授業クローズアップ

機械工学科の授業紹介

東洋大学機械工学科のいくつかの講義の様子を紹介します。 

機械工学序論(1年生科目)

1年生向けに機械工学の概要や機械工学を学ぶ上で必要なスタディスキルを身につけるための講義「機械工学序論I, II」を開講しています。履修の仕方や大学講義におけるノートの取り方から始まり、報告書の作成方法、技術者としての倫理などについて講義を受講し、演習を行います。また、部品の寸法計測や作図に関する実習を通して機械の設計製図の第一歩を学びます。さらに、グループに分かれて実験や製作なども行います。これらのグループワークを通して大学入学後の早い段階から仲間と議論して問題を解決する能力や、現象を観察する習慣など、技術者としてのモノの見方、考え方を身につけていきます。 

3つの設計系科目(2年生~3年生科目)

安全で性能の良い機械を作るには「材料力学」や「機械力学」、「流体力学」、「熱力学」などの知識が必要になります。機械を上手く動かすには機械の状態を観測・統制する「計測工学」や「制御工学」の知識が必要になります。本学科のカリキュラムではこれらの6つを基幹分野と位置付けています。そして、機械設計において最も重要なことはこれらの基礎知識を使って様々な要素(部品)を構造化する(組み合わせる)ことで必要な機能を発現させることです。

本学科では3つの設計系科目を通して機械設計に必要な知識やスキルを学びます。まず、2年生の「設計論の基礎と製図」で機械設計に必要な知識や製図法を学びます。3年生の「CAD/CAM演習」では幅広い産業界で使われる3D CADソフト(SolidWorks)によるコンピュータ上での3次元設計について学びます。そして、「機械設計法および演習」では設計プロセスを理解するために、概念設計、詳細設計、仕様作成、加工作業、組立作業、実験、評価という手順を実際に機械の設計・製作を通して学びます。

多様な実験・実習科目(2年生~3年生科目)

本学科では基幹分野の講義科目や設計製図に関する科目に加え、広く選択科目を用意しています。その中には多様な実習・実験科目も含まれています。例えば、「機械工学実験I, II」では講義科目で学ぶ内容に関連した実験を行って結果を考察することで講義科目の内容に対する理解を深めます。「インターンシップ」では企業での2週間程度にわたる実習を通して、授業で得る知識の重要性を認識するとともに職業意識の向上、自分自身の職業に対する適性の把握などを行い、より実践的な考え方も身につけます。また、機械工学の研究開発を行うためにはコンピュータの利用は不可欠な時代です。そこで「プログラミングI, II」ではアルゴリズムの知識やプログラミング技術を身につけます。「シミュレーション実習」ではMATLABという支援ソフトを用いて、講義で学んだ知識について数値シミュレーションを行って現象を確かめながら理解を深めます。「ロボット製作実習」では各自で小型の移動ロボットを作り、ロボット工学や制御工学などの理論とプログラミングの知識を用いて障害物回避などの課題にチャレンジします。 

卒業研究I,II(4年生科目)

本学科では4年生で卒業研究を必須科目として指定しています。学生は興味ある分野の研究室(研究室一覧)に配属されて1年をかけて卒業研究を行います。3年生までの講義科目の受講とは異なり、個々の研究テーマについて学生自らが率先して関連研究の調査し、必要となる理論や実験手法などの習得を行って研究を進めていきます。新しい研究をするのですから、答えは教科書には載っていません。指導教員をはじめとする他者との議論を行ったり、専門書を読んで勉強したりしながら、問題を解決していきます。1年間の終わりには研究内容を卒業論文としてまとめて発表します。これらは決して楽なことではありませんが、卒業研究での経験は大学を卒業した後に技術者として仕事をするうえでの基本となります。