公開質問状のまとめ

公開質問状回答から見えること



この度、当会の公開質問状に対し、立候補者55人の内14人の方から回答をいただきました。選挙中にあって真摯にご回答をいただいた皆さんに、謹んで御礼を申しあげます。ただし、回答の数は決して十分とは言えず、私たちの広報力の弱さであることを認めたうえで、同時に、この問題が藤沢市の大事な政策として認識されていない現実を表しているとも感じました。

今回いただいた回答をもとに、回答に関しての分析を試みました。

 

・事業評価についての回答結果からは、この事業を「評価する」「ある程度評価する」が10人で多く、立候補者の多数が肯定的に受け取っていることが見て取れますが、「市民の理解が得られているか」の質問には、「思う」が1人、「どちらとも言えない」が3人で、残り10人は「思わない」でした。さらに、全員が「市民への情報公開が不十分」であると回答しています。このことから、再整備事業についての必要性は認められるものの、市民への情報公開のあり方や関心喚起については検討の余地があると考える人が多いことを示していると言えるでしょう。

・市民参加については、市民への理解の図り方として、「審議会、検討委員会などに市民参加枠を設けた方が良い」と答えた方が9人で最も多く、全員が市民への「情報提供や情報公開はもっと必要」だと回答されています。

・公民連携に関しては、一人を除いて「民」に市民を加えるべきとの回答でした。

・PFI方式による事業方法についての回答では、必要3人、不要6人、どちらとも言えない4人で、回答は分かれました。これは、PFI方式という事業手法でどのような内容と進め方をしていくのかが不明であることに起因しているのではないでしょうか。従来の事例を鑑みて必ずしも成功例ばかりではないことを挙げる方も複数おられました。「必要」と答えた人の多くは経済的なメリットを挙げていて「民間アイデアの活用が有効」であるとの回答は一人だけでした。

・複合化については、必要が6人、不要が4人、どちらとも言えないが4人で回答は分かれました。複合化の理由を経済的なコスト面からとするなら、複合化による有効性につながらないと懸念する回答がありました。また、「必要」という回答の中にも、これだけの数が必要なのか検討すべきという回答がありました。こうしたことから、複合化の意義や各施設の連携機能をどのように構築するかという視点と、その具体的な議論が今後必要であることを示していると言えるでしょう。

・以上の点から、市民に向けた情報公開と関心の喚起が改めて重要であること、公民連携、PFI方式、複合化といった事業の中心的な課題については、十分に検討を深めることが事業の成否を決すると再認識しました。

藤沢の文化芸術を考える会