前貝塚イトーピア自治会における大規模地震発生時の緊急対応方針について
【前提条件】
◆ 「大規模地震」とは震度6弱*以上とします。
* 震度6弱の地震とは、10段階の上から3番目の大きさであり、人が立っていることが難しくなるほどの揺れとなり、固定されていない家具が移動し、自動車の運転ができなくなるレベルです。木造住宅の耐震性が低い場合には、壁にひび割れがおきたり、瓦が落下したりし、建物によっては損壊するものや倒壊する場合もあります。
◆ 大規模地震発生時に、住民各位は「自助」*1を第一として取り組み、「自助」では対応できないものはご近所同士での「共助」*2で取り組み、自治会はその共助の要となるように動きます。行政機関による「公助」*3は、専門的な救命・救助や火災消火活動など、「自助」「共助」での対応の難しい部分をカバーする形になります。大規模地震発生時には、自助・共助・公助が互いに連携し一体となることで、被害を最小限にできるとともに、早期の復旧・復興につながります。
*1「自助」とは、家庭で日頃から災害に備えたり、災害時には事前に避難したりするなど、家族を含めて自分で自分の身の安全を守ること
*2「共助」とは、災害時の要援護者の避難に協力したり、地域の方々と消火活動を行うなど、ご近所同士で助け合うこと
*3「公助」とは、市町村や消防、警察、自衛隊などによる救助活動や支援物資の援助や、ライフライン各社を始めとする公共企業の応急対策の活動のこと
◆ 自治会理事は、消防署のような十分な訓練を受けた組織ではなく、メンバーは市外への通勤者、乳幼児や要介護者を抱えた人、身体能力が落ちている高齢者など、様々な人たちによって構成されています。したがって、自治会の震災対応には消防署のような機動力は期待できない点をお含みおき願います。
◆ 自治会では、2017年に防災部会規約を策定し、当年度理事と前年度理事全員、34名による組織体制で役割分担し、地震発生時の情報収集伝達、初期消火、救出救援、避難誘導などの応急対策を行うことにしていますので、それを前提といたします。ただし、これは1年ごとにメンバーが半分ずつ入れ替わり、防災訓練を含めて防災対策の知見を十分備えた組織体制ではありません。今後は、現行の自治会の組織体制とは別建ての自主防災組織(災害対策基本法(昭和 36年法律第 223 号)、「住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織」(法第 5 条第 2 項))の設立を検討する必要があります。
【自助・共助・公助についての基本的な考え方】
大規模地震による災害発生時には、道路・電気・ガス・水道などのライフラインが寸断されます。また、市や消防署、警察署等の公的な防災関係機関の職員も被災者となるので、発生直後の公的な防災関係機関の活動は著しく制限されます。活動体制ができたとしても、寸断された道路や停電による信号機の不能などによって交通渋滞が発生し、同時多発する火災への対応、救助・救護活動は著しく制限されます。
実際、1995年の阪神淡路大震災の被災地では、家屋の倒壊による生き埋めや建物に閉じ込められた人のうち、67%が自助(家族による救助を含む)で脱出し、31%が共助(友人・隣人による救助)で救出され、わずか2%が公助(救助隊)による救出に過ぎませんでした。(社団法人日本火災学会「兵庫県南部地震における火災に関する調査報告書」)
このように大災害発生直後、「自助」ではどうにもならない状態の際に、一刻も早く助け出すのは「公助」ではなく、近隣住民で助け合う「共助」が中心になります。消火活動も近隣住民が協力し早く始めるほど、そして、多くの人が参加するほど被害を小さく抑えることができます。「災害発生時には行政機関が何とかしてくれる…」という考えは捨て、まずは自分と家族を守り、「救助される人」でなく「救助する人」になる側に立てるようにすることが「共助」のベースとなります。
◆ 自助の取り組みのポイント
・非常持ち出しセットを用意
・非常食を準備(最低7日分の水や食料の備蓄など)
・ハザードマップ、避難ルートの確認
・避難訓練に参加
・家具の転倒防止対策
・住宅の耐震補強
◆ 共助の取り組みのポイント
・日頃近所付き合いのない人が、災害発生直後に地域住民と急に親しくなることは難しいものです。日頃から地域住民が互いに顔見知りとなり、支え合える風土を作り出すため、以下のような活動が求められます。
・各種イベントの開催(地域住民同士が相互に顔見知りになる機会の提供)
・あいさつ運動などの実施
・防災意識の啓発活動の実施
・災害発生時の役割分担の明確化(災害時に誰が何をするのか、誰が誰をサポートするのかなど、すべての住民が地域全体のためにやるべきことがあるという意識を持つこと)
普段の取り組み例
・防災に対する心構えの啓発(研修会への参加など)
・災害発生の未然防止のための地域活動(地域の巡回など)
・災害発生に備えて地域を知るための活動(避難場所等の把握など)
・災害発生時の活動を習得するための活動(消火、避難訓練など)
・災害発生時の活動に備えるための活動(機材や備蓄品の管理など)
災害時の取り組み例
・情報収集伝達活動(救援情報の伝達など)
・初期消火活動(消火器による消火活動など)
・避難誘導活動(安否確認や介護が必要な人への援助など)
・救出救護活動(負傷者の救護など)
