2010年

2月、小西が出講している首都大学東京・社会人類学分野の学部生数名とともに「にしすがも創造舎」、「芸能花伝舎」を見学。新宿区立、旧淀橋第三小学校の廃校舎を再利用した芸能花伝舎は、舞台芸術や音楽などの芸能活動の拠点として、事務所やスタジオとして賃借に出されるかたちで再活用されていました。都市部ならではの利用法を見学し、佐渡との相違点を確認しました。

【参考】芸能花伝舎 http://www.geidankyo.or.jp/12kaden/、にしすがも創造舎 http://sozosha.anj.or.jp


2月、首都大学東京の学生8名程度とともに佐渡調査。1年後に閉校する予定の深浦小学校を知元校長先生の案内で見学するとともに(写真右上)、学区の各集落代表が集まる深浦小学校の再活用検討委員会に参加しました。その会では鼓童の上之山さんを中心に、各集落が学校舎をどのように再利用したいと考えているのか案を出し合い、KJ法を用いて全体の意見を集約する試みを行いました(写真左上は整理を行う杉本)。佐渡調査後、門田は「大地の芸術祭」の舞台となる新潟県・松代の旧三省小学校を再利用した宿泊施設「三省ハウス」を訪れました。

【参考】三省ハウス http://www.sanshohouse.jp/index.php

5月、佐渡を訪問し、夏の本格調査の準備を行いました。調査地を深浦、二見に定め、地元の方々と滞在の方法やどのような取り組みを行うべきか話し合いを持ちました。その中で深浦では学校が閉校していくプロセスを緻密に追っていき、学校という存在を地域の人々がいかに捉えているのかを明らかにすることを目的とし(写真左)、他方既に閉校している二見では、廃校舎に子供を集めて大学生とともに勉強や遊びを行い、地域の人々に関心を持ってもらうための実験をやってみることになりました(写真右)。

8月8日から23日頃まで佐渡で合同調査を実施しました。参加者は教員3名、学生10名程度。宿泊は二見が二見集落センター、小木では定宿を見つけられず、宿根木の民宿「多来宿」、弘仁寺(羽茂)、素浜海岸キャンプ場を転々としましたが、地元の若者とも友達になりネットワークが広がりました。二見では「夏学校」と称して大学生と子供がともに廃校舎で学びました。また二見や深浦では社会人類学の方法に基づき、地域の生活において学校がいかなる役割を持っていたかを明らかにするための調査を行いました。