キノコという生き物は、いたるところに生息しています。このパネルでは、スーパーに生息(?)しているキノコから、尾瀬合宿で出会ったキノコまで様々なキノコを紹介したいと思います。僕自身キノコについてあまり詳しいわけではないため、気楽に読んでいただけると幸いです。
まずはキノコの分類について軽く触れたいと思います。
「キノコ」とは、菌類のうち比較的大きな子実体(菌類の一部が胞子形成のために作る構造)を作るもの、あるいはその子実体そのものを指します。ここで言う菌類とは、「真菌類」のことです。大腸菌や納豆菌などは名前に「菌」とついているものの、真菌類とは大きく異なる細菌(バクテリア)というグループに属します。キノコは植物の仲間と思われがちですが、実は植物より動物に近縁な仲間です。
キノコの中でも分類があり、下図のようになっています。
担子菌類は、傘の下の小さなひだにある、担子器 と呼ばれる細胞上に担子胞子を作ります。
食用のキノコの大部分は担子菌類です。子のう菌類は、子のうと呼ばれる細長い袋状の細胞の中に胞子を作ります。冬虫夏草などは子のう菌類です。
エノキタケ Flammulina velutipes
担子菌門 真正担子菌綱 ハラタケ目 タマバリタケ科
スーパーでよく売っているキノコです。左の写真は市販のもの、右の写真は野生のものです。市販のエノキタケはもやしのように光を与えないように育てているため白くなっています。
ブナシメジ Hypsizygus marmoreus
担子菌門 真正担子菌綱 ハラタケ目 シメジ科
ブナの倒木に生えることからブナシメジという名前が一般的です。以前はシロタモギタケと同一視されていましたが、傘に大理石のような模様がついていることなどから、別種と判明しました。
シロセイヨウショウロ Tuber magnatum
子のう菌門 チャワンタケ綱 チャワンタケ目 セイヨウショウロ科
通常「白トリュフ」として食用になる、子のう菌類のキノコです。この種はイタリア北西部のアルバという地域のみで採取され、その独特な風味から世界三大珍味とされています。
ベニテングタケ Amanita muscaria
担子菌門 真正担子菌綱 ハラタケ目 テングタケ科
恐らく日本で最も有名な毒キノコで、見た目が非常に毒々しいキノコです。しかし、毒性がとても高いわけではなく、大量に食べなければ死ぬことは少ないです。
ニカワホウキタケ Calocera viscosa
担子菌門 アカキクラゲ綱 アカキクラゲ目 アカキクラゲ科
尾瀬沼周辺や、尾瀬ヶ原へ向かう途中で発見しました。特徴的な色と見た目をしており、強い毒性はないですが不可食です。写真の個体は4cmほどで、成長すると10cmほどになります。
フサヒメホウキタケ Artomyces pyxidatus
担子菌門 真正担子菌綱 ベニタケ目 マツカサタケ科
地面の木の皮の隙間から伸びているのを発見しました。王冠状分岐や琴柱と呼ばれる特徴的な分岐を持ち、毒はありませんが通常不可食で、食した場合、辛味があります。
キノコは日常で色んなところにありますが、思っている以上に奥が深いです。
そんなキノコたちを、一度是非、じっくりと観察してみてください。