日程:8/30~9/1(2泊3日、停滞1日)
コース:ヌビナイ川右股沢ピストン
遡行者:早川(PL・医療)、栗田(SL・装備)、石田(気象・エッセン)
文責:早川
8/30 曇り→雨
8:00 前泊していた歴船川河川緑地から雅交通のタクシーで聖徳林道の鹿鳴橋へ向かう。
8:30 鹿鳴橋(車は少し進んだところまで入れる)で下車し林道終点まで歩く。林道は所々崩壊していた。とはいえ、途中で太陽が顔を出し、右手に見えるヌビナイ川の清流も相まって心地よく歩を進める。
9:30 林道終点に到着。ここからは何度か渡渉を挟むものの、右岸の踏み跡に従へばc507下二俣まで楽に行ける。
12:30 c507着。計画ではここをC1としていたが、翌日の天気を案じc790上二俣まで進むことにした。
13:00 G1・F1に到着。手前のF0とトイ状は左岸を容易に巻ける。函の中を通過しようと試みるも、F1手前の釜で行き止まりとなる。この釜は左岸を登って巻けそうだったが、登攀路に砂利が多く敢無く撤退した。結局、この函は定石の右岸巻きで通過する(13:10→13:20)。
13:35 1つ目の核心F3に到着。手前のF2は左岸を巻き気味に楽に登れる。F3は左岸巻き。残置のfixがあるものの、ランビのハーケンが浮いているものがあったので、ザイルを出す。
14:25 危なげなく左岸のへつりを終える。岩が露出しているが、そこまでツルツルではない。高度感があるだけで、三点支持で忠実に進めば問題ない。
14:45 2つ目の核心G2に到着。手前のF4は右岸を容易に巻ける。この函は左岸の草付きをノーロープで巻く。高度感がありツルツルで少しトラバースしながら登り降りする箇所があり、そこはパーティによってはザイルを出した方がいい。
15:20 左岸を巻き終わり、右岸沿いに進んでいく。ここからナメ滝が連続していき、小雨も降り出した。15:35から16:10の間に休憩もかねて天気図を書こうとした。しかし、事前に調べた広尾郡の周波数が拾えず、総当たりをしてもラジオからはノイズしか聞こえなかった。
16:20 右岸にある2段の滝の中段をトラバースし七ツ釜を目に納める。
17:00 c790上二俣到着(C1)。七ツ釜からは、ナメ滝区間を抜けると平凡な沢だった。
G1
写真奥に見えるF1手前の釜は、左岸のへつりで取り付くのは難しい。釜手前の比較的傾斜の緩い左岸は越えられると思う。
F3
左岸のトラバース。登って降りる経路となっている。行きは降り始める箇所がホールド少なく際どい。
G2
草付きで長いトラバース。メンバーは恐怖を感じてたものの、落ち着いて通過できていた。
8/31(停滞日) 雨
幕営地から見えるソエマツ直登沢の写真のような渓相だった。下の幕営地だと濁流にのまれてただろう。1日中、狭いテントの中で過ごした。寝る以外することはなかった。嗚呼、整地しておけばよかった。
9/1 晴れ
4:50 テントは残置しピリカヌプリ直登沢へ出発。水量は多いものの日高の平生であろう。何度か滝はあったが全て容易に巻ける。平凡な沢を進み三俣で一番右のガレガレな涸れ沢を進む。源流の様相を呈した頃、眼下にはお花畑が広がっていた。100m高度を上げるごとにヒグマの糞があり、静寂が南日高の原始性を強調する。ピリカヌプリの西肩に詰め上げ、軽くハイマツの藪漕ぎをする。知床 に行きたくなる。
7:25 ピリカヌプリに登頂する。三角点があるだけで無機質。日高はこれでいい。ガスガス、ビュービュー、記念写真を撮りさっさと来た道戻る。
10:30 テン場に戻り撤収する。他の残置も荒らされてなくて一安心。
11:22 七ツ釜を再訪問。今度は晴れてたが、影が差す。1日目、3日目と良くも悪くも写真では見れない七ツ釜。
12:00 G2左岸のトラバースで下降する。行きと帰りとで経路の見え方が変わる。今回のほうが怖そうだった。F4は右岸をcd。
12:50 F3の核心トラバースを引き返す。ザイルを出してスムーズに通過(12:50→13:25)。もう恐怖心はないだろう。他2人はF2の左岸を巻き降りたが、私だけ釜に飛び込む。あら不思議、ザックがF1に吸い込まれていった。F1の水圧に負けたのかザックが開き、歩荷は散々。ザック本体は釜で洗濯され流れない。左岸をへつって例の釜に飛び込みザックを回収。他二人は下流でバリケードを作り、内容物の回収を手伝ってくれた。感謝感激、タクシー代奢った。F1は左岸を巻き降りる。
14:20 c507下二俣に到着。ここまで来たらボーっと歩けばいい。右岸の踏み跡をたどって鹿鳴橋まで行く。
18:10 鹿鳴橋に到着。タクシー呼ぶのを忘れてた。暗闇の聖徳林道を進み1本2本の電波を頼ってタクシーを呼ぶ。繋がっても会話にならない。何度も何度も電話かける。迷惑電話に違いない。
19:10 やっとタクシーに乗車し、公衆浴場へ。
19:35 運転手にお礼をつげ、疲れを洗い流す。入浴後は焼肉。これだから登山は辞められない。次の日で3人はそれぞれの道へ進んだ。私は、帯広から東周りに北海道を周った。スマホは水没していた。約一週間後、3人はまた稚内で集合した。去年マイナー12名山の丸山岳 で藪漕ぎをしていた中林と合流し、礼文・利尻島に向かった。
ハイマツの藪漕ぎ
そこまで背は高くなかった。知床だとほぼ木登りらしい。本州では楽しめない藪漕ぎに気分は上がった。
ピリカヌプリの三角点
ポツンと置かれた三角点。これぞマイナー12名山。周辺はガスって風が強く、寒くて長居はできなかった。
帰りの七ツ釜
行きの七ツ釜は小雨に降られ少し暗かったが、帰りは太陽が出ており、影が差していた。綺麗ではある。