生物部では、2021年の10月に熱帯魚水槽を立ち上げ、それ以降3年間管理し続けています。熱帯魚とは、熱帯や亜熱帯に生息する魚類、特に淡水性のもののみを指します。熱帯魚水槽では、熱帯魚および掃除用のエビや貝を飼育しており、水草の栽培も行っています。ここでは、水草および普段の水槽の管理について説明していきます。
水槽内で水草を栽培しているのは、もちろん観賞のためではありますが、他にも以下のような利点があります。
・水質改善に貢献してくれる
・光合成によって酸素を供給してくれる
・生物の隠れ家になる
水草が伸びすぎたらハサミでトリミングしています。特に、水槽の後方に植えてある後景草はすぐに伸びてきて水面に到達してしまうので、かなりの頻度でトリミングをしています。トリミングして余った部分はピンセットを使って底砂に植えることで、根が生えてきて定着し、より密にすることができます。
水槽内の水草をいくつか紹介します。
生物部の活動日には毎日、浮上性の餌と沈下性の餌を両方与えています。
ライトの点灯時間は季節ごとの日照時間に合うように調節しています。
水換えは2週間に1回ほど、全体の1/3〜1/2ほどの水量の水を交換しています。一気に全量近くを交換しないのは、水質や水温が急激に変化して水槽内の生物にダメージを与えてしまうのを防ぐためです。
また、水草の育成のために、専用のキットを使ってCO2(二酸化炭素)の添加を行っています。CO2の添加を行わなくても水草を育てることは可能ですが、光合成に十分な量の二酸化炭素が得られず、きれいに育たなかったり、種類によっては枯れてしまうことがあります。CO2の添加を行うことで、水草が上手く育ち、美しい水槽を作ることができるのです。
去年までは、CO2添加を行っていることで水質が酸性に傾いていたため、巻貝のラムズホーンの殻がすぐに溶けてしまい、繁殖こそしているものの、数mmサイズで死滅してしまっている状態が続いていました。しかし、今年はフィルターに牡蠣殻を投入してpHを上げることに成功し、塩基性よりになったことで、ラムズホーンも成長するようになったのですが、今度は逆にpHが上がりすぎ、添加したCO2がその中和に使われてしまったことで、生育に最適なCO2量の数十分の一程度しか水中に存在しなくなり、水草がなかなか育たなくなるという本末転倒な状況となってしまいました。そのため、現在では牡蠣殻を減らし、毎日pH検査キットでpHを測定しながら、pH調整剤によって調整を行なう操作を繰り返すことで、水草育成にベストなpHに近づけようと試行錯誤しています。