公園通りイチョウ並木は、前貝塚イトーピアの美しい街並みのイメージを高める貴重な存在ですが、秋の落葉期になると公園通り沿いの住民の皆さんが家の前の大量の落葉を1日に何度も清掃しています。イチョウの落葉は平べったい形状ですので、ざらつきのあるアスファルト舗装の表面に食い込んで箒で掃いても中々掃けない厄介なものであり、例年、清掃していただいている住民の皆さんには多大なご苦労をかけています。
一方、この落ち葉清掃経験のない周辺住民は、このイチョウ並木を神宮外苑の美しいイチョウ並木のようにして、落ち葉も含めて秋の風情を楽しみたいという声も少なくありません。
このイチョウ並木の問題については、以下の2つの側面があります。
①美しいイチョウ並木を形成したい
②イチョウ並木の落ち葉清掃の負担が大きいので軽減したい
できれば、①と②の両方を満足する案を作るのがベストですが、二律背反的な要素を持っています。つまり、美しいイチョウ並木にするにはできるだけ枝葉を切り落とさず、伸び伸びとした生長を促すのが望ましいのですが、そうすると、秋に落ち葉が大量に出て、それを清掃する住民の負担が増大します。また、電線と競合し、電線の維持管理上の障害にもなります。
したがって、以下のような方策を見出すことが課題になります。
● ある程度のイチョウ並木の美観を維持しながら、イチョウの落ち葉清掃の負担軽減を図る
イチョウ並木があることがイトーピアの地区イメージに快適感やゆとり感を生み、それが住みやすさとなり、地区全体の不動産価値の向上にもつながっているとすれば、これは公園通り沿いの住民だけの問題ではなく、地区全体の問題として捉えるべきものです。
歴代の理事会では、イチョウ並木の取り扱い問題について、以下のように繰り返し議題に取りあげられてきました。
🔵30年ほど前の検討
30年ほど前の理事会は、塚田駅の踏切からイトーピア入口までの線路沿いの坂道に大量のイチョウの落葉が落ちて、それによって路面が滑りやすくなって通行上の支障になっていることから、イチョウ並木の剪定と美観のあり方について船橋市担当課と協議しました。
この検討経緯は、イチョウ並木の剪定と落葉清掃問題の起点になる重要なものですが、資料が廃棄されており、詳しいことは不明です。
(この経緯をご存知の方、当該資料をお持ちの方は、ホームページ担当の支援スタッフへ情報提供をお願いします)
🔵2018年度の検討
2018年度理事会(管理・会計班)は、美しいイチョウ並木の復活という観点で全住民(世帯)に対して意向調査を実施しました。
その結果、「常緑樹への変更」と「街路樹は不要」が2件しか出ておらず、多くの住民がそれは望んでいないことは明らかになりました。
また、「落ち葉の清掃は業者に任せ、住民は行わない」という方針案に対して、賛成173件(58%)、不賛成89件(30%)、どちらともいえない・無回答35件(12%)となりました。
この結果を受けて船橋市生きがい福祉事業団に委託清掃をお願いする方式での費用を見積ったところ、「週2日、8週間実施」で約31万円、「週3日、8週間実施」で約47万円となりました。
これは、自治会運営予算費約100万円(本会計分、市の補助金除く)でみると、週2日の清掃が予算全体の約3割、週3日の清掃が約5割に当たり、自治会の他の活動予算にしわ寄せが生じてしまう結果となりました。
この結果が出た段階で年度末になり、次年度理事会への申し送り事項となりました。
(当該資料は廃棄されました。この経緯をご存知の方、当該資料をお持ちの方はホームページ担当の支援スタッフへ情報提供をお願いします)
🔵2021年度の検討
2021年3月下旬に実施した自治会運営に関する基礎調査において、イチョウ並木の落ち葉の清掃などの問題について様々な要望・意見が出されました。具体的には下記の通り「イチョウの落ち葉清掃が大変だ」という苦情が多く出される一方で、「秋にイチョウ並木の黄葉を楽しめるように剪定を抑えてほしい」という要望が出されました。2021年度理事会は、これは最も優先的に対応すべき事案として動きました。
(住民の主なイチョウ並木に対する意見)
