学習会の情報(終了しました)
1. 第1回:和泉 将朗氏(いずみまさあき):座/高円寺スタッフ
内 容: 「文化政策の現場から〜杉並区「座・高円寺」の実践」
日 時:2025年8月9日(土) 14:00開始 (開場30分前)〜16:00
場 所:藤沢市民会館 第2会議室
参加しての感想
まず、劇場の企画実施にあたって何百人単位でボランティアが集まると聞いて驚きました。それだけの数となったのは一朝一夕のことではなく、やってよかったと言う積み重ねがあってこそだと思いますが、地域・町の人々と一緒になって手を取り合って取り組んでいることがわかりました。
座・高円寺には、客席・舞台が可変式で、寄席や能楽にも使える「多目的ホール」があり、ジャズライブや「本の楽市」というワークショップも行うそうです。「多目的ホール」は無目的と評価されない傾向もありますが、逆にそれを活かした事業を進めていることが多分野にわたる集客に繋がっているようでした。他にも通常は喫茶のためのカフェを使って、参加者が「横に並んで」一緒に絵本を見ながら読み聞かせを行なっているし、ロビーには市民のイベントチラシや発表物の置き場を1月200円で利用できる「道草カウンター」というコーナーもあって、文化情報の拠点ともなっています。また劇作家協会と連携した施設のため、演劇資料室には上演台本や演劇雑誌が集められています。さらに感心したのは、毎年演劇の自主企画に地区の小学生を招待して、文化・芸術を市民生活の身近な存在にしている点です。
劇場といっても、お芝居をするだけではない様々な可能性を持った場所として、地域にとってどのような劇場でありたいのか、施設地域をどうしたいのかを考えた様々な取り組みが紹介され、面白そう、行ってみたいと思いました。
一方藤沢市は、“複合施設”をどういう意図を持って進めようとしているのか、今後の展開が心配です。市民が主役の施設にするためにも、私たち市民がもっと関心を持たなくてはと思います。
2. 第2回:柳田 秀憲氏(やなぎだひでのり):元藤沢市議
内 容: 「OURプロジェクト〜プロポーザルを読み解く」
日 時:2025年9月7日(日) 14:00開始 (開場30分前)〜15:30予定
場 所:藤沢市民会館 第2会議室
参加しての感想
柳田さんのお話を聞いて、「藤沢市に文化振興条例をつくる」運動を市に向けてはたらきかける、という新しい視点に気付かせてもらえました。藤沢市には文化振興計画はあっても具体性に欠けていて、しかも市長、議員が代わると「文化芸術にお金を使い過ぎだ」と文化施策を止めてしまっています。神奈川県の他市では条例をつくっているところも多く、予算に文化芸術を入れ込むことで具体化してくるし、中長期的な計画を立てられるようです。今藤沢市ではOUR projectを進めています。柳田さんはこの大きな文化芸術プロジェクトを利用しない手はない、これに便乗して条例をつくるチャンスだと言われました。
文化芸術は票にならないからと政治や行政もあまり力を入れない現実があるものの、市民の声が大きければ変わっていくという繰り返された指摘には、OUR projectや文化行政にもっともっと市民の関心を高めていきたいと思いました。
また、お話の中で図書館の集客力に期待しているというところでは、こちらは本当に市のアピール不足。非日常のホールよりも日常にある図書館をもっとより良いものにしていくために「図書館友の会」というものあるということ、それが市に意見を言える団体であることは初めて知りました。こちらも藤沢にはないと…本当に残念です。
市政の一端を担っていた方なので、ウラ話のようなことを散りばめたお話はとても楽しく、とても学ぶことが多かったです。