「――…また朝帰りかよ」
上半身だけを起こして、薄明かるい部屋の入口に立つ影を凝視する。出来るだけ物音を立てないようにと一応気を遣っていたみたいだが、一睡もしていないこちらとしてはそんな配慮は全く以て関係の無いことだった。
「………起きてた?」
イタズラがバレたかのように、苦笑しながら上着を脱いで、もう一つのベッドの上に置いてあったインナーに着替える。呆れた溜息と共に「当たり前だろ」と答えて再び布団を首まで掛けた。
「また帰ってくるなり熱出して動けなくなっても困るし。 ――まあその様子じゃ今日は大丈夫だんだろうけど」「んーまあ、今日は飲んでただけだしね」
脱いだ服を畳んで、枕の傍らに置くメルの動作を一通り見終え、異常ナシと判断して寝返りを打つ。――そうならそうと行く前に言ってくれりゃいいのに。もしものことを考えて寝なかった自分がバカみたいだ。あーホント、余計な心配しないでさっさと寝てりゃ良かった。
「………アズ?」「うるさい、喋るな、寝る」
メルに背を向けたまま、瞳を閉じて身体を丸めて言い放つ。すると、少し離れた位置からクスリと笑い声が聞こえた。
「心配かけてゴメンネ」「おかげさまで寝不足だよホントに。」
悪びれた声音でもなく謝る彼に、悪態をつく。今から寝ても2時間しか眠れないというのは本当に大問題だ。つい先日までハンター業を生業としていたヤツにとっちゃ、酒飲んで1日くらい寝なくたって平気だろうけどさ。こちとら元々そこまで体力のないただの治癒師だ。明日どうなるかさえわからない生活をしながら徹夜するのは、些か――いや、それ以上に危険を伴う。ましてや人間ではない存在を相手にしているのだから当然誰かが怪我を負うリスクも当然あるわけで。――言ってしまえば、そんな生活の中で一晩中酒を飲んで朝に帰ってくるコイツがどうかしている。みんなが起きるまでの2時間、どう過ごそうと勝手だけど、こちらの仮眠の邪魔だけはしないでほしい。
「――ねぇ、アズ、」
まだ何かあるのかと、半ば睨むように目線を向ければ、ベッドの中に入った彼はへらっと笑う。
「心配してくれてありがとう」
何を今さら…、と大して内容もなかったことに地味な苛立ちを覚え、
「バカじゃないの」と返して再び元の体勢に戻る。
ゆっくりと目を瞑れば、最後に小さく「おやすみ」、と聞こえた。ようやく寝られるのか…小さな溜め息が挨拶の返事となった。
起床の時間となり、完全に熟睡していた僕の掛け布団を、
「エビバデセイハイ!グッモーニン☆」
とふざけた挨拶と共にいきなりひっぺがしたメルの顔面に枕を叩きつけたのは言うまでもない。
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NWでも小ネタでは未登場のアズとメルでした(笑)メルって誰ぞや…?みたいな顔されても……;; レオル(仮)ですよ?(ぇメルは完全チャラ男設定なので、朝のテンションが通常運転です(笑)毒舌家とチャラ男…同部屋にしたらあかん…(笑)多少口悪くても面倒見の良くておかん的ポジのキャラっておいしいよね!
(2019.08.13 初投稿)