日高パーティー夏合宿・カムイエクウチカウシ岳
期間:9/2-9/6 メンバー:山崎、大久保、杉山
日本二百名山最難関、アイヌ語で「クマが転げ落ちる山」を意味するカムイ
エクウチカウシ岳に行ってきました。
9/1 出発
翌日からの登山に向け、飛行機で北海道入りした。メンバー3人は成田空港に集まり、帯広まで飛んで中札内村へ。食料の調達を行う。予想以上にスーパーやコンビニが整っていて、必要なものは十分買いそろえることができた。
セイコーマートで弁当を買って夕食とし、暗くなり始めたころ、タクシーで札内川ヒュッテへ向かった。雨による川の増水など、不安要素は多かったが、よく整備された小屋のおかげでよく眠ることができた。
飛行機から眺める日高山脈
9/2 一日目
快晴の中、川を上る
待ちに待った一日目。快晴である。今日は川沿いに上り、コイカクシュサツナイ岳登頂を目指す。
熊に気を付けながら順調に歩を進めていた矢先、早くもアクシデントが発生する。熊スプレーを持っていたはずの杉山、その腰にあったはずのそれは既になくなっていた。30分ほど捜索を試みるも、見つけられず、仕方なくそのまま進むことに。この先が不安である。
正午ごろ、川を上り切った。ここからは急登を登っていく。ここで、初日にして今山行最大のアクシデントが発生した。傾斜もなく比較的楽だった川上りから、かなり傾斜のある坂を上る。この変化でメンバー3人には疲労が見えていた。いったん休憩を取ろうと、ザックを下したその時。PL山崎のザックは、見事に坂を転がり落ち、藪の中へと消えていった・・・・。
山崎のザックにはテントや食料など、山行に必須なものが詰まっている。何とか見つけたいが、テントがないと夜が危険である。我々は来るのにかかった時間を考慮して、今日はいったん小屋まで戻り、明日また戻ってきて探すことにした。
小屋まで戻る道中、すれ違った方が、熊スプレーが落ちていたのを見つけたと教えてくれた。そのおかげで熊スプレーは無事に回収。沈んでいた気持ちが少し明るくなった。
無事小屋までたどり着き、明日に備える。山崎は寝袋がないため、小屋に合った座布団などにくるまって寝る。なんとか明日、無事にザックを見つけられるように祈りながら、眠りについた。
小屋にて、トランプで暇つぶし
9/3 二日目
今日も快晴。素晴らしいザック探し日和である。日程の関係でコイカクシュサツナイ岳は諦めることにした。今日はザックを見つけたら小屋に戻り、昨日と同様、小屋で寝ることとなった。そのため、メンバーの歩荷はすこぶる軽く、足取りも軽い。昨日よりも大幅に早く目的地に到達した。
ザックは、探してみると案外すぐに見つけられた。坂の中腹で藪に引っかかっていたのを、山崎が無事に発見した。これでなんとかカムエクには行けそうだということになり、メンバー一同一安心。
ザックが見つかり、今日はもう他にすることがない。余った時間は川沿いでダラダラと過ごし、疲れもだいぶとれた。明日以降のカムエクに向けて、今日は早く寝ることにする。
余った時間、川沿いで焚火をする
9/4 三日目
この夏合宿の一番の目的、カムイエクウチカウシ岳への山行の一日目である。舗装路をずっと歩いた後、川沿いに上っていく。舗装路の時点でクマやシカのような動物の足跡がみられ、警戒しながら進んで行った。
途中すれ違ったパーティーから、明日雨が降るらしいという情報を得た。明日登頂するので一番降ってほしくない日ではあるが、今日の快晴具合をみていると雨なんて降るとは思えない。
この日はそれなりに長い距離を歩いたが、メンバー一同まだ余裕はみられる。合宿を成功に終わらせるためにも、明日は何とか晴れてほしいものである。
本日のテン場。ここからの朝日も素晴らしかった。
9/5 四日目
今日はカムエク山頂を目指して、登山道を登っていく。問題の天気はというと、雨は降っていない。雲が出てはいるが、ひとまず山行に支障はなさそうである。
登山道は想像以上にきつかった。昨日までの疲れがある上での急登である。途中クマの糞などもみられ、そちらにも気が抜けない。尾根上に出てからの強い風にも耐えながら、十時半ごろ、登頂した。雲が出てはいるが、それでも文句なしの眺望である。昼食をとりながら三十分ほど休んだ。
山頂から
無事に合宿の目的を達成できた。あとは下山、帰るだけである。今日までの山行で疲れがたまり、テン場につく頃には足が棒になっていたが、なんとか明日、最後の一日、頑張って歩き切ろう。
9/6 五日目
最終日、重い足をなんとか動かしながら、今まで来た道を引き返す。
舗装路に入ると、なぜだか皆早足になった。今までの疲れがあるにもかかわらず、異常な速さで歩いていく。最も疲れを見せていた山崎も必死についてきていた。彼曰く、この時がいちばんきつかったそうである。
一日中歩き続け、午後四時ごろ、山岳センターに着いた。ここで浴びたシャワーは最高であった。泊りがけの山行の後ほど気持ちの良いシャワーはないと思う。
その後、タクシーで道の駅まで送ってもらい、そこで解散となった。メンバー3人は各々北海道観光等をしながら、帰途に就いた。
舗装路に入る直前。川とはここでお別れ。
総括
去年コロナ渦で合宿ができなかったこともあり、今回に掛ける思いは強かった。そんな中で、このように合宿の目的を達成することができ、非常に嬉しく思う。天気も良く、またクマに遭遇することもなかったため、良い山行ができた。その一方で、全く予想していなかったトラブルにより、予定を変更せざるを得なくなったということもあった。このような経験をした現一、二年生は、今回の合宿の良かったところも悪かったところも生かして、来年の合宿をより良いものにしていってくれるだろう。