シックスシグマ プロセス

シックスシグマ:プロセス改善における定量的方法としてISOで規格化された注目の手法

シックスシグマ、シックスシグマのプロセス、近年の傾向

シックスシグマは、1980年代初めにモトローラにより開発され、GEが98年度のアニュアルレポートでシックスシグマの効果を公表して以来、多くの企業が導入していった経営手法である。

シックスシグマのシグマは統計学上のσ(標準偏差)であり、6σ(シックスシグマ)とは、バラツキが極めて小さく、製品・サービスの欠陥の発生確率が3.4/100万回であることを意味している。運営はクロスファンクショナルなプロジェクト方式でブラックベルトと呼ばれるプロジェクトリーダーを中心に運営される。

シックスシグマの具体的なプロセスは以下である。 *1

プロセスは5段階あり、定義(Define)、測定(Measure)、分析(Analyze)、改善(Improve)及び管理(Control)である。

図に関しては[1](邦訳版),p43 図2.9 DMAICモデル を参考に作成。

Dフェーズ(Defineフェーズ)では、事業や企業にとって重要な問題、顧客の要求により、目標を設定する。

Mフェーズで、プロジェクトの推進者であるブラックベルトは、そのプロセスにおける着目すべき品質を特定し、当該プロセスの短期的、長期的なプロセスの能力を推定する。

Aフェーズにおいて、鍵となるプロダクトの性能指標をベンチマークし、最も良い性能への説明因子を抽出する。

Iフェーズでは、改善された性能、効果から特性を規定する、いわゆる最適化である。

そして、Cフェーズで、SPC(Statistical Process Control:統計的工程管理)を用い、改善された要因の維持管理を行なう。それぞれの頭文字をとって、DMAICモデルと呼ばれている。

当時(GEにより認知が高まり、普及が試みられている頃)、3.4/100万回のエラー率が注目を浴び、強調されすぎる嫌いがあったが、近年では、顧客のウォンツ、ニーズに焦点をあてた顧客価値をプロジェクトの中心的考え方に据える傾向にある。[2]


近年では、2011年にISO13053 定量的プロセスの改善手法 シックスシグマが制定され、標準化が進んでいる[3]。


注)*1以下のプロセスに関する記載の参考文献及び書籍

○Harry, M.J, "Six Sigma: A Breakthrough Strategy for Profitability", Quality Progress, 31, pp60-64, 1998.

○Harry, M.J, Schroeder R. Six sigma: the breakthrough management strategy revolutionizing the world's top corporations. New York: Doubleday, 1999(ダイヤモンド・シックスシグマ研究会監訳,伊藤沢訳,『シックスシグマ・ブレイクスルー戦略―高収益を生む経営品質をいかに築くか』ダイヤモンド社, 2000.)

  • 参考文献

[1] Pande, P.S., Neuman, R.P., Cavangh, R.R., The Six Sigma Way: How GE, Motorola, and Other Top Companies Are Honing Their Performance, McGraw Hill, NY.2000(高井紳二, 大川 修二 訳『シックスシグマ・ウエイ―全社的経営革新の全ノウハウ』日本経済新聞社,2000.)

[2] Harry. J.M., Crawford, D. , "Six Sigma - The next generation", Machine Design, 77, pp126-132, 2005.

[3] ジェネックスパートナーズ ”シックスシグマ オフィシャルページ” 内のコラムより。

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