21銀行家が誘導した米国の第二次世界大戦参戦
銀行家が誘導した米国の第二次世界大戦参戦
1940年6月4日、英国軍がダンケルク海岸からの屈辱的な撤退を強いられると、ウインストン・チャーチル首相は「我々は浜辺で戦い、けつして屈服しない」と開き直った。
チャーチルがこれほど強気な姿勢を見せられたのは、米国が英国を全面的に支援すると密かに知っていたからだ。
米国民の大多数は介入に反対していた。しかし、ニューヨーク市で約1000人(はとんどが英国人とカナダ人)の手先を雇った英国の「秘密不正工作」は、フランクリン・D・ルーズヴエルト政権の全面的協力とともに民主主義を乗っ取った。こうしてロンドンを拠点とする中央銀行家たちは米国民を今日まで支配しているわけだ。
共和党はもともと介入に反対していた。ところが英国のおかげで、1940年6月28日に共和党大統領候補の指名を受けたのは、介入を支持し、徴兵制を支持する無名の「国際主義者」で、一度も公職に就いたことのない長年の民主党貞ウエンデル・ウイルキーだった。
米国史上もっとも犠牲の大きな戦争(100万人が死傷し、1990年の貨幣価値に換算して二兆ドルの出費)を前にして、米国民に選択の余地はなかった。
反戦を掲げる大統領候補者がいなかったのである。 これは2004年や2008年の大統領選を思い出させるものだ。
そこには単なる宣伝以上のものが絡んでいた。共和党大会のまとめ役で「孤立主義者」(国家主義者のごまかし言葉)のラルフ・ウイリアムズが5月16日に都合よく急死したため、
長年の英国スパイだったサム・プライアーが彼に代わり、「ウイルキーを選べ!」と叫ぶウイルキー支持者とともに大会へ詰めかけた。
たしかに、ウイリアムズは70歳と高齢だった。しかし、歴史家のトマス・マールは英国からの命令に殺人が含まれていたと述べ、それが真相だとはのめかしている。
トルーマン政権時代にCIAに協力したゲシユタポ長官のハインリヒ・ミユラーも、英国が邪魔な米国人を何人も殺したと証言している。
「〔ウイルキーの〕指名により、フランクリン・ルーズヴエルトは選挙戦の通常のプレッシャーから免れた」と、マールはその過激な著書『絶望的欺瞞‥米国における英国の秘密作戦、
1939年~44年(Desperate Desperation: British Covert Operation in the US,1939-44)』(一九九八年)に書いている。
ウォルター・リップマンはこう書いている「ウエンデル・ウイルキーの突然の台頭と指名は神意によるとも思われる決定的事件で、自由主義世界の結集を可能にした。
彼以外のどのリーダーシップの下でも、共和党は英国に背を向けただろう」
もしロバート・タフトのような共和党の国家主義者が指名を勝ち取っていたら、チャーチルはヒトラーと和平を結び、スターリンを見捨てたに違いない。
ヒトラーが英国との良好な関係を望めば、ユダヤ人大虐殺も起こらなかったはずだ。
第一次世界大戦での愚を繰り返すように、米国の介入はヨーロッパの戦争を拡大し、人類に悲惨な結末をもたらした。
イルミナチイの戦略は二正面戦争の長期化によってナチスを敗北させるというものだった。マールはイルミナテイの名に触れていないが、彼の著書はその手口を明らかにしている。
それについては後に詳しく述べる。
ナチズム打倒などまるで眼中になかった中央銀行家
ロックフエラーとモルガンの帝国は中央銀行カルテルの一部である。最上層部では、あらゆる諜報機関(MI6、CIA、モサド、KGB)がそれぞれの国家政府ではなく、このカルテルに
仕えている。
MI6の英国安全保障調整部は、米国を第二次世界大戦へと向かわせるためのイルミナテイの作戦行動を担当した。
資金はロックフエラーとモルガン一族によって提供され、場所もロックフエラーセンターの 「インターナショナル・ビル」の三八階に無償で与えられた。
「この場所は活動に都合ぜよかった」とマールは書いている。「介入を促している英国の複数の諜報機関もここに入っていた。英国プレスサービスが44階にあり、英国諜報部の偽装団体『自由への戦い』も同じビルの二二階にやはり無料で作戦本部を置いていた」(マール前掲書)
ウエンデル・ウイルキーは数々の民主党大会のまとめ役だった。彼はモルガンに支配された保険会社の社長であり、「自由への戦い」の幹部の一人でもあった。彼の選挙資金はすべてモルガン家と英国諜報部から提供されていたが、草の根の政治活動のように見せかけられた。
1940年の選挙戦に負けた後、ウイルキーは国家主義の共和党員への妨害工作を行なうため、フランクリン・D・ルーズヴエルトと密接に連携し、一時はルーズヴエルトの次期副大統領にと考えられていた。ところが、彼の利用価値はそこまでだったようで、ウイルキーは一九四四年、診察に訪れた病院での「連鎖球菌感染」により、五二歳で都合よく死んだ。
ナチズムの打倒は米国の介入の当面の目的ではなかった。真の目的は長期的かつ破壊的で、金になる戦争を行ない、さらなる権力を彼らの手に集めて、最終的に「世界政府」へとつなげることだった。
公式の歴史を書くのはいつも「外交問題評議会」
一九三〇年代、米国民は銀行家がその巨利のためにいかに米国を第一次世界大戦へと誘導したかを思い知った。議会はこれを繰り返させないために一連の法案を可決した。
英国の首相ネヴイル・チエンバレンは米国議会を「頑固で独善的な雑魚ども」と呼んだ。
