■学校名
拓殖大学
■代表者名
木檜涼夏(大3)
■他メンバー
渡邉萌音(大3)、鈴木詩織(大3)、田隝愛海(大3)
■担当教員(指導者)
中嶋嘉孝
東京競馬場に来場者数を増やすには
■作品概要
私たちは「東京競馬場に来場者数を増やすには」というテーマのもと、競馬場が持つ地域活性化の可能性について研究を行いました。近年、競馬の売上の約85%がネット購入となっており、現地への来場者が減少しています。こうした状況を受け、東京競馬場を「馬券を買う場所」ではなく、「体験を楽しむレジャースポット」として再発信することを目的に、STP分析や4P分析を活用して戦略を立案しました。特に若年層やファミリー層をターゲットに、SNS映えや地域性を意識したイベントの企画を提案しました。たとえば、府中市の飲食店と連携したスイーツフェスの開催や、芝生エリアや大画面ビジョンを活用した音楽ライブ、さらにアニメ作品とのコラボイベント、競馬場での流鏑馬、子どものアート展示など、競馬を知らない人でも楽しめる空間づくりを目指しました。これにより、競馬場が地域商業や観光促進に貢献し、「競馬のまち府中」としてのブランド価値向上にもつながると考えました。チームでは現地調査やデータ分析をもとに意見を出し合い、より実現性の高い提案へとまとめました。研究を通して、地域資源を生かしたマーケティングの重要性と、エンターテインメントが人と地域を結びつける力を学ぶことができました。
■探究の動機や目的
私たちが「東京競馬場の来場者数を増やすには」というテーマを探求しようと考えたのは、東京に大きな競馬場があり、馬と関わる機会を持てる環境にあることがきっかけでした。東京競馬場は全国的にも知名度が高い施設ですが、コロナ禍以降は来場者数の伸びが鈍化しており、その状況に課題を感じました。競馬はインターネットでも楽しめるようになった一方で、現地に足を運ぶ魅力や地域とのつながりが十分に発揮されていないのではないかと考えました。そこで、地域マーケティングを学んでいる私たちだからこそ現地来場の価値を高め、新しい視点から来場促進につながる工夫を見いだせるのではないかと思い、このテーマに取り組むことを決めました。
■探究の方法や内容
今回の探求テーマは「東京競馬場に来場者数を増やすには」です。そのために、まずは現地調査を重視し、東京競馬場に実際に赴き、施設の規模や設備、イベントの有無、来場者の動線などを観察することで現状を把握しました。さらに比較対象として、中山競馬場にも足を運び、両者を比較することで、長所や短所、雰囲気の違い、さらには訪れている客層の特徴を具体的に知ることを目指しました。現場での観察によって得られる情報は、公式データだけでは見えにくい利用者の行動や満足度に直結する要素を明らかにできると考えます。
また、JRA(日本中央競馬会)の公式ホームページを用いて、売得金額や開催場ごとの入場人員、総参加人員といった統計データを収集しました。これらは年度ごとに整理されており、推移を把握することで来場者数が増減する要因を推測できます。現地調査と公式統計を組み合わせることで、東京競馬場の強みと改善点を浮き彫りにし、来場者増加に向けた具体的な提案を導き出すことを探求の方法としました。
■感想と今後の課題
「東京競馬場の来場者数を増やす」というテーマに取り組むにあたり、班員全員が初めて東京競馬場と中山競馬場を訪れました。広大な敷地、充実したレジャー施設、そしてレースに対する観客の熱気を現地で体験したことは、競馬場に対する漠然としたイメージを具体的なアイデアへと昇華させる上で不可欠な経験でした。
今後の研究課題は、この「現地でしか得られない特別な体験価値」を感じることのできるイベントを企画に落とし込み、新規来場者やライト層が競馬場にくる魅力を増やすことです。特に、インターネット投票が主流の時代だからこそ、現地でしか味わうことのできない感動や楽しみの創出が必要です。
また、提案するイベントの実現可能性を高めることが重要だと考えます。アイデアを単なる夢で終わらせず、費用対効果、人員配置、JRAや地域との連携体制などを具体的に検証し、現場で実行可能なレベルまで追求していきたいと考えます。