第18回アーデル音楽講座「西洋音楽の参照点(Ⅱ)~作曲家及び演奏家の視点からのアプローチ~」が4月20日、大阪歴史博物館4階講堂で開講しました。この日のテーマは「心を彩るラーガの響き~北インド古典音楽の旋律とリズム~」。講師は大阪教育大学特任教授の中務晴之先生。演奏は、田中峰彦さん(シタール)、田中りこさん(タブラ)にお願いしました。会場にはエキゾチックなシタール、タブラの音色が響き渡り、受講生の皆さんは北インドの軽快かつ憂いを帯びた音楽を楽しみました。
この日は、第1部「インド音楽…シタールとタブラによる演奏」と題して、ベンガル地方の民謡や北インド古典音楽、マハトマ・ガンディーの愛唱歌としても知られる「ラグパティ Raghupati」。第2部では「東西の融合…フルート+シタール+タブラによる演奏」と題して、楽園の彼方に、上 下 左 右、Road、そしてパルミラ、かげろうの囁く頃を演奏していただきました。アンコールではビートルズの「ノルウェーの森」「カムトゥゲザー」を演奏していただきました。(2023.4.20.)
第18回アーデル音楽講座の2回目の講座が5月18日午前、「作曲家の役割について」と題して開かれました。講師は、今回初めてご担当いただく大阪教育大学教授の北川文雄先生です。北川先生には、作曲家の役割について、「音楽作品の創作と普及」「メソッド、教則本、理論書の開発」「モニュメントとしての音楽作品の提供」「世界の「音の風景」の設計」という観点からお話しをいただき、内尾恵美さんにピアノを演奏していただきました。(2023.5.18.)
K.1a,b,c、K.2/K.331ピアノソナタ第11番より第3楽章「トルコ行進曲」
「<誕生>~ピアノ独奏の為に~」(作曲 北川文雄1994/2021改訂)
春季アーデル音楽講座の第3回講座が6月15日午前、「ドイツリートの世界~作曲家で辿るドイツ歌曲の魅力~《グスタフ・マーラーの世界》」をテーマに開かれました。講師は大阪教育大学特任教授の中務晴之先生。歌曲はソプラノ歌手の藤田碧さん。ピアノ演奏は佐藤光晴 さんにお願いしました。
グスタフ・マーラーと妻アルマについてお話しいただいたあと、藤田碧さんには「リュッケルトの詩による 5 つの歌曲」「さすらう若人の歌 」を歌っていただきました。会場内にはドイツリートの輝きがあふれ、マーラーの内面にまで入り込む熱唱に受講生の皆さんは圧倒されていました。(2023.6.15.)
<本日のプログラム>
「リュッケルトの詩による 5 つの歌曲」
Ich atmet' einen linden Duft 私はほのかな香りをかいだ/Liebst du um Schönheitあなたが美しさゆえに愛するのなら/Blicke mir nicht in die Lieder 私の歌の中まで覗きこまないで
「さすらう若人の歌」
Wenn mein Schatz Hochzeit macht ぼくの好きだった人が結婚式をあげるとき/Ging heut morgen übers Feld 今日の朝、野原をゆくと/Ich hab' ein glühend Messer ぼくは赤く焼けたナイフを持っている/Die zwei blauen Augen ぼくの好きだった人の二つの青い瞳
春季アーデル音楽講座の第4回講座が7月20日午前、ソプラノ歌手・松岡リマッハー由佳さんをお招きし「『オペラアリアの世界』~様々な国への旅立ち~」と題して開かれました。講師の山畑誠先生(大阪教育大学准教授)にはピアノ伴奏もしていただきました。
梅雨があけたこの日、会場内はスイス帰りという松岡さんが歌うオペラアリアの世界に満ち溢れ、受講生の皆さんもヨーロッパの空気感を肌で感じるプロの声量感に酔いしれました。松岡さんにはアンコールに応えて、ラフマニノフの歌曲「ライラック」と「美しき人、もう歌わないで」を歌っていただきました。(2023.7.20.)
<本日のプログラム>
1.アントニン・ドヴォルザーク作曲 オペラ「ルサルカ」より『月に寄せる歌』
2.ギュスターヴ・シャルパンティエ作曲 オペラ「ルイーズ」より『その日から』
3.ジャコモ・プッチーニ作曲 オペラ「ジャンニ・スキッキ」より『私のお父ちゃん』
4.ミハイル・イヴァーノヴィチ・グリンカ作曲 オペラ「ルスランとリュドミラ」より『ああ、私の苦い運命』
5.エーリヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト作曲 オペラ「死の都」より『マリエッタの唄』
春季アーデル音楽講座の第5回講座が8月17日午前、「情熱のピアノ~ベートーヴェン、リストを中心に~」と題して開かれました。ピアノ演奏は、講師の山畑誠先生(大阪教育大学准教授)、学生の霜出結菜さん、高橋凛さん、堤瑞さんにお願いしました。山畑先生はコンサートを控え、また学生さんたちもコンクールを間近に控えて、まさに決戦に臨む熱のこもった演奏をしていただきました。会場内には情熱の嵐が充満し、受講生の皆さんも存分に楽しんでいただけた講座でした。(2023.8.17.)
<本日のプログラム>
J.S.バッハ(1685年-1750年、ドイツ)
パルティータ 第2番 ハ短調 BWV826
L.v.ベートーヴェン(1770年-1827年、ドイツ)
ピアノソナタ 第23番 ヘ短調 作品57 「熱情」
F.リスト(1811年-1886年、ハンガリー) C.グノー(1818年- 1893年、フランス)
歌劇 「ファウスト」のワルツ
H・デュティユー(1916年-2013年、フランス)
ピアノソナタより 第3楽章 「コラールと変奏」
A・ヒナステラ(1916年-1983年、アルゼンチン)
ピアノソナタ 第1番 Op.22より 第1、3,4楽章
「西洋音楽の参照点(Ⅱ)~作曲家及び演奏家の視点からのアプローチ~」と銘打った第18回アーデル音楽講座の春季最終講座が9月21日に開かれました。講師は大阪教育大学教授の北川文雄先生。ピアノ伴奏は藤井智文さんにお願いしました。
この日のテーマは「楽曲分析の基礎~音楽はモティ-フから~」。音楽の楽しみ方、楽曲分析、モティーフの視点から、基本的な作法をピアノ演奏を交えて受講生の皆さんに分かりやすくお話ししていただきました。(2023.9.21.)
<本日のプログラム>
F.メンデルスゾーン「無言歌集」より Op.62-6 ”春の歌“
F.メンデルスゾーン「無言歌集」より Op.38-6 “二重唱”
北川文雄 「2023・09・21 のモティーフによるソナチネの実例
最後にアンコールに応えて藤井智文さん編曲による「里の秋」を演奏していただきました。