様々な検索方法を活用し、目的に合った検索式を作りましょう。
ある単語の全ての語形を調べたい時には必ずレマ検索をしましょう。レマは全ての語形を集約した基本形のこと。辞書の見出し語と同義です。レマ検索には以下の二つの方法があります。
文字を全て大文字にする(e.g. DISCUSS)
単語を[ ]で囲う(e.g. [discuss])
※語形が変わらない冠詞や前置詞などの機能語(e.g. the, in, he)はレマ検索する必要はありません。
DISCUSSと検索すると、基本形のdiscussのみならず、-ed形、-ing形、3単現形が検索結果に表示されます。
任意の文字を含む文字列を検索したい場合にはワイルドカード検索が便利です。
*: 0文字以上の任意の文字列
?: 任意の1文字
「*ism」と検索すると、接尾辞-ismを持つ様々な単語が検索結果に表示されます。
「un*able」と検索すると、接頭辞un-と接尾辞-ableを持つ様々な単語が検索結果に表示されます。*は0文字以上の任意の文字列を表すので、unableもヒットしています。
「s?ng」と検索すると、「s+任意の1文字+ng」から成る単語が検索結果に表示されます。
発展:COHAなどの通時的変遷を調べられるコーパスを使うと、接辞の生産性の変遷についても調べられます。「e-*」という検索式を使うと、接頭辞e-の使用頻度の変遷がわかります。
品詞タグ(POS tag)を使うと、特定の品詞を持つ単語を調べることができます。コロケーションを知りたい時に特に役立ちます(e.g. ある動詞と相性のよい副詞を調べたり、ある名詞と相性のよい形容詞を調べたりしたい時など)。以下、検索の手順です。
① POSをクリック
② 品詞タグが選択できるようになります。
③ 主要な品詞タグは以下の通り。
noun.ALL:NOUN(名詞)
verb.ALL:VERB(動詞)
adj.ALL:ADJ(形容詞)
adv.ALL:ADV(副詞)
その他の品詞タグについては以下の表を確認してください。
「ADV APPRECIATE」と検索すると、副詞とappreciateの全語形の組み合わせが検索結果に表示されます。10位と11位からわかる通り、appreciateの語形は区別されています。
発展:様々な語形を基本形にまとめて検索結果を表示したい場合は、OptionsからGROUP BYのプルダウンメニューをクリックし、LEMMASを選択してから検索してください。
「gorgeous NOUN」と検索すると、gorgeousと名詞の組み合わせが検索結果に表示されます。
発展:COHAのList機能を使い「gorgeous NOUN」と検索すると、gorgeousと共起する名詞のリストが表示されます(検索時にはSectionsに☑を入れる)。共起語の変遷はgorgeousの新語義の発達を示唆しています。「コーパスで探る英語の英米差―― 基礎編 ――」、「コーパスで探る英語の英米差―― 実践編 ――」も参照。
単語の直後に_vv(動詞), _nn(名詞), _j(形容詞), _r(副詞)等の品詞指定タグをつけることで、ある特定の品詞で使われている用例を調べることができます。複数の品詞で使われうる語を調べる際に役立ちます。
BOOK_n (名詞のbookの全語形)→ book, books
BOOK_v(動詞のbookの全語形)→ book, booked, booking, books
HIGH_j (形容詞のhighの全語形)→ high, higher, highest
(※単語とのスペースを空けずにタグをつける)
「BOOK_n」 と検索すると、名詞のbookの全語形が検索結果に表示されます。
「BOOK_v」と検索すると、動詞のbookの全語形が検索結果に表示されます。
ある特定の単語の類義語を調べることもできます。「=」の後に類義語を調べたい単語を入力してください。
「=great」と検索した結果です。
「=MEETING」と検索した結果です。レマ検索と組み合わせることで、ある単語の類義語の全語形(e.g. 名詞の複数形、動詞の過去形)を調べることができます。