信号の意味
信号の意味
GO-FLOW手法における信号は、配管中の流れ、電流、情報、指令、時間 経過量などを意味しており、GO手法における状態の変化(On-to-Off信号ある いはOff-to-On信号)とは異なる。
信号が物理的な流れを表している場合は、 “信号の存在” とは“物理的な流れの存在”を意味することになるが、GO-FLOWにおいては“物理的な流れの存在”を次のように拡張して考える。 つまり、 “ある場所における流体の流れの存在” とは、下流の配管の流路抵 抗が零になった場合にその場所において流体が流れることを意味すると考え る。同様に、 “電流の存在”は現に電流が流れている場合だけでなく、下流の 電気抵抗が零になった時に電流が流れることをも意味する。つまり “信号の存 在” とは、GO-FLOWにおいては実際に流体なり電流が流れていることだけ ではなく、流れる可能性を持っていることを意味している。
たとえば、直列配管の途中の1カ所の弁が閉じていると、流路全域にわたり 流体は流れないが、GO-FLOW手法においては閉じられた弁の上流側におい ては“信号は存在する(弁を開けば流体は流れる能力を持っている)”と考え、 下流側においては“信号は存在しない(さらに下流にある弁を開いても流体は 流れない)” と考える。
この様に考えることにより、システムの信頼性解析を矛盾なく実施できるようになっている。
信号の強度
信号線には“強度” という量がともなっている。主入力信号は主として物理 的な流れを表しており、 “強度”は信号の存在する確率に対応している。それ ゆえ、主入力信号の強度は必ず1.0以下でなくてはならない。
一方、時間経過にともなう機器の故障をモデル化したオペレータ(タイプ35, 37, 38)の副入力信号は時間経過量を表すために用いられているため、信号の 強度は1.0以下である必要はない。逆に、この場合は最小単位量(単位時間間隔) の整数倍の値を取ることが多い。