イルミナテイは、ルーズヴエルトが米国を戦争に介入させる前に、まず世論を転換させる必要があった。
彼らの主な武器は、中央銀行家たちによって所有され、そのカルテルの宣伝に利用されていたマスコミだった。
1940年、中央銀行家とその看板役に所有されていた出版社には、ニューヨーク・ヘラルド・トリビユーン、ニューヨーク・タイムズ、PM、シカゴ・サン、コールズ・グループ (ルック)、タイム・ライフ、ワシントン・ポスト、ボルティモア・サンなどがあった。
いずれも明確に介入を支持していた。ハリウッドでも戦争宣伝映画が製作された。
『美女ありき』や『翼を持つライオン(The Lion has Wings)』の映画製作者アレクサンダー・コルダは英国のスパイだった。
英国諜報機関の代弁者として成功を収めたジャーナリストには、ウォルター・ウインチエル、ドリユー・ピアソン、ドロシー・トンプソン、ウォルター・リップマン、ジェームズ・レストン、ヒユーパート・ベアード・スウォープなどがいた。
世論調査は米国民に大多数が介入を支持しているとの印象を与えるため、不正に操作・改変された。たとえば、「ギャラツプ世論調査」は英国のスパイであるデーヴイツド・オグルヴイーによって歪曲され、発表された。
ハミルトン・フィッシュやマーチイン・ダイズ、パートン・ウイーラーといった国家主義の政治家たちは、ナチス支持者や反ユダヤ主義者として非難された。
彼らはいわれなき中傷に追い回され、結果として政治生命を絶たれた。
ただ、アーサー・ヴアンデンバーグ上院議員は、英国諜報部の協力者だった社交界の美しき名士の助けにより、その考えを改めた。
英国はドイツの残虐行為の写真や、ナチスの南米分割計画を示すという偽地図をでっち上げた。
この地図はルーズヴエルトが最後まで突破できなかった中立法を覆すのに役立った。ヒトラーと米国の「孤立主義者」は破滅するという、いんちき星占いまでが行なわれた。
共産党と同じく、英国は草の根団体を装う多数の組織を形成した。それには「民主主義の友」や「人権連盟」、「自由への戦い委員会」などが含まれていた。
戦後、ロックフエラーの「外交問題評議会」は、米国の介入に関する公式の歴史が書かれるように画策した。
彼らは米国がいかに騙されて第二次大戦へと向かわされたかという厄介な事実が、再び明らかにされるのを望まなかったのだ。
ヴエノナ解読で明るみに出たスパイ活動
英国はいざとなれば、最後の手段としてスターリンを見捨てただろう。
英国のフリーメイソン(すなわち中央銀行家たち)はボルシエヴイキ革命の背後にいたが、英国はそれに反対するふりをして、同盟者である民族主義の白軍ロシアを裏切った。
銀行家たちはその後、スターリンがあまりにも民族主義的になりすぎたという理由もあって、ナチス・ドイツを生み出した。
彼らは安っぽい日本の怪獣映画のように二人の大物を戦わせようとしたが、ヒトラーはスターリンよりも独断的だったために負けなければならなかった。
マールの著書からは、中央銀行家、英国、ユダヤの指導者、そしてソ連の間のこうした利害関係が垣間見える。
たとえば、英国安全保障調整局は、ジエーコブ・ランダウが創設したジユーイッシユ・テレグラフィック・エージェンシーの支部だった海外ニュース・エージェンシーに資金を提供していた。 銀行家のフェリックス・ウォーバーグもユダヤ電信社に資金を提供し、ユダヤ人への迫害を宣伝させた。ランダウは「自由への戦い」の幹部でもあった。
ヴエノナ計画によって解読された暗号文(ソ連大使館とモスクワの間の電信)によれば、ランダウは英国とソ連の両方に協力していた。
彼は1943年にメキシコシティーヘ向かい、ソ連の大使と数回にわたって会っていた。
マールはこう書いている「ヴエノナの暗号文によれば、旧ソ連の秘密情報部は英国安全保障調整局とその所産である戦略諜報局(後のCIA)に完全に入り込んでいた」
ウイリアム・ステイーヴンソンは英国安全保障調整局の局長で、彼の副司令官チャールズ・「デイツク」・ユリス大佐は後のCIAを組織・運営したMI6のメンバーだった。
マールによれば、ユリスは「ドイツとソ連の両方の諜報機関に協力していた」とされる。
こうした状況は、すべての諜報機関が中央銀行家によって密かに支配されており、戦争は茶番にすぎなかったという見方と一致している。
バーネイズ『プロパガンダ教本』が看破した真実
フロイトの甥エドワード・バーネイズは、イルミナチイのために大衆の操作を手伝った。
彼の著書『プロパガンダ教本』によれば、「世の中の一般大衆が、どのような習慣を持ち、どのような意見を持つべきかといった事柄を、相手にそれと意識されずに知性的にコントロールすることは、民主主義を前提にする社会において非常に重要である。
この仕組みを大衆の目に見えない形でコントロールすることができる人々こそが、現代のアメリカで『目に見えない統治機構』を構成し、アメリカの真の支配者として君臨している」
民主主義や自由が幻想にすぎないことは明らかだ。イルミナチイは選択肢を提供し、その議論を支配する。結局、私たちの「民主主義」は違法な権力を合法化するだけなのである。
米国は次なる世界大戦へと向かわされている。今の段階は、両陣営が軍備を始め、予行演習を行なつた1930年代と比較できるかもしれない。
最後の大戦はおそらく2010年から2012年に生じ、多くの「無用な口」が排除されることだろう。