データから見る不都合な真実
私たちは、日々の暮らしの中で、社会が抱える問題を肌で感じながらも、その全体像や根本原因を正確に捉えることは、なかなか難しいものです。
ここでは、私たちが直面しているいくつかの「不都合な真実」について、感情論や印象論ではなく、客観的な「データ」を通じて、皆さんと一緒に見つめていきたいと思います。
ここに並べられたグラフは、一見するとそれぞれ別の問題を語っているように見えるかもしれません。しかし、これらはすべて、現在の社会システムが抱える構造的な欠陥という、一つの根で繋がっています。
1. 「過去」の検証:日本の出生率の長期的な推移
まず、私たちは日本の「過去」を振り返ります。多くの人が「最近の問題」と捉えがちな少子化が、実は50年も前から続く、根深い構造問題であることをデータは示しています。好景気ですら、この大きな流れを変えられなかったという事実は、私たちに何を問いかけているのでしょうか。
2. 「未来」の選択:日本の人口推計シナリオ比較
次に、私たちはその「過去」から地続きである日本の「未来」を直視します。たとえ奇跡的に出生率が回復したとしても、今後数十年にわたる深刻な危機は避けられない、という動かしがたい未来をデータは予測しています。「出生率さえ上がれば大丈夫」という考えがいかに危険な幻想であるか、そして「今、行動すること」がいかに重要であるかを、二つの未来の比較を通じて考えます。
3. 「世界」の構造:富の分配に見る根本問題
最後に、私たちは視点を「世界」へと広げ、より根本的な問題を考えます。「経済成長すれば、みんなが豊かになる」というのは本当でしょうか。世界の総資産が増え続ける一方で、その富がいかに偏って分配されているか。データは、現在の社会システムが、成長の果実を社会全体に行き渡らせる機能を、果たして持っているのかという、厳しい現実を突きつけます。
これらのデータが示す事実は、決して私たちを絶望させるためのものではありません。
むしろ、私たちがこれまで「仕方がない」と諦めていた問題の多くが、実は社会の「仕組み」の問題であり、その仕組みを変えれば、未来もまた変えることができるのだという、希望の出発点なのです。
さあ、一緒に、データが語る声に耳を傾けてみましょう。