END5:ユメの孤救
END5:ユメの孤救
神の子と友だちになり、ユメが死んでいる/解放されたがっているという真実を伝え、ユメを開放するENDです。
この物語の唯一みんなが救われるハッピーエンドとなります。
探索者:生還(後遺症なし)
NPC:生還
ユメ:永遠の夢から解放される
神の子:永遠の夢から解放される
まず何よりも大事な前提条件として「探索者/PL」が神の子と友達になる、があります。
これはPLが「友だちになって」などと誘導してはいけません。
キーワードとして出すくらいならOKですけど、露骨なのはダメです。
先にユメのことを伝えた場合
・彼女はもう死んでいる
・ここから解放されたいと望んでいる
「ユメはボクのことがキライになっちゃったの……?」
「もう『友だち』じゃないのかな……?
だって、ボクにはその声が聞こえないんだ。
ずっとここで待ってるのに、いっかいも聞こえなかった……。」
「わかんない、わかんないよ……。ボク、なにを間違えちゃったの……?」
「ボクはユメが好き。
どうしたらユメが『好き』をしてくれるかいっぱい考えたのに……。」
「ごめん、ごめんね、ユメ。
ボク、またひとりぼっちになっちゃった……。」
そう言ってひとりぼっちの化け物はポロポロと涙をこぼしはじめました。
神の子を電話の元へ連れて行くことはできません。
彼がいれるのはこの白い空間の中だけなので。
・神の子と友だちになると公言した
・ユメの真実&望みを伝えた
この誰にでもできるけれど、高難易度の項目をクリアしたレアなPLさん。
おめでとうございます!ハッピーエンドの道が開きましたよ〜!
「ユメが望んでるんだね……。
わかった……。ボク、ユメのお願いを叶える。
だって、『友だち』だから……!」
あなたたちが少女に絡まる根っこを排除する。
すると、綺麗に輝いていた虹色はその色を止めた。
途端にあなたたちの感覚が一気に戻ってきた。
匂いが、音が、色が、感触が
彼女に渡したものが返ってきたのだ。
根っこから解放された少女は瞬く間に白くなっていく。
「ユメー!ユメー!!
うわああぁぁぁん!
今まで……ありがとう……。
ボクの……だいじな……お友だち……。」
「……ねぇ、みんな
夢の世界に帰っちゃうならさ、ボクも連れて行ってくれないかな。」
「……ここはね、お父さんがボクのために創ってくれた場所なの。
ボクはここも、お父さんも好き。
でもね、ユメが教えてくれた外の世界を見てみたいって思ったんだ。」
神の子はそっと、頭につけていたヒナゲシの冠を取りました。
「ユメが伝えてくれたものを、ちゃんと知りたいんだ。
ダメ……かな……?」
ボクはここも、お父さんも好き。
でもね、ユメが教えてくれた外の世界を見てみたいって思ったんだ。」
いいよ。
君はこの永遠の世界から抜け出して色んなことを知っていくんだ。教えてもらうんだ。
作者はね、君のことを愛しているよ。いってらっしゃい。
「じゃあ、もう一回見せて。
君のだいじな『夢の世界』を。」
あなたたちは目を覚ました。
そこは光が差し込む病室の一角。
今までのまるで夢のような出来事をゆっくりと思い出す。
もうここは夢ではない。
例え自分のいる場所が、誰かに作られたフィクションなのだとしても
それが探索者にとっての現実。
窓の外に広がる空は眩しく、まるであなたを見送っているかのように虹の橋がかかっていました。
探索者がまっすぐな瞳を向ける。
それは果たして窓の向こう側なのか、画面の向こう側なのか。
と、隣で物音が聞こえた。
覗いてみるとそこには確かにあなたのよく知る、大切な大切なあの人が眠っていました。
大切な人がそこにいる。小さく、けれど確かに呼吸している。
あなたの目から涙がこぼれ落ちた。
「生きてる…。生きてる…!生きてる!」
それから数週間後、あなたと大切な人は無事に退院した。
久しぶりに見る清々しい青空を見上げて大切な人はこう言いました。
「どうしてか分かんないんだけどね、全部がすごく新鮮に感じるんだ。
この木々の匂いも、車や鳥の音も、青空の青さも、風の涼しい感覚も。
今まで病室にいて外に出られなかったからかな。
なんか、まるで初めて感じるみたいで……」
そう言いながら大切な人はあなたに優しく微笑みかける。
その瞳が一瞬あの虹色に輝いたようにあなたには見えました。
これにてユメノコキュウ
END5:ユメの孤救
は終了です。お疲れ様でした!
大切な人は確実に死んでいたのですが、神の子の体をもらって生き返りました。
神の子は4人に体を分裂した形になるため、彼の意思はハッキリと残ってはいないでしょう。
けれど、「大切な思い」「好奇心」などは引き継がれていると思います。
キャラクターは後遺症なしで生還です。
NPCも神の子の体をもらえたので、生還となります。
HP回復:全回復
SAN値回復:PLの好きな値分
こちらで用意したNPCである、ユメと神の子を二人とも解放してくれてありがとうございます。
この物語はそっちの二人を開放するか、こちらの二人を開放するかでしか終わりを迎えられません。
形は多少違えど、作者はリアルで約11年神の子の終わりを用意してあげられず、閉じ込めてしまっていました。
作品は「終わり」を与えて初めて「作品」となれます。
今まで中途半端につくって、投げ出して、忘れていてごめんよ。
何度も何度も違う形で引っ張っておいて、全部完成できなくてごめんよ。
ありがとう、君たちのおかげでやっと……やっと「作品」として終わらせてあげることができた。
私の「夢」は今やっと「呼吸」を終えれました。
これが私の作品に対する最大限の愛です。