マイクロソフトエクセル

エクセルの基本として重要度が高いポイント

エクセルの基本単位である、セルの扱い(セルの書式で重要な表示形式と配置)や数式ついて説明していきます。

セルの書式設定

セルを右クリックメニューから「セルの書式設定」を表示させると右図の設定画面になります。

「表示形式」、「配置」、「フォント」、「罫線」、「塗りつぶし」、「保護」の6つの設定タブがあります。

表示形式

示形式には、標準からユーザー定義まで12の分類があります。各分類で設定した見本が下図です。

標準では、入力されたものを自動認識し、数字は数値扱い(右揃え)や文字扱い(左揃え)として表示してくれます。ただし、明確にする必要がある場合は指定が必要です。

例えば、10を文字としたい場合は、文字列に指定する必要があります。(10の前に「’」(シングルコーテーション)を付けても文字列となります。)

標準と数値を見比べていただくと表示される位置が少し違います。数値の場合はほんの少し左に寄ります。

メニューバーからはホームタブ→書式→セルの書式設定です。ショートカットキィーはCTRL+1です。

また、ユーザー定義を使うと自分好みの表示も可能です。10/10と入力すると通常は、日付として、10月10日などと表示されます。ユーザー定義を使うと10月10日(水曜日)や10月10日(日)などと表示できます。

「@”様”」とし名前を入れると〇〇様の表示となります。「”〒”@」だと郵便番号を入力すると〒〇〇〇-〇〇〇の表示です。

配置

これも重要な設定ポイントです。

文字の配置(セル内の左右・上下と方向)

横位置では、標準・左揃え・中央揃え・右揃え・繰返し・両端揃え・均等割り付け・選択範囲内で中央の8種類があります。

「標準」は、表示形式の標準となり、数値は右寄せ、文字列は左寄せなど自動で表示されます。既定値のため、この状態で利用していることを確認しておく必要があります。左揃え・中央揃え・右揃えぐらいを必要に応じて利用されていると思います。(下図を参照してください。)

「選択範囲内で中央」は、横並びの複数セルを指定した時にその中央となります。下図では2つのセルを指定しています。横並びセルの場合は、セル結合することなく、中央揃えができます。

面白い機能は、「繰返し」です。下図ではセルは「10」が入力されていますが、セル幅一杯まで繰り返し表示されます。

「両端揃え」と「均等割り付け」はよく似た機能ですが、両端揃えでは左端から表示され、均等割り付けでは中央から表示されます。

横位置の調整と併せて、ここでもインデントを調整することができます。

縦位置では、上詰め・中央・下詰め・両端揃え・均等割付けの5種類です。「両端揃え」と「均等割付け」は横表示のように、「両端揃え」は上から、「均等割付け」は中央から表示されます。(右上図)「両端揃え」はあまり活用することは無いようです。

方向は、角度で文字の表示方向を変更できます。(下図参照)セルに罫線を引くと45度では左右のセルにはだして表示になります。

文字の制御

右図で、①が「折り返して全体を表示」、②が「縮小して全体を表示」、③が「セルを結合する」です。④は③と同じように見えますが、制御無しです。右横セルが空白の場合はこのよう表示さ、右横セルにデータが入ると途切れた表示()になります。

「右から左」の「文字の方法」は、アラビア語など右から左に表示される言語用で、日本語では動作しないようです。

折り返して表示するでは、文字列の任意の位置で折り返したい場合、折り返し文字の前で、Alt+改行を押します。(

セルの結合について

エクセルの履歴書様式などよく見られるタイプが右図です。

横はB~Nまで13列、縦は1~33まで33行を使っています。入力欄にあたるセルを結合して一つのセルとしていまます。

エクセルでは、行毎に列幅を変えることが出来ないため、細かな列を用意して行毎にセル結合(幅の調整)するで作られることになります。幅の狭い列を多くすることで幅調整の融通しやすいため、このような使い方をされる方も多いと思います。しかし、セルを結合すると移動やコピーなど様々点で弊害もあります。私は、セル結合はレイアウト上の最後の手段最小限に留めておくべきだと考えています。

右図①の項目列はB・Cを結合していますが、必要性はありません。②の入力列はD~K列8列の結合ですが、10・11行のTELとFAX(ここも1列で可能)を入れる事を考えても2列で十分です。③写真欄も同様に1列で可能。行で見ると、④5~7行と12~13行も1行に出来ます。(「折り返して全体を表示」としてセル内改行=alt+Enter)⑤所属連絡先もB・Cを結合していますが、必要性がありません。次で説明しますが、結合している理由はセルの枠線が見えないようにしたいのではと思います。

この様式では、横4列と縦16行で作成が可能と言うことです。

下記図左はセル結合を全てなくしたものです。結合をなくすと枠線が見えてしましますが、これはファイルのオプション設定で枠線を非表示にすることができます。下図右が非表示にした結果です。

