朝の空気が少しひんやりしていて、気もちのいい日差しを浴びながら、スクールの草花に水やりをしていると、一週間前にまいた朝顔の種が2つ芽を出していました。この朝顔は、息子がここ3年間、花を咲かせそして種をとり、また花を咲かせ、種をとってを繰り返してきたものです。3代目の我が家の大切な朝顔となります。
土の重さを跳ね返して、力強く葉を広げ、これから大きく茎やつるを伸ばしていこうとしているそんな朝顔を見ているとふと、反抗期という言葉が頭をよぎりました。学校教育に携わっているころも多くのご質問やご相談を受けたキーワードです。
皆さんもよく耳にするように、反抗期は2度に分けてその傾向がみられると時期が訪れると言われています。これを第1次反抗期と第2次反抗期ということはご存じの通りです。
第1次反抗期は、2歳から4歳前後に訪れます。何でも「いや・いや」と言っては自己主張をしてくる時期です。子育てをしていると少し戸惑いますし、思わずつらくなることもあります。しかし、子どもにしっかりと自我が生まれ、その自我を表現してくれていると考えれば、必要な成長過程であり、感動すら覚えます。大変ですがね。
そして、難しいのが第2反抗期とよばれる一般的には12歳前後から16歳前後に迎える時期です。個人差があるものですので年齢はそれぞれです。思春期と重なり、身体の成長と心の成長のバランスに戸惑いを感じたり、いらだちを感じたりと不安やストレスが募ります。そうしたこともあり、家族とのコミュニケーション、大人とのかかわり方をうまくコントロールできなくなってしまうことがあります。簡単に言えば、乱暴な言動や素っ気ない態度が目立ったりするということです。一方で自分は、反抗期がなかったという人もいるでしょう。ちなみに私は、第2次反抗期がたっぷりありました。
さて、この時期の大切さを考えてみます。人生50年と言われていたのは戦国時代、人生80年と言われていたのは少し前、今は人生100年時代です。授業などで「長い人生で不安なことをいくつか挙げてください」と尋ねると、「変化」と「失敗」という言葉が返ってきます。大人の方に向けたセミナーでも同じようにこの2つの言葉が一番多く聞かれます。確かに、二つとも大いに不安を感じるものです。
反抗期は、「変化」と「失敗」を通して生きることの大切さや難しさ、感謝の念を学ぶ大切な時期なのです。大切なことは、本人が気づくということです。親や周囲の大人が頭ごなしに気づかせようとして押さえつけても、反発したり、理解してもらえないといった感情を強くもたせることでしょう。押さえつけるのではなく、見守ったり、任せてみたり、失敗したときに手を差し伸べたり、言葉や行動で何気なく見せてみたりと「付かず離れず、離れず付かず」といった心もちが大切になります。本人は、たくさん失敗したことや迷惑をかけたことを大人になっても忘れません。そして、何より忘れないのがその時に、見捨てずに押さえつけずに必要な時に、話を聞いて関わってくれた人の温かさです。
反抗期の変化と失敗が、その後の受験や社会での営み、人生につながるようなものにしていくためには、付かず離れずに待てるかどうか、そして、朝顔の成長を見守るような心もちのような気がします。
動画ではもう少し詳しくお話しています。
よかったらチャンネル登録も、ぜひ・・・。