オカダウミウシ

Vayssierea felis (Collingwood, 1881)

レア度:いつでも見られる

形態:体長5mm未満の微小なウミウシ。軟体は足を含めすべてオレンジ色で、濃淡には多少の変異がある。鰓葉をもたず、触角もしばしば収納するため、知っていないとウミウシにはみえない。卵嚢もまたオレンジ色であり、体内の卵は透けてみえる。

生息域:日本各地に分布し、潮間帯から潮下帯に生息する。葛登支では平磯の転石下に普通にみられる。

生態:肉食性である。ウズマキゴカイは餌生物としてよく知られており、その棲管まるい穴をあけ、30分から6時間程度で捕食する (Young 1969)。潮下帯では小型巻貝を捕食し、体色は緑色になる (中野 2019)。雌雄同体である (Baba 1931)。交尾は前後を逆にした2個体で行われ、春から初夏にかけて、10~20の卵嚢を転石に産出する (Baba 1937)。直達発生。

その他:Okadaia elegans Baba, 1930 ともあらわされる

2018年6月 山上
2020年8月 山上
2020年 青木ウズマキゴカイの棲管に穿孔している
2020年5月 青木 オカダが開けた穴。全部で3つ開いている。
2020年5月 青木卵塊
2020年8月 大友石の下でウズマキゴカイと共に見られる。中央当たりの赤い点がオカダウミウシ。
2019年6月 山上産卵は転石下で行われる。
2015年5月 りった ウニの殻の上、ヒザラガイと
2021年5月 藤本
クボガイの上はさながらビュッフェ会場
2021年5月 藤本クボガイの上でウズマキゴカイを食べる
2021年4月16日 りった
2021年5月1日 りったそんなことより背景の生き物が気になりすぎる
2021年4月29日 りったなんかいた
2021年7月25日 りった
2022年3月20日 とみよしぷりちー
2022年3月20日 とみよしまるまった子猫のよう

引用文献:

  1. Baba, K. 1931. A noteworthy gill-less holohepatic Nudibranch, Okadaia elegans Baba, with reference to its internal anatomy. Annotations Zoologicae Japonenses, 13: 6389.

  2. Baba, K. 1937. Contribution to the knowledge of a nudibranch, Okadaia elegans. Japanese Journal of Zoology, 7: 147–190.

  3. Young, D. K. 1969. Okadaia elegans, a tube-boring nudibranch mollusc from the central and west Pacific. American Zoologist, 9: 903–907.

  4. 中野理枝. 2019. ネイチャーガイド 日本のウミウシ 第二版. 文一総合出版. 206pp.