22.『性格について』

人には、それぞれ性格がある。

その性格は、その者の「能力」「遺伝」「環境」

「経験」「学習」によって作られる。

これらは、以下のように分類できる。

人には、快楽追求と不快苦回避の欲求がある。

これらは基本的な三つの本能にもとづく。

生存本能:生きるための欲求、食欲や睡眠欲など、

種存本能:子孫を残すための欲求、性欲や庇護欲など、

存在本能:自分の存在を示す欲求、自己顕示欲や自尊心など

快楽追求欲、不快苦回避欲、それぞれ強い者と弱い者がいる。

その組み合わせによって、以下の四つのパターンに分類される。

これは、極端な例であって、人はそれぞれ、その中間の傾向にあると言える。

快楽追求欲、不快苦回避欲、両方が強い・・・Ⅰ型

快楽追求欲が強く、不快苦回避欲が弱い・・・Ⅱ型

快楽追求欲が弱く、不快苦回避欲が強い・・・Ⅲ型

快楽追求欲、不快苦回避欲、両方が弱い・・・Ⅳ型

快楽追求欲が強いタイプ(Ⅱ型)は、

手段を選ばず、自己の欲求を満たそうとする。

そのためには、他者から奪っても、

他者を犠牲にしても構わないという、

自己中心であり感情的、攻撃的、競争や抗争を好む。

態度は、横暴、横柄、横着、卑怯で、

ルールを守らず、わがままである。

不快苦回避欲が強いタイプ(Ⅲ型)は、

自己の欲求達成より、自己の保身を優先する。

そのためには、他者の顔色を伺い、

他者からの攻撃を出来るだけ避けようとする。

他者中心であり、協調的、保守的となる。

態度は、礼儀正しく、知性的、優柔不断、遠慮気味、臆病で、

ルール重視で、秩序的である。

快楽追求欲、不快苦回避欲、それぞれが強いタイプ(Ⅰ型)は、

上で述べた特徴が複合的に現れるため、態度は複雑となる。

多くは、協調的な振り、他者を尊重しているような振りをして、

自分の欲求を通すような、

または、自己中心、自分勝手な振る舞いをあえてして、

自分を保護するような、二面性で人に対応する。

その二面性が調和されていれば、優れた社会適応力ともなりうるが、

自分の性格に振り回されて、自分の望みがわからなくなることもある。

どちらの欲求も低いタイプ(Ⅳ型)は、

無気力、無関心、消極的、無感情、機械的となる。

従順のように見えるが、保守的になっているわけではない。

感情は、他人やその集団に対しての、自分の欲求の表現であり

コミュニケーションの一種と言える。

快楽追及欲が強い者は、他人への関心が強く、ゆえに感情が激しくアクティブ。

不快苦回避欲の強い者は、自分への関心が強く、ゆえに感情は大人しくネガティブ。

どちらも弱い者は、どちらへの関心がなく、感情は乏しい。

性格は、快楽追及型(攻撃型)と不快苦回避型(保守型)に大きく分かれる。

そしてその要素に、知性、すなわち、

知能という要素と知識(経験・学習)という要素が加わる。

人の知能には、それぞれ高低の差がある。

知能の高低差とは、思考の効率の差である。

思考には、五つのパターンがある。

観察、記憶、分類、推理、創造である。

それらが早く(大量に)、低コストで、正しく行われるほど、

効率がよく、すなわち知能が高いということになる。

これが性格に影響する、一つの要素、「知能の要素」である。

そして、この「正しさ」に影響するのが、知識である。

知識に、誤りや偏りがなければ、真に「正しさ」となるが。

それらがあると、その「正しさ」は、その人にとってだけのものとなり。

歪んだ「正しさ」となる。

知識には、多少の歪みは必ずある。

それはその人の経験や学習の程度による。

その歪みの程度が、性格に影響する、もう一つの要素、

「知識の要素」である。

上の要素から、人のタイプは大きく三つに分かれる。

知能(思考力)が高く、知識も正しい。(H型)

知能(思考力)は高いが、知識に歪みがある。(M型)

知能(思考力)が低い。(L型)

先に述べた欲求に基づく性格Ⅰ~Ⅳ型に対して、

上の三つのタイプは、以下のように影響する。

H型は、その行動や表現が直情的でなく制御されて、

婉曲的であり、計略、策略的になる。

M型は、その行動や表現が偏向的であり、

湾曲され、謀略、こじつけ強引となる。

L型は、その行動や表現が直情的である。

これらの要素の組み合わせによって、

人の性格は形作られるのである。

(2021.2.10)