2014年

2月、3名が山口県の周防大島へ短期調査。「民俗学者宮本常一の出身島であり、同人物のアーカイブの中心地でもあります。今回は宮本が昭和30年以降に撮影した10万枚に至る写真群の調査。時々現れる昔の佐渡の景観写真に、3人でおおー!と声をあげておりました。郷土大学や文化交流センター、宮本最後の弟子といわれる新山和尚がいる泊清寺など、飛び回っています。それにしても寒いのだ!!!でも雪はありませんでした。」(小西)

5月、3名+院生1名で佐渡予備調査。今年度は社会調査として、稲鯨集落(相川地区)を調査することになり、集落の若手と相談をしました。稲鯨は純漁村の集落で、勇壮で知られる祭礼が夏にあります。芸能の島として有名な佐渡では民俗学などの多くの芸能研究の成果があり、祭礼から広がる現在の社会関係を調査することになりました。他方大崎や宿根木では、前年の調査成果をお渡ししました。

8月18日〜31日、合同調査。教員3名の他、首都大12名、武蔵大10名、東海大8名、立教大3名の学生が参加し、教員補助として首都大の院生2名、千葉大の院生1名が加わって2週間を過ごしました。主たるテーマは上記の通り稲鯨の祭礼と芸能です。祭礼に関する社会人類学的調査を行うだけでなく、総代や青年団の協力を得て祭りの準備や当日の門付に関わることができ、また映像資料の作成も行いました。今期の特色は旧二見小学校で寝泊まりしつつ、そこで夏学校や夏学祭を実施したことです。夏学祭とは二見滞在5年目を迎え、節目の年にあたって地域への感謝を込めて学生と子供、青年団が協力して作り上げた「学園祭」です。そこでは子供が考案した郷土料理を販売したり、プロジェクトの歩みを写真で展示したりしました。

他方、小木ではECにエコボランティアやセミナーで関わりを持ちました。門田・小西・杉本が講師を務めるセミナーは3年目を終え、今回は「日本海大学と小木民俗博物館—宮本常一の構想」と題して講演をしました。

10月、佐渡市金井で新潟大学人文学部主催シンポジウム「宮本常一と佐渡」が開かれ、香月洋一郎氏・柳平則子氏とともに門田が登壇しました。