高血圧

心臓は、収縮と拡張を繰り返して血液を送り出している。

動脈の中の血圧は心臓の収縮、拡張に応じて上がったり下がったりする。

動脈の血圧が心臓の収縮により最高に達したときの値が「最高血圧または収縮期血圧」、

心臓の拡張により最低に達したときの値が「最低血圧または拡張期血圧」。

高血圧状態が長く続くと血管はいつも張りつめた状態におかれ、次第に厚く、しかも硬くなる。

これが高血圧による動脈硬化で、大血管にも、小血管にも起こり、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症、心筋梗塞、眼底出血などの原因となる。

心臓は高い血圧にうち勝つために無理をすることになり、心臓肥大が起こり、心不全になることもある。



対策:

食品 塩分と炭水化物を控えて、カリウム・カルシウム・マグネシウムと食物繊維、タンパク質を増やす。

この3つのミネラル(カリウム・カルシウム・マグネシウム)は塩分(ナトリウム)を排泄する効果がある。

細胞内のナトリウム濃度が上がるとそれを薄めようとして血液に水分が入り、循環血液量が増え、血圧が上がる。

この原理からナトリウムを排泄することは血圧を下げることに繋がる。

カリウム・カルシウム・マグネシウムはどれか1種類だけ摂れば良いわけでなく、3つのミネラルをバランスよく摂ることが大切。

ミネラル豊富な食材としては、野菜や果物、海藻類やナッツ、大豆製品など。

降圧効果:そばに含まれる「ルチン」というポリフェノールは血管を丈夫にして、血圧と血糖値を下げる作用がある。

イカやタコに含まれる「タウリン」は、腎臓の働きを促進して血圧を正常にする働きがある。

緑茶に含まれるGABAやカテキンに血圧を下げる働きがある。



高血圧を予防、改善する運動としては全身を使う有酸素運動が適している。

散歩やウォーキング、ストレッチなど。

重いものを持ち上げる運動や、負荷が大きく息をつめて力む運動は急に血圧が上昇し、心臓に負担がかかるため高血圧の対策としては適していない。


深呼吸やゆったりとした腹式呼吸

高血圧の人は呼吸が浅く回数が多い傾向にある。

腹式呼吸のような深い呼吸をすると血圧を下げる生理活性物質が多く作られる。

深い呼吸には自律神経の作用を整える効果がある。

吐く息を長くすることにより、副交感神経が優位になり血圧が下がる。


良質な睡眠

寝不足になると、交感神経が刺激されるため、血管が収縮して心拍出量が増加し、血圧が上がりやすくなる。


急激な温度変化を減らす

血圧は温度の変化に敏感で、温度差が10度以上ある場所の移動で急激に体を冷やすと末梢神経が収縮して血圧が上がる。

特に首の後ろは温度の変化に敏感なため、寒い日などは外出の時だけでなく、室内でも首を温めておくことが大切。

高血圧の原因は生活習慣によるものが大きいため、生活習慣の見直しをすることで血圧を下げることが可能。