QFD-品質機能展開


顧客の声が製造レベルにまで反映される技法


QFD(=Quality Function Deployment)はQCが全社的品質管理に移行された1960年代半ばから品質展開の試行が開始されたツールで、「プロダクト・アウトからマーケット・インの思想が製品開発で重要である」に主眼を置き、例えば、作成される品質表(下図参照)は顧客の声である"要求品質"から出発する。
  • 品質を魅力的品質要素(充足されれば満足、不充足でも仕方がない)、一元的品質要素(充足されれば満足、不充足で不満)及び当たり前品質要素(充足されれば当たり前、不充足で不満)に考え、ネガティブな顧客情報を集めた改良型製品ばかりにならないように定義している(これは狩野モデルと呼ばれている[1]参照)。

そして品質、技術、コストおよび信頼性と品質展開表を展開し、営業、設計の意図を製造に伝達できる具体的な品質保証の方法である。製品ライフサイクルでは、成長期から成熟期にかけて顧客の要求を効率的に利益に変換できる手法である(逆に、S字カーブを不連続にする技術開発や基礎研究では使用する必要性はない)。

  • 品質展開表が膨大になることが多く、簡易化したQFDが導入されることが多い。

多くの書籍では簡略に説明しているが、その活用は簡単なものではない。下には、その一部を示す。





まず①にて顧客の声(=要求)を要求品質展開表に展開する。同時に、製品・サービスの品質要素とマトリクスにまとめ、配点する。次に製品・サービスの機能を抽出し、先程の要求品質展開表とマトリクス化し、配点する(②)。更に機構展開を加え、配点、ウェートを計算する(③)・・・など、顧客の声を出発として、設計品質や製造品質に届くまで幾つもの展開表を作成することで、QFDは完成する。

 

  • 実施の際の注意

統計的には、①において、競合企業とのベンチマークを行なう場合、主成分分析(Wikipedia)を行なうので、統計の知識がある者が行なった方が有効である。ただし、それは分析を行なう時であり、顧客の声から要求品質に展開する作業は、クロスファンクショナルに行なうことが、何より重要である。

実施の手技については、例えば、QFDの品質展開をエクセルで行い、それと連動して主成分分析を統計ソフトで行なうことが出来るようにしているのが、日科技連のJUSE-StatWoksである。このソフトウェアではタグチメソッド(Wikipadia)の割り付けも行なうことができ便利である。

この手法の実施には、そもそもQFDが日本の製造現場が伝統的に培ってきた土台をベースに発達した経緯があるので、QCを習得している(もしくはQCの手法を踏襲しているシックスシグマを導入している)、開発現場から生産現場まで統計が浸透している(SQCを実践している)、FMEAやFTA、特性要因図を使用することが習慣化している、などの基本的なことが欠落している組織には適用は向かない。


 


  • 近年の傾向

1960年代から普及したQFDは第一世代と呼ばれ、品質保証が中心である。やがて、タグチメソッド発明技法のTRIZと融合していき(第二世代)、現在では、ITとの融合により、リアルタイムデータベースQFDの具体が進んでおり、第三世代のQFDと呼ばれている(『第3世代のQFD』紹介文より)。


 
*本ページ製作者は、QFDの実施とタグチメソッドで割り付けが必要な際、JUSE-StatWoksシリーズを用い、その他の統計解析は、Minitab を使用しています。いずれにせよ、第一世代のQFDを理解しないことには、世代を進めていくことはできません。


  • 関連記事
  • 参考文献
[1] 狩野紀昭, 瀬楽信彦, 高橋文夫, 辻新一, 「魅力的品質と当たり前品質」, 『品質』, 14, No.2 pp39-48, 1984.
 

  • QFD三部作と言えば日科技連の以下の書籍。
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  • エクセルで品質表を展開、それを統計ソフトで分析できるソフトウェア
  • 日科技連のJUSE-StatWoks

  • 現在、QFDは第三世代を迎えています。書籍の紹介はこちら。
  • 『第3世代のQFD- 開発プロセスマネジメントの品質機能展開』