セルの書式設定から特に配置や文字の制御を上手く活用すれば、セル結合しなくてもレイアウトは可能なことが多くあります。安易にセル結合を使わないで事をお勧めします。

エクセルは計算のためのソフトウェアです。多くの履歴書を一元管理し、連絡先情報を一覧にしたりするなど2次利用を前提であればエクセルでつくることもありとは思いますが、プリントする履歴書だけのことであれば、ワードでつくるべきだと思います。また、Windows版のエクセルにはWYSWYG(What You See Is What You Get)見た通りにならない問題があります。画面上ではセル内に収まって表示されるが、印刷するとセルからあふれて2行になっていることがあります。セルに多くの文字を入れた場合には要注意です。印刷プレビューで確認してから印刷が必要です。

数式

エクセルは縦横の表形式で計算するソフトウェアです。入力データを計算する式を入れていくことになります。

「+・-・×・÷」やSUM(合計)関数など入れたものをエクセルでは数式と言います。数式の入力は、「=」から始まります。

数式は、数値の計算だけでなく、文字列も計算の対象です。文字列の足し算(結合と言うこと)には、「&」を使います。但し文字列の引き算(分割)は関数を駆使するかデータタブの「区切り位置」を使います。(「区切り位置」も役立つので、後に説明します。

文字列の結合

右図は、下に計算式を表示さたものです。(数式メニューの数式の表示)名簿では、氏名を別のセルで入力することがありますが、表示欄としては氏名としたいとこです。右の計算式では、=B2&" "&C2とすると氏名の間に半角スペースを入れることもできます。

絶対参照と相対参照

右図のような表で、単価×数量で金額を計算しています。みかんの金額となる数式=B2*C2をD2のセルを入れ、下にコピーすると数式をづらしてくれます。数式内のセル番地がズレてくれるという仕組みが相対参照です

これに対して、消費税の部分は税率がF1のセルため、みかんで計算した式をそのままコピーすると相対参照でズレていきます。ズレないように税率のF1セルに固定するために絶対参照のマーク「$」を使います。列や行どちらかに「$」入れれば行・列だけの固定ができます。この操作では、一端相対参照で入れた数式をセル編集状態からF4キーを押すことで絶対参照に変更できます。1回押すと行列固定、2回で行固定、3回で列固定になります。

関数

エクセルを使われる用途よって、よく利用する関数もかわってくると思います。NPO団体では、財務会計処理はどの団体でも共通する事務処理でエクセルの財務関数を利用することはまず無いと思います。合計のSUMや四捨五入のROUNDなど数学関数の利用が主になると思います。アンケート処理などの統計処理などで、AVERAGEやSTDEVやCOUNT・COUNTIFなどの統計関数、名簿などの情報処理では、VLOOKUPなどの検索関数や条件判断などの論理関数なども使われます。ここでは、アンケートの統計処理によく使われる関数や条件判断に使われるIF関数について紹介します。

COUNTIF

アンケート集計でよく使われるのが、countif関数です。「もし何々であれば、数える」英語の意味に近いですね。

右図のようなアンケートの場合、4列~13列10人分のデータを択肢毎の回答者数を計算します。Q1は、=countif(b4:b13,1)をb16に入力します。「b4~b13」に「1」が何個あるか数えています。countif関数は、最初に「セル範囲」その後に「数える値」を入力します。その間は「,」カンマで区切ります。

なお、数える値が文字列の場合は、「”」ダブルコーテーションで囲みます。ちなみに、ダブルコーテーション内の文字が無い、=countif(b4:b13,"")とすると空のセルを数えてくれます。「””」とはエクセルでは、NULL(ヌル)呼びます。アンケートでは回答が無いなどでデータが欠損する場合があります。

右の集計表では、b16には、=countif(b$4:b$13,1)して下にコピーするとセル範囲が固定され、コピー後に数える値だけ変更します。その後b16~b20を選択しC列D列にドラッグコピーすると集計表が簡単に出来上がります。

私が集計する場合は、必ずチェック欄を設けています。ここでは、3つの選択肢と回答無しを合計し、回答者数と合っているかの確認です。エクセルは自動で便利に計算してくれますが、入力間違いで式が違っていたり、範囲指定が違うなどのミスを確認するためにもチェック欄を設けることは重要です。縦横表で合計を取る場合、縦の合計と横の合計を差し引くセル(合っていると「0」になる」を設けることでチェックしています。

Count関数

countif関数以外にもcountのつく関数があります。先に説明した「=countif(b4:b13,"")」空のセルを探す機能と同様なのが、countblank関数です。先の計算式は「=countblank(b4:b13)」とすることができます。反対に空白以外のセルを数えるものが、counta関数です。数値セルを数えるのが、count関数です。

