ヘアー(Hair)

ヘアーカーブ( Hair Curve )


ヘアーカーブとは 今までヘアーパーティクルという機能を使っていたものの改良版でblender 3.3 から追加されたものです

version 3.5 から専用ノードが追加され かなり編集しやすくなっています


ヘアーカーブ作成のための設定の手順

1.

かみの毛を作り始める場合は 頭皮に当たる部分のメッシュに「空のヘアー」というものを追加する所から始めます

頭皮もしくは髪の毛を生やしたいメッシュのオブジェクトを選択した状態で下図のように「空のヘアー」を追加します

※注意 通常は追加が出来たらどんどん編集し始めることが出来るのですが 「カーブ」の表示がグレーというか半透明の様になっていたら正しくカーブの追加をする事が出来ていません

下図のように アーマチュア(metarig)の中のメッシュ(0010eyebrow)にヘアーカーブを追加しようとしたら別の場所(①の所)に実体があって眉毛のメッシュの中の表示は半透明になっています こうなっていると編集できませんので 緑の矢印のようにマウスでドラッグしてメッシュの中に実体を移動させましょう ※これバグですね

2.

次にやる事は 頭皮をUV展開しておきます これをやらなくても問題ない場合もあるのでスキップしてもいいですが

毛の生え方に違和感がある場合は この手順を思い返してください

UV展開は 適当にシームをつけて領域を分けた状態で「UV展開」を実行するだけで 細かい編集は必要ありません ただし 下図のように

テクスチャんに対して かなり大きくUVを張りましょう 下図の場合白い四角の部分がテクスチャです テクスチャは仮ですので何でもいいです

実際にテクスチャを張る必要はありません 典型的な正方形テクスチャに対して大きめに張るだけです 

3.

事前にカーブの表示方法を設定します 「レンダープロパティ」→「カーブ」の項目に下図のように「ストランド」「ストリップ」という2択があります

ので 「ストリップ」を選択しておきます 「ストランド」にするとカーブの表示が立体感の無いライン表示になります 多少表示が速いとか

メリットがあるかもしれませんが 特に理由がなければ「ストリップ」にしておくのがいいでしょう この設定の効果はヘアーパーティクルと共通です

「さらに細分化」の項目の値は 3にするとカーブの曲線が滑らかになります

※さらに細分化を1にしても ストランド表示にしてもすごく高速になるというメリットは無いようです

ストリップ

ストランド

4.

基本的な毛の房の形状をジオメトリノードで作ります

汎用的な毛の房を準備する事で 少ないカーブで髪の毛全体を作れるのが便利なポイントです

ジオメトリノード(GeometryNode)を開くと デフォルトで下図のようになっているはずです

各ノード毎の説明

(日本語化が少しずつしかされってないのでメニューは日本語でジオメトリエディタ上ではアルファベットです※分かりにくいことこの上ない)

ヘアーカーブ断面設定「Set Hair Curve Profile」

最初にカーブ1本の太さを決めます 根元と先端の太さを変えられます

ヘアーカーブ複製「Duplicate Hair Curves」

1本のカーブから何本か複製を生やします ヘアーパーティクルの子と同じ役目です 毛を1本1本生やしてカーブの形を整える手間を減らせます

集結ヘアーカーブ「Clump Hair Curves」

複製された子の毛の分布の半径を先端と根元で変化させることができます

係数:強く収束させるか弱くするか調整はこの値でやる

シェイプ:マイナスだと先端の方の プラス程 根元の方の 収束具合が変化させられる設定するのは-1か0か1でいい

先端の広がり:根元よりも先端を大きく広げたい場合数字を入れます

その他のパラメータは・・・謎

いろんな形の毛の房を紹介していきます

下図のカーブは5本です

下図はジオメトリノードの構成は同じですが 先端程細く ランダムに長さが異なる調整が大きめに入っています

下図は4本のカーブです ジオメトリノードの構成は同じですが 毛の細さや デュプリケートの範囲太さ 本数など

少しずつ調整したりして 房の大きさを調整する事で 編集しやすい形にします

いろいろな髪形を作るための特殊な形状のノードを紹介

これらの髪の毛は それぞれ1本のカーブで表現しています Duplicate Hair Curves で100~800本に複製するので カーブの編集が非常に楽になります

三つ編みやカールなど カーブで表現すると 制御点を20個 30個と大量に使用しないと作れないので この形にしたい場合は かなり楽が出来ます

バリエーションも4つくらい 使えそうなのがあるので組み合わせで かなり自分好みの髪形が作れそうです

Curl Hair Curves ノード

Curlノードを使った巻き髪

Braid Hair Curves ノード

三つ編み

Roll Hair Curves ノード

お団子を簡単に作る

Frizz Hair Curves ノード

くせ毛や縮れ毛

ヘアーパーティクル


ヘアーパーティクルは作業工程を詳しく説明しているサイトが少ないので 編集作業の分かりやすさ

重視で説明していきたいと思います

ヘアーパーティクルを始める前にやっておくこと

レンダープロパティ→ヘアーに「ストランド」と「ストリップ」という

選択があります(ストランドがデフォルトです ストランドは形状が線なので形が分かりにくい)

