Innovation-イノベーション

イノベーション、新結合、創造的破壊(Creative Destruction)・・・シュンペーター(Joseph Alois Schumpeter)

  • イノベーションの概念
    イノベーションの概念は、シュンペーターにまで遡る。 この概念は、シュンペーターが「新結合」として提示したもので、イノベーションとは基本的に「変化すること」である
    ● 「・・・この新しいものを生み出す機会となるものが、変化である。イノベーションとは、意識的かつ組織的に変化を探すことである。それらの変化が提供する経済的、社会的イノベーションの機会を体系的に分析することである」[1]
    ● 「イノベーションの語源であるinnovareを引くと、その意味は<何かを新しくする>ことである。(略)イノベーションとは、機会を新しいアイデアへと変換し、さらに、それが広く実用に供せられるように育てていく過程である。」[2]
    ● 「経済発展の本質は、以前には定められた静態的用途に充てられていた生産手段が、この経路から引き抜かれ、新しい目的に役立つように転用されることにある。この過程を、われわれは、新結合の遂行と呼ぶ」(後に「新結合」は「イノヴェーション」という言葉に置き換えられる)[3]

  • シュンペーターが示した新結合の例[4]
    1.新しい財貨の生産
    2.新しい生産方法
    3.新しい販路の開拓(既存であることは問わない)
    4.原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
    5.新しい組織の実現(独占的地位の形成または独占の打破)

 


  • 創造的破壊(Creative Destruction)の過程とは?[5]
    資本主義の本質的事実として、創造的破壊の過程を「不断に古きものを破壊し新しきものを創造して、たえず内部から経済構造を革命化する産業上の突然変異*」とし、当時の不完全競争、寡占理論は創造的破壊が存在しない仮定を置いていると批判している。

*厳密にいえば、これらの革命は不断に行われるものではない。それらは、比較的平穏な期間の介在によって相互に分離された不連続的な突進として起こる。しかしつねに革命があるか、もしくは革命の結果の吸収がある-これら二つのものが一緒になっていわゆる景気循環を形成する-という意味では、全体として過程は不断に動いているといえる(著者の注釈)。

 
このような競争の作用の仕方について、「この競争(新商品、新技術、新供給源、新組織型からくる競争)は、費用や品質の点における決定的な優位を占めるものであり、かつまた現存企業の利潤や生産量の多少をゆるがす程度のものではなく、その基礎や生存自体を揺るがすものである。したがってこの種の競争は他のものに比してはるかに効果的である。[6]」としている。

*シュンペーターに関する概要は本ページ右上の書籍(以下の参考書籍[3])が理解しやすい。

 

<参考文献>
[1] P・F・ドラッカー,上田惇生訳, 『新訳 イノベーションと起業家精神〈上〉その原理と方法 (ドラッカー選書)』ダイヤモンド社, 1997, p51.
[2] ジョー ティッド他, 後藤晃,鈴木潤訳『イノベーションの経営学―技術・市場・組織の統合的マネジメント』, NTT出版,2004,p49.
[3] 根井雅弘,『シュンペーター―企業者精神・新結合・創造的破壊とは何か』,講談社,2001.より引用。(J.A.Schumpeter, "Uber das Wesen der Wirtschaftskrisen", Zeitschrift fur Vorlkswirtshaft, Sozialpolitik und Verwaltung,1910, S.284.)
[4] J.A. シュムペーター,塩野谷祐一,東畑精一,中山伊知郎 訳『経済発展の理論―企業者利潤・資本・信用・利子および景気の回転に関する一研究〈上〉 (岩波文庫)』, 岩波文庫,1977,pp182-183.
[5] J.A. シュムペーター,中山伊知郎,東畑精一 訳『資本主義・社会主義・民主主義』東洋経済新報社, 1997,p130.
[6] [5]p132

参考サイト