・給食給水活動(救援物資の避難所への運搬・分配など)
◆ 公助(国、市町村、自衛隊、消防署、警察署など)の取り組みのポイント
普段の取り組み例
・各種防災ガイドラインの発行、周知
・避難所の指定
・公園などの一時避難場所の整備
・防災備蓄品の整備、地域防災倉庫の設置
・建物の耐震化工事に対する助成金の支給
・災害情報(ハザードマップなど)の周知・徹底
災害発生時の取り組み例
・対策本部の設置、指揮
・救助活動
・避難所開設
・救援物資の支給
・仮設住宅の建設
【大規模地震発生時の緊急対応方針(暫定版)】
1 大規模地震発生時、自治会に安否確認を希望する住民(一人暮らしの高齢者、身体障害者など)は、自治会と緊急連絡ができるように、自治会に氏名、性別、年齢、住所、電話番号、要配慮事項の事前登録をお願いします。自治会は、緊急安否確認者リストを作成し、会長と震災対策責任者のみが保管します。
2 自治会理事は、各自の家の安全が確認できた段階で、以下のように対応します。
(1)現・旧の会長および副会長は、自治会館へ集合し「緊急対応本部」を立ち上げます。自治会館まで行く道すがら、地区内の被害状況について確認し、今後の対応、段取りについて協議します。また、地区住民や行政などからの電話やメールなどでの問い合わせや要請などに応対します。さらに、自治会の公開型ホームページ(https://sites.google.com/view/maekaizuka-itopia-2021-publc)を利用し、被害状況や安否確認情報、救援物資の要請などの情報発信を行います。
(2)各現・旧理事は、1の「大規模な地震発生時の緊急安否確認者リスト」から担当の要安否確認者に連絡し、無事であるかどうか、助けを必要とすることはないかを確認し、緊急対応本部にメールします。メールが使えない状態の場合には電話を使うか、自治会館まで足を運びます。
(3)各現・旧理事は、救援・救護を要する要安否確認者が消防署などへ連絡が難しい状態の場合は、それを代行します。一刻を争う状態の場合には近くの理事や住民とともに救援・救護を行います。ただし、二次災害を避けるために、必ず緊急対応本部に相談した上での行動を必須とします。
4 大規模な地震発生によって地区内で火災が発生した場合、近所の住民は周辺状況を確認し、消防署とともに自治会の緊急対応本部へ伝達をお願いします。同本部はその情報を確認した上で公開型ホームページや掲示板に出します。
5 大規模な地震発生によって地区内のブロック塀が倒壊し、路上に散乱する可能性があります。その場合、救急車や消防車など緊急車両の通行の支障になりますので、当該住民は、その場所と倒壊状況について自治会の緊急対応本部へメールなどで連絡するとともに、倒壊現場の周辺住民に協力を求め、至急除去をお願いします。なお、半壊したブロック塀が余震によって倒壊する可能性もありますので、対応には十分気をつけてください。
6 大規模な地震によって倒壊した家屋、あるいは倒壊の恐れがある家屋の住民については、避難先が見つからない場合、緊急に避難場所として自治会館の大広間を一昼夜提供します。部屋の広さの関係で最大15人弱の収容になりますので、身体的な弱者を優先します。それ以外の方は、船橋啓明高校の校舎などの公共の耐震施設に一時避難し、自治会から調整役の理事を派遣し、高校の管理者や船橋市担当者、他の町内会・自治会関係者と協議します。また、倒壊した家屋、あるいは倒壊の恐れがある家屋の住民を一時避難の受け入れができる住民の家屋リストを作成し、受け入れ調整を行います。
大地震発生時に自治会に安否確認を希望する住民向け個人情報提供に関する承諾書(サンプル)
自治会員各位
〇〇〇〇年〇月〇日
〇〇〇〇年度自治会長
大地震発生時に自治会に安否確認を希望する住民(一人暮らしの高齢者、身体障害者など)は、自治会と緊急連絡ができるように、自治会に氏名、性別、年齢、住所、電話番号、要配慮事項を事前登録していただけますようお願いいたします。
つきましては、下記の4つの事項を踏まえ、個人情報のご提供についてご承諾いただけますようお願いいたします。
1. 自治会は、あなたの個人情報について「前貝塚イトーピア自治会 個人情報保護・取扱い方針」に基づき適正に管理します。
2. 自治会は、あなたの個人情報の使用について,大地震発生時の自治会緊急対応として安否確認と救援・救護活動のためにのみ使用します。
3. 自治会は、あなたの個人情報について、いかなる場合においても公的機関(行政、消防署、警察署)以外の第三者への提供は行いません。
4. 自治会は、あなたから個人情報の削除依頼があった場合には、すみやかに削除いたします。
以上、ご承諾の際は、下記の「個人情報の使用に係わる承諾書」に必要事項をご記入の上、自治会館の郵便受けに1〇〇月〇〇日(〇)までにご投函をよろしくお願いいたします。
―――――――――――――――――― きりとり ―――――――――――――――――
大規模地震発生時に自治会に安否確認を希望する場合の個人情報の使用に係わる承諾書
自治会が自分の個人情報として「氏名、性別、年齢、要配慮事項、住所、電話番号」を自分の安否確認のために使用することを承諾します。
年 月 日
前貝塚イトーピア自治会長 殿
氏名 前貝塚町 電話番号
男・女 才 要配慮事項
氏名 前貝塚町 電話番号
男・女 才 要配慮事項
氏名 前貝塚町 電話番号
男・女 才 要配慮事項