ヒメエゾボラ

Neptunea arthritica (Valenciennes, 1858)

レア度:いつでも見られる

形態:葛登支で最も大きい貝殻をもつ巻貝で,全長8㎝に達する。貝殻表面はのっぺりしているが、段差になっているすぐ下に1列、ごつごつした突起が並んでいる。3㎝程度までは、まるく膨らんだ胎殻をもっていて、帽子をかぶっているように見える。海中では貝殻は青白くみえる。生時、貝殻から黒い水管を出しているが、クロスジムシロなどと比べると大変短い。雄は体の右側に巨大なペニスをもつ。

生息域:北日本沿岸などに広く分布し、潮間帯から水深20mの砂礫底に生息する。葛登支では平磯に広く分布しているが、護岸壁付近にはあまりいない。

生態:肉食性であり、主に貝類を捕食する (Fujinaga & Nakao 1999)。葛登支ではヤマザンショウガイクボガイヌノメアサリなどが主食 (Yamakami & Wada 2021)。繁殖期は春から初夏。雌雄異体であり、交尾により体内受精をおこなう (Lombardo & Goshima 2011)。雌は20~80個のカプセルでできた卵塊を岩に産み付ける (産卵には数日~1週間かかる by 宮脇 1953)。直達発生し、各卵嚢から1個体の稚貝(約6㎜)がふ化する (藤永 1985)。

その他:「青ツブ」の名で広く流通している。本種は捕食者だが死肉を利用するスカベンジャーでもある。その性質を利用して、切り身を仕掛けたかごで漁獲される。焼くととてもおいしい。ただし、唾液腺を食すと「つぶ酔い」するので注意。
卵塊はさながらトウモロコシのようであり、中国では ‘sea corn’ と呼ばれているらしい (Hao et al. 2021)。

2019年2月 山上
2019年4月 山上交尾中
2019年5月 山上産卵中の雌。
2020年3月 山上ヌノメアサリを捕食
2020年3月 山上捕食痕(オウウヨウラクの捕食痕と違って、貫通しないのが普通)
2018年8月 山上トゲクリガニの死肉に群がる。クロスジムシロも群がる。
2020年10月稚貝
2019年3月 山上砂底に潜っている。目立たない。
2018年7月 山上忍者すぎる。
2019年4月 山上交尾中
2019年5月 山上稚貝
2021年3月 山上
2019年10月 山上マンタ顔
2020年7月@積丹 大友マボヤを捕食?
2015年7月 りった 卵塊
2016年4月23日 りったシラトリガイモドキを捕食
2020年12月25日 りった
2020年10月 りった
2015年6月10日 りったしっかり歩く
2021年3月 大友
2021年4月11日 りった
2021年4月 とみよしちらっ
2021年5月 とみよし光を帯びる命...!
2021年5月 とみよし情報量が多いんじゃあホシゾラホンヤドカリケブカヒメヨコバサミ がヒメエゾとレイシガイ に食われてるクボガイの貝殻を狙ってる コモレビコガモガイ も探してね
2021年6月 とみよしとんでもねぇ数
2021年6月27日 りった卵塊
2021年6月27日 りったクボガイらしき貝を食べている
2021年6月27日 りったたくさん集まっている
2021年6月27日 りった
2021年5月1日 りったヌノメアサリらしきを食べている
2021年4月29日 りったレイシガイクボガイらしき貝を取り合う、周りで待機しているのはケブカヒメヨコバサミ
2021年4月29日 りった交尾中、それから仲間に入りたそうなやつさりげなく上にのっかるエゾチグサ
2021年4月16日 りったアサリを食べる
2021年7月23日 りった卵塊を上から見たところ
2021年 吉田
2021年9月7日 藤本
赤ちゃん
2021年6月 とみよし色黒ね
2021年9月20日 藤本古くなった卵嚢塊の中に稚貝がいっぱい詰まってた。大きくなるまでこうして身を寄せ合ってる?
2021年11月6日 りったアサリを狙っているのかも
2021年11月6日 りったベイビー、オカダウミウシと一緒
2021年11月6日 りった何かを食べている
2021年11月6日 りったなにやら集まっている
2021年11月6日 りった交尾?
2021年11月6日 りったイシダタミを捕食
2021年11月6日 りったクロスジムシロがおこぼれ頂戴にやって来ている
2022年3月20日 とみよしクロスジムシロを捕食
2021年7月 とみよし崖っぷち

引用文献: