1.留学先をどのように決めたか
私は親がアメリカのファッションや米軍グッズが好きだったこともあり、その影響かアメリカ映画を見たり洋楽を聞いたりとアメリカの文化に興味がありました。しかし、だからといって英語が得意であったとか英語の成績が良かったわけではなく、むしろ苦手意識を持っていました。
それでも「英語を話せるになりたい!」という気持ちはずっとあり、大学に入った頃からいつか留学したいと考えていました。ただ、費用のことを考えると、できるだけ負担の少ない交換留学が良いと思い、交換留学には一定の語学スコアが必要であることから、IELTやTOEFL(R)で基準をクリアする必要があったため、IELTS対策の授業LEAPを履修したり、GCS(グローバルコミュニケーションスペース)で英語に関する質問や自主学習、ディスカッション・クラブでのスピーキング練習を通して少しずつ英語力を伸ばしていきました。また、私は応用化学科に所属していたため、留学先でも化学の授業を受けたいと考えていました。そこで、自分の英語力でも挑戦できるアメリカの大学を調べ、留学先を決めました。
2.留学前の準備で必要なこと
交換留学では、留学に行くことだけではなく、その前の準備がとても大切だと思います。必要な単位を修得したり、英語の勉強をしたりすることもちろん、アルバイトで留学資金を貯めたり、交換留学の出願後に審査のための面接準備をしたり、留学先が決定した後のビザやパスポートの手続き、また留学先の文化や宗教などの特色についても調べました。留学を終えて、もっと準備しておけば良かったと感じたのは、「日本の文化をより深く理解し、それについて英語で話せるようにしておくこと」です。留学をしていると、日本のアニメや日本食について質問されたり、自分の国について話す機会が増えると思います。そこで話せるトピックを持っておくと相手の国の話をするだけではなく自分の国についても積極的に話すことができ、とても良い経験になると思います。
3.留学先の生活について
私の住んでいたPalm Desert(パーム デザート)は、温暖な地域で一年を通して温かい気候でした。夏は乾燥しており、蒸し暑さはないものの、気温が45℃以上になる日が続くため、日中は外出を控えていました。住まいはホームステイでメキシコ出身のホストファザーとホストマザーに加え、カナダ人と韓国人のホームメイトと住んでいました。アメリカにいながらも、アメリカ人以外の人々と一緒に生活し、英語を使って異文化交流を深めていたので、とても面白い経験でした。食事は、ホストマザーが作るメキシカン料理がほとんどでしたがとても美味しく、いつもお替りをしていました。
4.大学での授業について
留学先では、専攻である化学の授業に加え、ローカルの学生が受ける英語の授業や土壌科学など、幅広い分野の授業を履修しました。クラスの規模は1クラス約20~30人で、日本の大学と比べると教授との距離が近く、気軽に質問や意見を交換できる雰囲気でした。
特に印象的だったのは、学生が主体的に授業に参加するスタイルです。日本の大学の授業では教授の講義を聞き特に発言を求められないことがほとんどですが、アメリカの授業ではディスカッションやグループワークが頻繁に行われ、学生が積極的に発言や質問することが求められました。授業の中で分からないことがあったらためらわずその場で質問したり、自分の考えを発表する機会が多く最初は戸惑いましたが、授業を繰り返し受けているうちに疑問に思った点を質問したり意見を述べることに慣れ、自信を持てるようになりました。
化学の授業で実験もセットで履修していました。実験は2~3人のペアで、実験書に沿って進めていきますが、実験前に簡単な教授の解説と目的の説明があるだけで、その後は学生自身で進めなくてはいけないため、予習が必須でした。1学期目は専門用語や細かい操作方法が分からず、ペアの学生に丁寧に教えてもらったのが印象に残っています。2学期目は異なる有機化学の実験でしたが、1学期目よりもスムーズに進められるように、自分がペアに教える機会があったときに、自分の成長を感じることができました。
5.大学のクラブ活動について
大学には「インターナショナルクラブ」というクラブがあり、私はそのクラブに所属していました。そこでは、ローカルの学生だけではなくヨーロッパ、南アメリカ、アジア圏など色々な国の学生と交流することができ、そこで多くの友達を作ることができました。特に、月に一度開かれるスポーツやゲーム、異文化交流パーティーはとても楽しく、印象に残っています。
6.課外活動について
学校外でも、なるべく積極的に現地の人たちと交流するように心がけていました。ホームメイトと一緒にハイキングに行ったり、公園でバスケットボールをしている学生たちに混ざってプレーしたりすることで、自然な形で会話の機会を増やしていきました。ただ、毎日のように外出していると疲れてしまうこともあったのでそういう時は家でゆっくり過ごす時間も大切にしていました。リラックスするときでも、なるべく英語に触れる意識し、テレビ番組やYouTubeを英語で視聴するようにしていました。特に、YouTubeの留学ブログやコメディーショーをよく観ていました。
7.留学を終えて
留学を通じて、留学先での単位取得や語学力の向上だけではなく、アメリカでさまざまな国の人々と出会い、多様な価値観を触れることができました。特に、メキシコ出身のホストファミリー、韓国人やカナダ人の友人、大学の仲間たちとの経験は私にとってかけがえのない財産となりました。この留学経験は、単に海外で生活するという以上の意味を持っていたと思います。留学は、自分の国を出てさまざまな国の人と出会い、異なる価値観に触れることで、自分自身を見つめ直す素晴らしい機会だと私は思います。
東洋大学理工学部では、GCSの運営や、各種資格試験対策講座などを通じて、グローバル人財の育成と国際的視野を持ったエンジニアの育成に取り組んでまいります。