井上円了像(東洋大学 白山キャンパス)
撮影日:2025年11月20日
碑文① 1994(平成6)年
碑文② 2002(平成14)年 台座新設銘
【設置場所】
東京都文京区白山5-28-20 東洋大学白山キャンパス 甫水の森
【設置者】
東洋大学校友会
【碑文①】
井上円了先生は 安政五年(一八五八)越後国(新潟県)に生まれ 東京大学文学部哲学科を卒業 明治二十年(一八八七)東京本郷の麟祥院内に哲学館・現在の東洋大学を創立した
哲学館はすべての人々に教育の機会を開放した日本で唯一の哲学を中心とする学校であった 先生は 日本人が「遠大にして活発な人間」となることを目指し、学校教育における人材育成とともに 家庭教育を重んじ 社会教育として全国を講演して歩くなど 広範な教育の事業と活動に生涯を捧げられた
爾来 東洋大学は明治・大正・昭和・平成と四代にわたる激動と混迷の歴史の中を営々としてその歩を進め 総合大学に発展した 現在は 大学部・大学院・短期大学ならびに通信教育部を併せるまでに成長し この間に十六万五千余名に及ぶ校友となった
明治二十七年九月に結成された「哲学館同窓会」を源流とする東洋大学校友会も大学の発展とともに歩み 平成六年(一九九四)創立百周年という大きな節目を迎えた
ここに 東洋大学校友会創立百周年記念事業として 東洋大学の学祖井上円了先生の像を建立し その道徳を永く後世に伝えるとともに 大学の発展を祈念する
平成六年十一月吉日
東洋大学校友会
会長 藤井 潔
【碑文②】
校友会寄贈井上円了先生銅像台座新設銘記
明治二十年(一八八七)九月 井上円了先生は哲学館を創設し 「哲学は学問世界の中央政府にして万学を統括するの学」であると その開館趣旨を明らかにされた 明治三十年(一八九七)七月に至り 哲学館は校地・校舎を白山台上に移し 今日の発展する東洋大学の礎を築かれた先生の教育は もろもろの東洋学を基盤に 当時のヨーロッパ清新の学問を取り入れ その統合を目指したものであり 学生に対し 恒に無限の刺激を与え続けたのである 生涯学ぶ喜びを体得した当時の学生達は 社会の各方面に出て 幅広く 校友としての活躍を展開したのである
井上円了先生は 明治三十九年 哲学館を引退し 私財を投じて現中野区にある哲学堂公園を開設された 新たに精神修養会を設立し 全国的な公演活動を以て 東洋大学を支援する傍ら満場溢れるばかりの聴衆に対し あらゆる学問をも束ね 民衆に活かすことのできる哲学のあり方を平易に述べ伝えていったのである まさに今日の生涯学習の嚆矢とも称すべきで先生自らはこれを「向下門の哲学」としてその著「奮闘哲学」に明示された
このたび 井上円了先生銅像遷座にあたり 東洋大学校友会は台座一座を新設し 先生のご功績に報おうとするものである
平成十四年四月吉日 東洋大学校友会
会長 菅沼 晃
【アクセス】
都営地下鉄三田線「白山」駅 A3出口 徒歩5分
東京メトロ南北線「本駒込」駅 1番出口 徒歩5分
東京メトロ千代田線「千駄木」駅 1番出口 徒歩15分
JR山手線「巣鴨」駅 南口 徒歩20分