【赤坂/市川/新松戸教室】柳瀬 一輝(61歳)

投稿日: Jun 11, 2010 5:56:10 AM

母を癌で亡くした。その後、伯母・従兄弟・兄が癌を発症。嫌な予感が脳裏を走った。慌てて私は健康に良いと気功を習い始めた。一方、国立病院に入院した兄を毎週のように見舞いに行ったが兄は厳しい状態で逝ってしまった。

其の矢先だった。今から6年前、自分にも直腸癌が発症した。ポリープ切除後リンパ管に入っているので転移や再発の可能性があり、一番安心なのは直腸と肛門を切取り《人工肛門》にするのが良いとクリニックの院長に告げられた。しかし、まだ現役で仕事をしているので色々不便があるとも言われ、頭の中は“真っ白”になり何も考えられなかったことを覚えている。こんなに早く自分にも癌が忍び寄っていたとは・・・。院長はそんな私に「私の指示することを確実に守って生活すればポリープのできやすい体質はなかなか変わらないだろうが、ひょっとすると再発しないかもしれないよ。」と言われた。藁にもすがる思いで即座に「おっしゃる通りにします。」と答えていた。

これが【マクロビオティック】との最初の出会いだった(この日から玄米菜食が始まる)。

家庭の中でも妻は既にヨーガを20数年実践し動物性食品はあまり口にせずにいたため“私向け”の玄米菜食の調理は抵抗なく習いに行くことをしてくれた。学校に通いながら更に大森英櫻・大森一慧ご夫妻のマクロビオティックに出逢うことができ、徹底した食養を励行した。最初は肉魚には目のない私には玄米菜食があまり美味しいものではなかったが慣れてくると、なんと「玄米が甘い!うまい!」になった。

さて、習い始めた気功教室では『もともと自分の身体に備わっている免疫力を高めることができる。』からと会社帰りに毎週欠かさず通い功法を必死に学んだ。ある日のこと、目を閉じて静かに呼吸をしていると何だか涙が出るほど安心できる気持ちよさ、母親にそっと抱きしめられているかのような感覚を得て『ずっとこのままで居たい』と思ったことがあった。また、瞼の向こうの方に卵形の薄明かりの中で静かに座っている小さな自分が見えたこともあった。

このことを妻に話したらヨーガの境地と全く同じなのだと言われ体験や体感の話を繰り返すうちに作法の違いが有るだけで到達するところは同じなのだと気付き、その後は脳梗塞で後遺症のある義母(83歳)、結婚前に心身を鍛えたいという娘、更年期に入る義妹達と共にヨーガに精進する毎日となった。

癌と宣告され頭が真っ白になったあの日から6年、良性のポリープさえも1つもできず毎日不安なく暮らすことができているのはヨーガのゆっくりしたポーズや沢山の【呼吸法】により免疫力を高め、《正しいマクロビオティック》で生活習慣を改めた成果と確信している。そして、『癌を克服するぞ!』の信念が人生を自分のものにしたと思える。少しでも多くに方にこの体験や思いを伝えることが私の使命でもあるかのように思えてならない。