ファインバブル発生機の用途開発

ニーズから発した中小企業間の自発的ネットワーク産学連携

目的:高知高専が特許をもつファインバブルの技術の用途開発と社会への浸透

背景およびきっかけ

地域社会実装研究会にて、高知大学の石塚准教授より帝塚山大学菅教授に、ファインバブル発生機の医療・介護分野のシーズ紹介があった。当初、医療・介護業界で介護個浴やフロア・介護備品の洗浄、殺菌を当初考えたが、現状の少子高齢化社会による診療報酬・介護報酬に圧縮される環境の中で医療・介護の現場には、新しい技術への投資に取り組む企業は少なかった。そこで、中小企業間の情報ネットワークに視野を広げた結果、食品衛生・加工業において洗浄・殺菌のニーズがあることが明らかになり、BtoBで専門性が高い業界でのニーズ発掘を進めた。

取組概要

今回の取組みの目的は、高知高専が特許をもつファインバブルの技術の用途開発と社会への浸透である。

1000億円規模の第一次産業に、洗浄・殺菌の可能性があり、現在、高知のシーズ企業、関西の中小企業、大学、研究会メンバーがチームとなり、試験を進め実用化に向けて動いている。

成功にむかっている要因は、シーズが部品として製品化されており、また、部品を所持する企業が資源の限られた中小企業であるため、部品がオープンソースとして提供されていることにある。そのニーズ発掘に、中小企業間の自然発生的なネットワークが効果をもたらした。

中小企業の経営者が所属する組織である、中小企業家同友会、食品安全ネットワークが、このビジネスパートナーとなっているが、これらの組織に、「学」が主となる産学連携学会社会実装研究会がマッチングしたことが、前進するための大きな変革をもたらした。

この事例では、高知のシーズが、奈良の中小企業のネットワークの中で、遠隔地のマーケットを開拓し、そこで産学連携が発生することとなったと言える。

中小企業は、売上へ到達する距離の短い産学連携が、取り組みやすい。サービス事業を行っている中小企業において、売上が会社の収益に到達するパスがみえたことから、モチベーションの高いコーディネーターとして機能したことが、この事例の特徴である。

ビジネスパートナー

シーズ企業

株式会社 食の安全戦略研究所

株式会社イムテス

菅万希子(帝塚山大学)

石塚悟史(高知大学)

中井智洋(中井経営人材サポート)

猫西健太郎(猫西経営労務サポート)