次のステップは、countifs関数です。複数条件での検索ができます。右図のようにアンケート調査では回答者の属性(フェイスシート)を入れることもあります。属性別の集計などの場合に利用します。

c16のセルの計算式は、=COUNTIFS($a$4:$a$13,"A",c$4:c$13,1)となっています。Aの大学生でエクセルを使う数です。属性欄(a4~a13)からA(大学生)を探し、エクセルを使いますか(c4~c13)で1(よく使う)を探した結果です。属性欄は他のセルでも変化させないので、「$」で行列とも絶対参照としています。

このような集計のことをクロス集計と言います。エクセルではピポットテーブルを使うことで、簡単な操作で、色々な値をクロス集計をとることができます。

countif関数を使ったアンケートの集計例です。

20人分のデータを集計しています。下左図のデータ表の黄色セルは、回答が無い空白セルです。このように回答にはデータが無い場合に空白するか「0」にするなどの方法があります。ここでは、空白にし、条件付き書式を設定し(範囲内のセルの値が空白「””」の同じ場合にセルを黄色に塗潰す)、回答無しを分かりやすくしています。下中図が集計部分です。アンケート集計では、集計表を見てもすぐに状況を理解しにいくため、グラフ化することが一般的です。下右図が集計結果のグラフです。これで、①②ではそう思う回答が多く、③ではそう思わない回答が多くなっていることが一目瞭然にわかります。

練習用ファイル

右ボタンクリックしてダウンロードして下ださい。

・Countif関数は、上部の図と同じ結果になるか確認してください。

・アンケートは、集計に計算式を入れるとグラフが表示されます。条件付き書式を設定していますので、ホームの条件付き書式のルールの管理で設定を見ることができます。グラフを消して、最初からグラフを作る練習をされてはと思います。

エクセルのいろいろな技 (2022年7月)

エクセルを活用するいろいろな技を私の経験で学んだものを掲載していきます。

郵便番号変換で住所録作成

日本語入力環境がMicrosoft IME を使うと郵便番号を入れて変換すると住所が入力できます。左図のように郵便番号を「-」ハイフォンで区切って入力し、変換すると右図のように住所候補が表示され、選択することで、府市町名までが入力できます。

そして、これで入力した郵便番号はエクセルの「振り仮名」として保持されています。住所のセルを選択し、メニュー「ホーム」の振り仮名マーク下図赤丸)の「ふりがなを表示」をクリックするとセル内に表示されます。

「振り仮名」として保持されている事を利用して、郵便番号を別セルに取り出すことができます。下図では、住所をA列からB列に移動させ、A列に郵便番号を取り出します。情報関数の「PHONETIC」関数を使います。=PHONETIC(B1)で、B1セルの郵便番号が取り出せます。

この状態では、郵便番号が全角文字のため、通常は半角が望ましいので、文字列操作関数「ASC」を使って半角に変換します。=ASC(PHONETIC(B1)で半角に変換できます。

住所録などに活用できます。

フラッシュフィル

連続数字の入力に使うオートフィルのオプションにある機能です。

数値1を入力し、フィルハンドルでコピーした時最後のセルの右下出るフィルハンドルのオプションの一つです。連続データとすることで、1~10など連続入力が簡単にする機能でよく使われています。

セルの右下にカーソルを当て「+」

右図のようなメールアドレスのリストの場合、アドレスプリフィックス部分と@以下のサフィックス部分に分ける方法として利用できます。

アドレスの横列(この場合B列)の1行目にA列の「iiduka@example.com」のプリフィックス部分「iiduka」を入力し「Ctrl+エンター」で確定させます。次に、このB1のセルをフィルハンドルで下へコピーします。ここでフィルハンドルのオプションを表示させると「フラッシュフィル」が選択できます。選択すると「iiduka」となっていたものが、それぞれの行のアドレスのプリフィックス名に変わりました。

このように、フラッシュフィルは、データに規則性がある場合に有効です。

この例を他の方法で行うとすると、「データ」→「カンマやタブ・・・」→「区切り文字」を「その他」として「@」とすることで分ける方法があります。また、関数「@」前後の指定をして切り出す方法などありますが、フラッシュフィルを使うと簡単にできます。

検索と置換の小技

沢山のデータがある場合は、検索・置換はよく使う操作になります。

検索ctrl+Fは、ウェブ検索時などパソコン操作に有効です。

これに対して、置換ctrl+Hは、エクセルやワードなどオフィスソフトでよく使われます。「?」と「*」のワイルドカードを使って任意の文字などの置換ができます。置換文字列に「*」とすると全が置換対象になります

この?」と「*」のワイルドカードがある文字列でワイルドカード文字だけを削除する方法は、チルダー「~」を使います。「~*」で「*」を文字列として扱うことができます。