家の前にイチョウの木があるため、落ち葉の清掃が大変で困ります。葉が路面に張り付き、ひどい時は日に何回も掃かないと門前やガレージが葉の山となります。現在はできるだけ清掃はしておりますが、歳とともに辛くなり腰痛を感じることもあります。市の枝下ろしをもっと早めに要請して頂きたいと思います。いつもほとんど葉が落ちてから枝下ろししています。また、当番制で清掃などの方策を講じていただきたい。
イチョウ並木の枯れ葉掃除、下草刈りに大変負担を感じております。どうか業者に依頼してくださるようご検討いただけないでしょうか。作業にも時間がかかり有料ゴミ袋の45リットルが何度もすぐに一杯になってしまう状況です。イチョウ並木は美しく、保全していくということが住民の皆さまのご意向であれば、住民皆さまが清掃に参加する仕組みを作るとか、清掃は自治会費をあて業者に依頼するなど何か今後手立てを考えていく必要があるかと思っています。清掃は公園通りの住民でお願いしますという現在の状況は是非とも改善していただきたいです。林の方の落ち葉も清掃が大変とうかがいましたので、それも併せて考えていければと思います。
イチョウ並木通りは高齢者の方が多く住んでおられるので、葉が落ちた時の掃除は大変で、お気の毒です。市の清掃もあるでしょうか。
イチョウの落ち葉の清掃、イチョウの木の下の除草に困っています。当番制で清掃とか何か方策を講じていただきたいと思います。
イチョウ並木について…公園通りを走る車の事故から歩行者を守ってくれるかもしれない。また、長い年月、生きてきてくれたイチョウの木の現状が幸せのように感じられないのです。電線と接触する問題を何とか解決して、自然に生息させる方法を模索していただきたいです。落ち葉の清掃は、短い期間のことですから、自治会員のボランティアを募集して対応できないでしょうか。
本地区内の落ち葉清掃問題については、他にも北公園や地区西端(林)もありますが、当年度内の時間的な制約から比較的要望が多く、範囲が広範になる公園通りイチョウ並木の落ち葉清掃問題に焦点を当て、2021年度理事会では、以下のような調査を実施しました。
①10月…イチョウ並木の落葉清掃の実態調査 : 調査票 調査結果
②10月…イチョウ並木の落葉清掃の実態調査(個別ヒアリング) : 調査結果
上記の一連の調査が終了し、強剪定モデル(下の写真)を採用する方向としました。しかし、公園通り西側住民の落ち葉清掃の負担軽減策を取りまとめるまでには至らずに年度末になり、次年度理事会への申し送り事項としました。
イチョウ並木の強剪定モデル
イチョウ並木の強剪定モデル
🔵2022年度の検討
2022年度理事会は、昨年度の調査結果を踏まえてイチョウ並木の落葉対策について再度アンケート調査を行い、検討しました。
・街路樹落葉対策の件(調査企画書)
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🔳 イチョウ並木落葉対策に関するアンケート結果報告書(2022年8月28日)
実施いたしましたアンケート結果について下記の通りご報告いたします。
住民の皆様より23件のアンケートを回収いたしました。
理事会案に賛成の方はアンケート提出を不要としておりましたため、本アンケート結果により理事会案である
●『落葉前(11月)の強剪定を市に依頼し、清掃負担を最小限にとどめる』
を採用させていただくことになりました。
今後、船橋市役所担当課と協議の上、現定の日程に関して改めてご報告させていただきます。
回収総数: 23件
1. 紅葉の景観を残す方法
a:ボランティアによる清掃(住民・学童/生徒)…2件
b:業者への清掃委託… 3件
2. 紅葉の景観を断念
a:落葉前に男定をし、限りなく落葉を少なくする。(市の委託による強勇定)…3件
b:伐採イ:代わりに常緑樹の植林…5件
c:植樹をせずに歩道の拡張… 8件
3. その他: 2件
住民の皆様より貴重なご意見を賜り、誠にありがとうございます。皆様よりいただいたご意見はデータ保管し、後続対応に活かしてまいります。