END1:夢の呼吸
END1:夢の呼吸
探索者にとっての大切な人、すなわち【NPC】を殺して、現実世界へ戻るENDです。
PLにとっての【夢=探索者】を救う終わり方となります。
探索者:生還(後遺症あり)
NPC:死亡
ユメ:解放されず目覚めてしまう
神の子:そのまま永遠の世界で生き続ける
あなたたちは選んだ。
あなたたちにとって大切な存在である『あの人』を殺して、辛い現実に帰るという選択を。
ユメの電話ボックスから相手のいる場所へ繋がります。
あなたは【探索者】に受話器を取らせた。
ほどなくしてその声は聞こえてきた。
「もしもし、探索者?」
目を開けるとそこは……
殺す場所は探索者にとって【一番安心できる場所】です。
最初の質問を参考にセッティングしてください。
ちなみにこの場面はユメも見ているため、感覚は戻っています。(共有してる)
あなたの前には、後ろ向きで【何か】をしている【NPC】がいました。
その安心感すら感じる背中からは、うっすらと虹色に輝く根っこが伸びていました。
伸びた根っこは途中で透明になって消えているイメージです。
直接触れることはできません。神の子からもらった武器で初めて破壊できます。
「ねぇ、どうかなこれ。」
「なぁ、どうだ?これ」
【NPC】があなたに向かって語りかける。
「ど、どうしたの! そんなに泣いて……
何か辛いことあった? …………あれ。」
「お、おい!どうしたんだよ。何か悲しいことでもあったのか?
……ん?」
「それ何? おもちゃ?」
「なんだそれ。変わった形してるな。」
【探索者】はPLに無理やりやりたくないことをされて泣いています。可哀想ですね。
【NPC】が【探索者】に怪訝な表情を向ける。
「ね、ねぇ……どうしたの? なんで何も言ってくれないの?」
「泣いてばっかじゃ分かんないって。ほら、何があったか話してみろよ。」
【探索者】自身の声を届けることはできませんが、代わりにPLが自ら【NPC】に話すことができます。自分の生み出したキャラと向き合って説得を試みよう!
探索者の不定の狂気が解けてしまっていた場合、探索者の様子が突然おかしくなったと思い、【NPC】は信じてくれません。
「やめて!お願い、正気に戻って!」
「あなたはそんなことする人じゃない!」
そしてPLの声を聞き、「あなたが【探索者】にこんなことをさせてるの!?」と怒りをぶつけます。
辛いですね。
探索者の不定の狂気が解けていなかった場合、おかしくなった探索者の様子を見て【NPC】は全てを信じてくれます。
ここが本物ではない偽物の世界であること、自分は既に死んだということ、探索者もとい自分を生み出したPLが探索者を現実の世界に返したがっていること。
全て分かった上で、自分が殺されることを受け入れてくれます。
「そう……なんだ。
そういえば【探索者】、【不定の狂気内容】してたり、おかしかったもんね。
……そっかぁ。私、ずっと【探索者】に守ってもらってたんだね。
だってその時の嫌なこと全然思い出せないんだもん!」
「……もう死んじゃったなら仕方ないよね。
【PL】さんも、教えてくれてありがとう。」
「! この虹色の紐……。そっか、これがあなたが言ってた『結び目』なんだね。」
「何でだろう……これでお別れだって分かってるのに全く怖くないや。
それどころか『良かった』って感じてる……。」
「きっと、前の私はすごく後悔しながら終わっていったのかな……。
だとしたら、あなたの顔を見ながら終われるのが嬉しい。」
「あのね、最後にいいかな。
例え私の人生が短かったんだとしても、私はあなたと会えて良かった。
すごくすごく幸せだったから!」
「…………。わかった。だからもう泣くな。」
「俺、きっとお前に守ってもらってたんだな。
はは、何があったのか全く思い出せないんだけどさ、でもこいつの顔を見たら嘘じゃないって分かるんだ。」
「それに【探索者】、確かに【不定の狂気内容】になってたりしたし、色々おかしかったよな。」
「……そっか、死んでたんだな俺。全然気づかなかった。
【PL】…だっけ? ちゃんと教えてくれてありがとう。」
「! この虹色の紐……。今見えたよ。これが『結び目』なんだな。」
「……何でかな。これから消えるって分かってるのにさ、怖くないんだ。一回死んだからかな。」
「きっと俺、最初に死んだ時、不安で苦しい中で死んだんだろうな。
だからさ、お前に思われながら消えれることがむしろ嬉しく感じるんだ。」
「……最後にいいか?
例え俺の人生が短かったんだとしても、俺……お前と出会えて良かった。
だってすごくすごく幸せだったから!」
あなたの握った【武器】が【NPC】の背中から伸びる根っこを切り離した。
その瞬間、【NPC】の体が眩く光り、複数の光の粒子となった。
キラキラ光るその粒子はほどけ、空に吸い込まれていく。
「【探索者】……愛してる!」
終わると分かっていて、最後にハッキリと「愛してる」とそれだけ言ってもらう場面は何度見ても泣いちゃいます。引用元というか、影響を受けたのは作者が一番好きな漫画「江の島ワイキキ食堂」9巻からです。
過去の愛に閉じこもるか、その先の未来を選ぶかの影響は間違いなくワイキキ食堂のオードリーとカタバミからですね。作者としてキャラを綺麗に終わらせるのが最大の優しさだと思い始めたのもこの漫画からです。
ねこぱんちにあるまじき過去話の重たさと永遠の命、猫と飼い主と神様たちの愛おしい日常が詰め込まれた作品ですので、気になった方は是非読んでもらいたいです。
「……さようなら、違う世界の魂さん。
どうか、お元気で。」
あなたたちは目を覚ました。
そこは光が差し込む病室の一角。
今までのまるで夢のような出来事をゆっくりと思い出す。
もうここは夢ではない。
例え自分のいる場所が、誰かに作られたフィクションなのだとしても
それが探索者にとっての現実。
窓の外に広がる空は眩しく、まるであなたを見送っているかのように虹の橋がかかっていました。
探索者がまっすぐな瞳を向ける。
それは果たして窓の向こう側なのか、画面の向こう側なのか。
一つの夢が呼吸を終えた。
けれど、まだこの夢は呼吸している。
確かに、生きている。
これからの人生はを決めていくのは、”あなた”自身だ。
これにてユメノコキュウ
END1:夢の呼吸
は終了です。お疲れ様でした。
報酬&後遺症
・HP:全治 1d100日
・SAN値回復:PLの好きな値
・後遺症:ユメを解放できなかったため、夢の世界の障害を引き継ぎます。
HO1:嗅覚/味覚を使用する技能が使えません
HO2:聴力を活用する技能が使えません(他の人間との会話はできます)
HO3:色を活用する技能が使えません(視界がずっとモノクロ:目星−10)
HO4:触覚でわかる技能が使えません(日常生活は送れます)