前回のブログでご紹介した、ウィードプランニング(通称:Weed)が運営するWebメディア「biwacommon」では、「びわこぐま」というキャラクターが顧問として広報活躍しています。今回はそのびわこぐまを、イラストキャラクターとしてビジュアル化した制作過程をご紹介します。
びわこぐまは、「びわ湖のシルエットをしたクマの擬人化」という、なかなかに複雑なコンセプトから生まれたキャラクターです。びわ湖なのか、クマなのか、人なのか──その情報量の多さこそが、びわこぐまのユニークさでもあります。
イラスト化にあたっては、社内デザイナー3名でブレインストーミングを実施。びわこぐまには誕生日や性格、趣味、好きな食べ物といった詳細なプロフィールも設定されており、X(旧Twitter)では独自の口癖での発信も行っています。
そうした「びわこぐまらしさ」を一枚の絵に落とし込むには、愛らしさとキャッチーさを両立させる必要がありました。世の中の人気キャラクターを調査・分析し、ベンチマークを参考にしながら、制作を進行。中でも難しかったのが、「びわ湖のかたちをした頭部」のデザインです。着ぐるみ写真を参考にしつつ、全体のフォルムを丁寧にデフォルメしていきました。
私たちが目指したのは、ライターの多様な価値観を尊重するbiwacommonメディアにふさわしい、包容力とユーモアを兼ね備えたキャラクター。びわこぐまは、その象徴として、これからも多様な声を受け止め、発信しながら成長していきます。
3名のデザイナーがそれぞれにびわこぐまを描き、各自のこだわりや要素を持ち寄ってすり合わせながら、最終的に1つの完成形へと統合していきました。特にこだわったのは、「輪郭(ライン)のあるイラスト」です。
びわこぐまはシンプルな配色で構成されているため、ラインを明確に入れることで、全体の存在感や視認性が大きく向上します。ラインの太さを調整することで、柔らかく親しみやすい印象も演出できます。
また、表情やポーズの変化が伝わりやすくなるのも輪郭の利点です。マンガや絵本のキャラクターのような「親しみやすさ」を意識し、整いすぎず、適度なゆるさや有機的な曲線を大切にしました。
びわこぐまは、びわ湖とともに約400年前に誕生したという設定ですが、見た目は幼く、ギャップのある愛らしさも魅力のひとつ。足を短めに、ほっぺとあごには丸みをつけて、もちもちした子どもらしさを表現しています。
デザイナーのお気に入りポイントは「前髪」です。この前髪が少年・少女のような無邪気さを表現しています。
今後さまざまなシーンで活用できるよう、正面・斜め前・横・斜め後ろ・後ろの5方向のイラストを制作。加えて、パーツごとのイラストも制作し、組み合わせによって柔軟に展開できるようにしています。
こうしたイラストの仕様設計は、Weedがキャラクターをデザインする際にいつも行っている手法です。また、色指定も細かく設定し、どのツールでも色ブレのない展開が可能になるよう工夫しています。
こうして、びわこぐまのイラストキャラクターが完成しました。今後は「biwacommon」の認知向上やブランドイメージの強化、販促・広報活動などで大いに活躍していく予定です。露出の機会が増えることで、いずれはグッズ展開なども見据え、多くの人に愛される存在になってくれることを願っています。
キャラクターは単なる「飾り」ではなく、戦略的に設計することで、ブランドへの共感やファンを育てる強力なツールとなります。そのためには、企業の理念や事業と一貫性を持たせ、長期的に育てていく視点が大切です。
最後に、SNS投稿用に制作したアクリルスタンド版のびわこぐまをご紹介。控えめに言って、可愛すぎませんか?