理科の授業では、観察や実験を通じてさまざまな物質の性質を学びます。金属や薬品など、日常ではなかなか触れる機会のないものを扱うことも多く、生徒にとっては興味深く、印象に残る時間になるでしょう。
しかし、その一方で、一見無害に見える物質でも、使い方を誤ると重大な健康被害につながる危険性があることはあまり知られていません。実験が「楽しい」だけで終わらないように、安全への意識も同時に育てていく必要があります。
鉄は私たちの生活にとても身近な金属であり、理科の実験でも頻繁に使われます。釘や鉄線、鉄粉など、さまざまな形で登場しますが、その取り扱いには十分な注意が必要です。特に鉄粉の目や肺へのリスクに着目し、正しい知識と安全対策について解説します。
電気伝導性に優れ、理科室ではおなじみの金属ですが、粉末状の銅が人体に及ぼす影響は意外と知られていません。特に目や肺へのリスクに着目し、正しい知識と安全対策について解説します。
理科の授業では、酸素の発生実験などで「過酸化水素水(H₂O₂)」が使われることがあります。「オキシドール」として広く知られているこの薬品は、消毒薬として日常でも目にするため、危険物という意識が薄れがちです。 しかし、濃度が高くなると性質は一変します。皮膚への刺激や化学熱傷、目への障害など、濃度に応じた明確なリスクが存在します。
二酸化硫黄は身近な例でいえば「温泉のにおい」「腐った卵のようなにおい」と表現されることがあり、比較的低濃度でもその刺激臭に気づくことができます。しかし、濃度が高まると気づかぬうちに深刻な呼吸障害や目への影響を引き起こすことがあるため、実験時の扱いには十分な注意が必要です。
硫化水素は、温泉地や火山帯などの自然環境でも発生することがあり、教育現場だけでなく日常生活においても注意が必要な化学物質です。今回は、その生体への影響と対処法について詳しく見ていきます。
アンモニアは身近な化学物質のひとつで、家庭でも洗剤や肥料などに含まれていることがありますが、高濃度のアンモニアは強い刺激性を持ち、特に眼や呼吸器に対して重大な影響を及ぼすことがあります。