下図の様に「ストリップ」を選択しておきましょうヘアーパーティクルの形状

が立体的に表示されますので本当の形を常に確認しながら編集できます

ストランドの時の表示

ストリップにした時の表示

パーティクル編集の右サイドメニューの項目

 ・くし

  半径・・くしブラシの半径です

  強さ・・ヘアーの頂点キーがブラシに ついてくる強さ 通常は1.0のままで

      問題ありません

  エミッター遮蔽・・編集の序盤ではチェックをつけていてもかまいません

        これは髪の毛の頂点キーが毛の根元の面より下に行かない様に

        する機能です 1回でもこの機能が邪魔になって 根元の面より

        奥にキーを動かしたら それ以降1度でもこのチェックを入れると

        全ての頂点が一斉に頭皮より上に来てしまうので 1回でもオフで

        作業したら元には戻せないフラグです 作業の最初から最後

       (完成)までオンにしていて問題なかった場合は オンの方が作業

       しやすいでしょう

  X・・・左右対称に毛を生やしたり編集したい場合はチェック このフラグは

      毛の編集中ちょくちょくオン オフを切り替えます

  パスステップ・・・毛のカーブの表示の滑らかさ 数字が大きい程滑らか

  子・・・ヘアーの子を表示するかどうか このフラグは編集中頻繁にオン

      オフを切り替えるものです

  ワークスペース・・・通常 必要なければ触る事のないものばかりです

パーティクル編集のアクティブツール(左サイドメニュー)

  ボックス選択・・・使ってもいいですがあまり使いません

  カーソル・・・使ってもいいですがあまり使いません

  くし・・・もっとも使うツールです 毛のキーを動かすツールです

       基本的に1本ずつ編集します

  スムーズ・・・毛がグニャグニャになってしまった場合 なめらかになる?

  追加・・・もっとも使うツールです 頭皮から毛を生やします 生やす時の

       長さは変える事は出来ません

       生やす時のキーの数は右サイドメニューで設定できます

  長さ・・・毛を選択してキーを触ると延びます SHIFTを押しながらで

       短くなります

  パフ・・・毛が毛根に対して垂直になる?ほぼ使わない 必要がない

       (おそらく)

  カット・・よく使うツールです 通常は間違って生やした毛を根元から

       消すために使います 短くするときにも使いますが

       切るのは少しだけにしましょう

  ウェイト・・あまり使わない(良くしらない) 

毛の編集について

 パーティクル編集は毛の長さは基本的には変えられないものと考える方がいいです 長さを変えるにしても少しだけに

 しておくべきです それはなぜかというと まず 「追加」で毛を生やす時は毛の長さは一定で変更できません

 最初にパーティクルの初期化(編集を削除)をした時に長さが決定して 常にその長さになります

 そして カット(はさみ)や「長さ」ツールなどを使えば基本的には 長さを変えられるのですがキーの動きが

 かなりぎこちなくなります バラバラにキーの位置が近づいたり 毛のカーブが折れたようになって まっすぐに

 ならなくなったり不具合が多発します 印象としては毛を生やした(追加)瞬間の毛がまっすぐの時にカットするか

 延ばすかすれば キーがぎこちない動きにならない気がします 一旦くしで曲げた毛を 延ばしたり切ったりするのは

 危険です

 毛根部分(毛の生え際)を自然に見せるにはキーが多い方がいいのですがキーは均等に存在するので 頭頂部の毛は

 キーが10個ぐらい欲しくなります 全部の毛にキーが10個もあると トータルの編集作業量がとんでもなく増えるので

 7個ぐらい(それでも大変ですが)が程よいかと思います

パーティクルプロパティ(※すべての説明は大変なので重要な項目のみ)

「編集を削除」・・・一度でも編集を始めるとこの項目が現れます 編集を全部最初からやり直す時だけクリックする

「放射」の各項目・・・編集をし始める前段階のみ数字を変更できます 「数」「シード」は何でもいいです

           「ヘアー長」「セグメント」この数字は大事なので 最初にしっかりイメージして設定します

レンダー→エミッターを表示 (エミッター=毛の毛根ポリゴン)をレンダリングするかどうかのフラグ

             通常はオフにする

レンダー→パス→Bスプライン これは好みです おそらく(私はチェックしません)

レンダー→パス→ステップ   毛の滑らかさ 4以上がいいでしょう

ビューポート表示→ストランドステップ 毛の滑らかさ 4以上がいいでしょう

ビューポート表示→エミッターを表示 (エミッター=毛の毛根ポリゴン)を表示するかどうか(通常はオフでいいです)

子パーティクル→シンプル 基本的には子パーティクルはシンプルにして使用する事をお勧めします

子パーティクル→表示数  子の毛の本数(髪の毛の場合 私は40~80で使ってます まつ毛 眉毛は4~7)

子パーティクル→半径   子の毛の生える範囲

子パーティクル→丸み   1.0(好みですが1.0でいいと思います)

  ※子パーティクルのこれ以外の項目はほとんどの場合触らなくていい

ヘアー形状→毛根の直径  毛の根元の太さ 毛の1本の形を決める重要な値

ヘアー形状→先端     毛の先端の太さ 毛根より少し小さい値がいいでしょう 0にするのは間違いと思います

ヘアー形状→先端を閉じる  フラグは基本 チェックをする

 ※子の項目より下の項目も ほぼ触らなくて大丈夫