第2刷への修正・改良点（PDFファイル）
第2版 II 第2刷の印刷後の修正・改良点（PDFファイル）（随時更新中！）
熱力学の基礎 [第2版] 目次
I ー 熱力学の基本構造
第1章 熱力学の紹介と下準備
第2章 「要請」を理解するための事項
第3章 熱力学の基本的要請
第4章 要請についての理解を深める
第5章 エントロピーの数学的な性質
第6章 示強変数
第7章 仕事と熱 — 簡単な例
第8章 準静的過程における一般の仕事と熱
第9章 ２つの系の間の平衡
第10章 エントロピー増大則
第11章 熱と仕事の変換
第12章 ルジャンドル変換
第13章 他の表示への変換
第14章 大きな系・小さな系
II ー 安定性・相転移・化学熱力学・重力場や量子論
第15章 熱力学量を別の熱力学量で表す方法
第16章 熱力学的安定性
第17章 相転移
第18章 秩序変数と相転移
第19章 化学への応用
第20章 外場で不均一が生じる系の熱力学
第21章 統計力学・場の量子論などとの関係
